内容紹介
忘れてた あなたがずっと守ってくれてたこと
10年ぶりぐらいで偶然再会した幼なじみ。なぜか彼女と2人で、ロスへ旅行することに(ランドセル)
会えば殺意を覚える相手、マリ。34歳の私にできた、バツイチだけど素敵な恋人の、7歳の娘だ(木蓮)
私たちは弱くて、かっこ悪くて、情けなくて。それでもきっと、大丈夫――
少し笑えて、結構せつない、「女どうし」を描く6つの物語。
『さくら』『きいろいゾウ』の著者、初の短編集!
西加奈子さんの作品を読むのはこれが初めてですが、もうすっかりはまってしまいました。
こういうの、わたしは大好きです。
短編集ということですが、どの作品もとってもイイ。
「ランドセル」偶然再開した幼馴染の「私」と「くみちゃん」の2人がロスに旅行に行く話。
関西弁の2人の英語は全然通じない。
2人の間の距離感が絶妙で、2人の間の空気がとってもイイ。
「灰皿」夫が亡くなり、住んでいた一戸建ての家を、若い女性小説家に貸すことになった私の話。モノローグな感じが上手く使われている。
これも2人の間の空気が面白い。
「木蓮」バツイチ子持ちの彼に恋をしてしまった私。彼の娘のマリを一日預かることになってしまうが、マリはとんでもなく生意気なガキで。
内心は"子供は嫌いなんだよ"オーラ全開、でも彼に良く思われようと必至にマリに親しく接しようとする私の姿が、非常に面白い。
「影」恋人を横取りした汚名を着せられて会社を辞めて、南の島に一人旅行に来た私の話。
島で出会った「みさき」は周囲から嘘つき呼ばわりされている嫌われ者で。
やっぱり、これも2人の間に流れている空気の感じがいい。
「しずく」6作品の中では、わたしはこれが一番好きかな。
同棲している男女は、それぞれメス猫を一匹ずつ飼っていて、その二匹の猫の物語。
猫同士の会話、猫から見る人間の姿、その描き方がもう抜群に上手い。
「シャワーキャップ」彼と同棲するために引越しを準備している30歳の私の元に、田舎から母親が手伝いに来る。
これも、母娘の間の距離感の面白さがイイ。
6作品とも、それぞれにとっても味のあるものばかり。
この1冊で西加奈子ファンなってしまった。
他の作品もぜひ読んでみようと思う。
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