![]() | タイムマシンは宇宙の扉を開く (講談社) 佐藤勝彦(宇宙物理学) 爆笑問題 ![]() souiunogaii評価 |
NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」って番組がある。
私はこれが大好きで、ほぼ欠かさずに毎週見ている。どんな内容の番組なのかは、私が説明するよりも番組のホームページを見てもらったほうがより伝わると思うので、そちらをご覧ください。
もくじ
はじめに 爆問学問のすすめ 太田光
プロローグ 初めての本郷
第1章 タイムマシンって、作れるんですか?
第2章 宇宙はどんどん膨張している
第3章 宇宙のはじまりって、いつですか?
第4章 「時間」っていったい何ですか?
第5章 人類の未来は明るいですか?
あとがきにかえて 感想 爆笑問題
本書は、宇宙物理学の佐藤勝彦教授がゲストの回のもので、太田光との対談の様子の内容が記されている。
もちろんテレビで放送されたものも見ているのだけれど、こうして文章化されたものを読んでみると、再度強く感心させられたことがある。
それは、佐藤教授の話し方の素晴らしさ。おだやかで、丁寧で、上品で、緻密で、もちろん論理的で、非常に感じが良いのだ。
この番組には数多くの大学教授がこれまで登場してるけれど、これだけ綺麗な日本語を使う人って、あんまりいないんじゃないかな。
(私が教わった物理の教授たちにも、あんな風に話せる人はいなかった)
佐藤教授は、太田光が何か言う度に、「そうなんですね」とか「おっしゃる通りですね」とか「まさにそうなんです」という返事を即座にしてくる。
(もちろん太田さんの言うことに不同意の場合を除いてだが)
そのことによって、太田さんと佐藤氏の会話はテンポ良くスムーズに流れていく。
もちろん、太田さんの考えと佐藤氏の考えが異なる話題だって出てくる。
こここそ、一番面白い場面でもある。
おおざっぱに言ってしまえば、物理学者である佐藤氏の
「我々は自然にあるものを認識はできるけれども、世界の運動を決める基本原理を人間が石で生み出すことはできない」
「客観世界においては、現実世界が支配しているんですよ」
という考えがあって、その一方で、漫才師で心の自由・可能性を信じる太田さんの
「もしかしたら人間が、その法則を生み出すことができるんじゃないか」
「イマジンだって、現実に対抗できるんですよ」
「もしかしたら、観察者じゃなくて創造者に人間はなり得るんじゃないか」
という考えと衝突する場面だ。
1度テレビで見ているということもあるが、文章から興奮している2人の、熱を持った対話の様子が伝わってくる。
“現実vs頭の中”というのは、この番組「爆笑問題のニッポンの教養」でもしばしば扱われる、それでいて毎回答えがはっきり出ない、実に奥深い問題だなと思う。
本来のテーマである理論天文学や最新の理論物理学についても、もちろんしっかりと語られている。その内容は、ちょっと難しいのでこれは実際に読んでもらう他にない。
夢のある話も出てきた。
「もしタイムマシンがあったら、先生はどこに行きたいですか?」
という質問だ。
佐藤勝彦教授の答えは「ビッグバンの瞬間を見たいですね」
太田さんの答えは「明治維新の頃を見てみたいな。坂本竜馬に会ってみたいね」
なるほど、納得だ。
私だったら、タイムマシンに乗ってどこに何を見に行こうかな、なんて想像していると、やっぱりワクワクしてくる。
最後に佐藤教授の言葉を。
何かをよく知れば、物事全部が分かるようになるというのは、嘘。よく知れば知るほど、必ず新たな知らないことが出てくるということを知るんですね。
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