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2007-10-14

『初乗り610円にダマされるな! 経済性工学の意思決定』橋本賢一 を読んで


初乗り610円にダマされるな!―経済性工学の意思決定 (リュウ・ブックス アステ新書)橋本 賢一初乗り610円にダマされるな!
経済性工学の意思決定
(リュウ・ブックス アステ新書)
橋本 賢一

souiunogaii評価 ハート2つ

あなたは、どちらを選びますか?
1. 長い列と短い列、あなたはどっちに並ぶ?
2. 赤字商品でも受注すると儲かる?
3. 人気商品は「完売」と「売れ残り」、どっちが儲かる?
4. タクシーは長距離と短距離、どっちがお得?
得をするには訳がある。「会計数学」で、すべてがわかる。

会計学の入門書。いや、入門書の入門書と言うべきか。
教科書じみた堅い本では決してない。
会計学についての知識をこれっぽっちも持ってない素人にも、読みやすく分かりやすい文章構成で、しかもストーリー仕立てで、身近な話題を例に使いながら解説してくれるのが本書だ。
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」が面白かった人なら、本書もきっと楽しめるはず。
このように、私たちはさまざまな損得の選択の機会にぶつかりますが、日常のやさしい選択はできても、数字が出てくると選択に迷ったり、常識と思っていることが実はそうではなかったりすることが多いのです。(中略)
何やら難しそうですが、会計数学が苦手な人でも買い物はできるのですから、「損か得か」を判断する原理を覚え、それを使ってみる体験をすれば、管理会計や経済性工学の考え方を、自然に身につけることができます。

パン工場の営業マンが、家計を助けるために土日にスーパーでバイトを始める。学生時代に会計を学んでいた彼は、スーパーの店長にいろいろなアドバイスを求められる。
同時にその会計知識を使って、本業のパン工場の経営の建て直しに着手する。

240ページ程の本書には、53個もの表・グラフが使われている。
数字を、視覚的に捉えることができる。

「会計数学」の解説では、当然ながら計算式も登場するが、丁寧に解説されているので心配はいらない。
必要なのは、引き算・掛け算・割り算だけ。
実際に、会計学のど素人の私にも、ちゃんと内容を飲み込むことができた。
もくじ
第1章 初乗り610円は安いのか?
 選択には手順がある―意思決定の原則
第2章 松坂牛のステーキよりラーメンを選ぶ
 何を基準に「どっちが得か」を決めるか―判断基準
第3章 昨日の損より明日の儲けを考えよう
 利益にも限界がある―限界利益と損益分岐点
第4章 あなたの心臓は病んでいないか
 これが利益を生み出す力―付加価値
第5章 価値あるものにお金をかける
 なぜ「高い、安い」を感じるか―最適資源配分
第6章 売値を3分の1にしても儲かる秘密
 儲かる仕組みを組み合わせる―システムミックス
第7章 釣った魚に餌はいらない
 変わるところだけを考える―埋没原価
第8章 どうして結婚できないのか
 もしもあの時……、逃がしたチャンス―機会損失
第9章 ワサビぬき醤油で刺身なんて食べられない
 回転率で利益を上げる―回転率

文章のリズムを作っているのは、いくつも設けられている、2択3択のクイズだ。
そう、本書のテーマは「損か得かどちらを選ぶか」だ。
クイズのところで、15秒か30秒かの間ちょっと立ち止まって考える時間をとりながら読む。
納得しながら、理解を確認しながら読み進めていけるようになってる。

著者の橋本賢一氏は会計のコンサルタントとして活躍されている方だ。
なるほど日々経営者たちにものごとを理解させ納得させる説明をしているからだろう、説明のしかたを熟知している。
理解してもらう、という文章の書き方が非常に上手い。
読んでいて疲れない。

各章ごとに「まとめ」が付いてること、巻末に付録として用語集が付いていることも、嬉しい。

無理なく「損益計算書」の見方が分かるようになる1冊。
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?  (光文社新書)身近な疑問からはじめる会計学山田 真哉
さおだけ屋はなぜ潰れないのか? (光文社新書)
身近な疑問からはじめる会計学
山田 真哉


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