![]() | (新潮文庫) 夏目漱石 ![]() souiunogaii評価 |
内容紹介
春の山路を登りつめた青年画家は、やがてとある温泉場で才気あふれる女、那美と出会う。俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に、絢爛豊富な語彙と多彩な文章を駆使して絵画的感覚美の世界を描き、自然派や西欧文学の現実主義への批判をこめて、その対極に位置する東洋趣味を高唱した、小説家としての漱石初期の名作である。
夏目漱石の『草枕』を読んでみた。
まず一言で感想を書くなら、「正直難しくて分からない部分が多かったな」というところ。
冒頭の文章は、
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
漢語が多い。あまり目にしたことの無い堅い表現が多い。
大部分を主人公の考えていることの説明で構成されたこの文章を、本の後ろについた注解をたよりにしながら読み進めていくことには、少しエネルギーがいった。
また、主人公の画家が作る数々の漢詩も、私なんかには「うーん…」と考え込んでしまう難解な表現のものが多かった。
(高校のときの国語(漢文)の授業で、昔の中国の五言絶句や七言律詩なんかも習った気がするが、当時はあれも苦手だった)
それでも、詩や書や画といった芸術の話は、部分的にだけれども楽しめた。
特に、目で見て楽しむ芸術というイメージのある絵画の魅力を、またそれを生み出す画家の偉大さを、言葉で、文章で表現し伝えている。
物語の筋も、これといってしっかりした芯があるものではなく、突然始まって突然終わる、という感じなのだけれど、それがまた良い。
何故だか、「さぁ、先を読もう」という気持ちを沸き起こさせてくれる力を持っていた。登場人物たちの不思議さか。
全体を通してテーマになっているのは、「非人情」という概念。
(「不人情」という言葉と区別して使われているのがポイントか)
これについては、正直読みきれなかった。
何となく、どういう考え方なのか、かすかなあやふやなイメージは頭の中に浮かぶ気もするのだけれど、しかし「非人情」を自身の言葉を使って分かりやすく説明しろといわれると、ちょっと答えに困ってしまうのだ。
難しい。
最後に、私がこの『草枕』の全文の中で、特に印象に残った文章をあげておこう。
うまい物も食わねば惜しい。少し食えば飽き足らぬ。存分食えばあとが不愉快だ。
文明はあらゆる限りの手段をつくして、個性を発達せしめたる後、あらゆる限りの方法によってこの個性を踏み付け様とする。
何年かしてから、もう一度この作品に挑戦することを宿題にしておこう。










