2008-03-20

『プロの論理力!』荒井裕樹 を読んで

プロの論理力! (祥伝社)トップ弁護士に学ぶ、相手を納得させる技術荒井裕樹プロの論理力!
トップ弁護士に学ぶ、相手を納得させる技術
(祥伝社)
荒井裕樹

souiunogaii評価 ハート4つ

内容紹介
青色発光ダイオード中村裁判などに携わり、28歳で年収1億を実現
「論理的交渉力」を武器に成功するために!
「彼は異能の人である。2人だけのディスカッションの中での彼の発言から、出口の見えなかった難問の切り口を得る。その時、人生の至福とはこれなのだと思う。
このようなことは、しばしば起きる」
――升永英俊(青色発光ダイオード中村裁判・主任弁護人)
升永弁護士に、たった3年でこう言わしめた「論理的仕事術」のすべてを開示!

「論理力」は「個人の時代」に成功するための、最大の武器になる!
自分の主張を通したければ、裏で根回しを画策したりするのではなく、きちんとした「論理」を組み立てて正面から闘わなければいけないのが、これからの日本社会だ。地位や年齢とは関係なく、強い「論理力」を持った人間が「個人」として生き残るようになる。

表紙の写真は著者自身、弁護士の荒井裕樹。東大在学中に司法試験に合格。主に職務発明事件、知的財産権や税務の訴訟を扱う弁護士だ。
いつだったか、TBSの「情熱大陸」に出てたのを見たことがある。
これまでに青色LED事件や味の素パルスイート事件、日立光ディスク事件などの○億円単位の裁判に参加し、素晴らしい成果を上げている。
自身の年収も億を超えるという。凄腕の弁護士だ。
そんな荒井氏が、自分の仕事のやり方、背景にある想い、目指しているものなどについて「論理力」を1つのキーワードとして語ったのが本書だ。
もくじ
序章 「論理力」はあらゆるビジネスマンに不可欠な能力だ
1章 トップ弁護士はどこが違うのか
   ―「野心」と「論理力」で世の中を変えていく
(1) 弁護士には2種類ある―勝てる弁護士と平均点弁護士
(2) 青色LED・中村裁判―個人の力が世の中を変えていく
2章 論理的交渉力を高める7つの掟
   ―トップ弁護士が明かす、交渉で勝つためのセオリー
3章 年収1億を実現する「論理的仕事術」
   ―「論理力」には人生を大きく変える力がある
(1) 論理力を鍛える習慣術
(2) 論理的想像力を高める情報収集・整理術
(3) キャリアを最速で高める論理的仕事術

読んでみて、まず「カッコいい人だ!」という感想を持った。
文章からはもちろん“クールな頭の良さ”がひしひしと伝わってくる。考え方・話の進め方・表現の選び方、など全てがきちんと計算された上で作られている。これぞまさに「論理力」のある文章だと、そう思った。

しかし、私が感じた彼のカッコよさのポイントは、これ以外にもう1つある。むしろそっちの方にこそ大きく感動した。
それは、「個人の力」の重要性を語る彼の強い信念だ。
彼は「個人の力」の可能性を信じ、それを広めて、社会のしくみさえも作り変えようとしている。
名のある大手法律事務所には入らず、小さくても実力主義の事務所を選んだのも、
大企業を相手に職務発明の対価を求めて闘うのも、国を相手に前例を覆す裁判を挑むのも、全ての根っこにあるのは、「個人の力」への強い熱い信念なんだと感じられる。
論理力というと、数学の問題を解くような「頭脳」だけあればいいように思われがちだが、より高いレベルを目指す「ハート」がなければ、それは「個人の力」にはならない。
論理力にかぎらず、おしなべて人間の能力とはそういうものだろう。その人が持っている野心が「個人の力」を引き出し、高める原動力になるのだと思う。

だからこそ私は、勇気を持って声を上げた発明者たちを、弁護士としてサポートしたいと思う。そして、社員である発明者の、「個人の力」の成果である職務発明を正しく評価してこなかった日本の企業風土を変えたいのだ。

こういう風に、1つの主義主張を自分の仕事や生き方に首尾一貫して持っている人に、私は大きな魅力を感じずにはいられない。ホントにカッコいいと思う。

本書は1章から3章まであるが、最初から最後まで「論理力」と「個人の力」という大きな主題に沿った一貫した内容になっている。
それでも話の題材はけっこう多岐にわたっている。いろんな方向からいろんな方法で「論理力」を語っているのだ。
高校時代の思い出、育った家庭環境から、司法試験や就職活動について、今の仕事を選んだ理由・思い。これまでに手がけた裁判の紹介。日々の仕事・生活の様子。さらに、社会情勢への自論。などなど。

読んでいて本当に面白い。こういう頭の良い人の書いた文章っていうのは、読みながら自分の頭もしっかり働いているのが分かる気がして、とても心地良い。

最後に、著者がまとめた、論理的交渉力を高める「7つの掟」を紹介。
1. 戦況判断のために、まず徹底した「情報収集」を行なう
2. 情報収集に基づき、「実現可能で明確な目標」を設定する
3. 「自分でコントロールできること」と「コントロールできないこと」とを峻別し、「自分でコントロールできる」要素に集中する
4. 目標達成に必要な「条件を列挙」し、1つずつ「潰して」いく
5. 「入念な準備」をした上で、「こちらから行動を起こす」ことで交渉の主導権を握る
6. 決して「感情的」にならない
7. 交渉相手に「感動」を与えて、「説得」ではなく「納得」してもらうことを心がける


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