2008-03-07

『目覚めよと彼の呼ぶ声がする』石田衣良 を読んで

目覚めよと彼の呼ぶ声がする (文藝春秋)石田衣良目覚めよと彼の呼ぶ声がする
(文藝春秋)
石田衣良


souiunogaii評価 ハート3つ

内容紹介(文藝春秋)人気絶頂作家が恋愛を、趣味を、そして人生を語る
人気絶頂作家が恋愛を、趣味を、そして人生を語る
いま、最も活き活きと現代を描く作家が恋愛を語り、スポーツや音楽を楽しみ、憲法論議にも独特の視点で切り込む刺激的エッセイ集
いま、最も輝いているベストセラー作家が、自身の恋愛観やライフスタイル、お気に入りの場所やモノ、小説や映画について縦横無尽に語るエッセイ集です。
社会問題に対して、若い世代のカルチャーにも詳しい著者ならではの鋭い提言をする朝日新聞連載のコラムでは、硬派な一面も覗かせ、巻頭には8ページのミニ写真集も収録。まさにファン必読の一冊です。

石田衣良が雑誌や新聞に連載してきたエッセイを一冊にまとめた本。
テーマは、恋愛、趣味、インテリア、東京、子育て、読書、仕事、政治などなど幅広い。

先日読んだ、同じ石田衣良のエッセイ集『空は、今日も、青いか?』も面白く読ませてもらったが、本書もそれに劣らずたいへんに楽しませてもらった。
石田衣良という人は、ものの考え方が非常にカッコいいと思う。
知識が豊富で、自分の好みは明確で、何より価値観に芯がある。
大学ではほとんど勉強はせず、卒業後はフリーター生活で、若い頃から膨大な量の読書をし、コピーライターを経て作家になった人。
自分の気持ちに素直に生きる道を選んだからこそ、あれほどに感性豊かで情熱を持った素敵な人間になれたのだろうか。

どのテーマの文章も石田カラーみたいなものがにじみ出ていて、読んでいて本当に楽しい。
中でも私が特に興味を引かれたのは、石田衣良の「東京の街」について書いている文章。
小説ではその“街の描き方”が素晴らしいなといつも思うのだけれど、エッセイでももちろん読ませる。
池袋、月島、町屋、秋葉原、渋谷、新宿、青山、赤坂、神楽坂、二子玉川、横浜。
若い頃から何度も引越しを繰り返し、東京の中のいろいろな街に住み、その街を小説の舞台にしてきた石田衣良。
それぞれの街一つひとつへの思い入れや思い出、散歩の仕方、楽しみ方などが書かれているのも面白いし、石田さんなりの都市・東京論みたいなのもあって、さらにはそれぞれの小説と舞台になった街とを絡めて「どうやって小説が生まれたのか」を作者自身の文章で語ってくれる。東京に住んでいる人は特に、そうでない人でも楽しめる内容になっている。
ぼくはそんなふうに東京の街のひとつひとつを、自分のものにしていくのが好きなのである。そうしてものになった街を舞台に、小説をひとつ仕立てたりするのが、無闇に楽しいのだ。
(中略)
誰もがよく知っていると思い込んだ東京のありふれた街を、誰も書いたことのない方法で鮮やかに書く。多くの人がもっているその街のイメージを裏切るように、別な顔を詳細ていねいに書く。それはぼくが小説をつくるうえでのおおきな楽しみのひとつだ。

他にも、ダメ大学生だった彼がどうやって小説家になったのかの経緯も結構詳しく書いてある。
これ一冊読めば、その文章から、石田衣良という人がどういう人間なのかのエッセンスを感じられる。
私は本書を読んで、好きだった石田衣良をもっともっと好きになった。

【関連】
『空は、今日も、青いか?』石田衣良 を読んで
空は、今日も、青いか? (日本経済新聞社)石田衣良空は、今日も、青いか?
(日本経済新聞社)
石田衣良


最後に、本書で紹介されている石田衣良さんのオールタイムベストテンを。

地底世界ペルシダー (ハヤカワ文庫SF)エドガー・ライス・バロウズ

異星の客 (創元SF文庫)R・A・ハインライン異星の客 (創元SF文庫)R・A・ハインライン

ペスト (新潮文庫)アルベール・カミュ

要約すると (新潮文庫)サマセット・モーム

パイドロス (岩波文庫)プラトンパイドロス (岩波文庫)プラトン

死の棘 (新潮文庫)島尾 敏雄死の棘 (新潮文庫)島尾 敏雄

新麻雀放浪記 (文春文庫)阿佐田哲也

ガープの世界(上) (新潮文庫)ジョン・アーヴィングガープの世界(上) (新潮文庫)ジョン・アーヴィング

久保田万太郎全集 第14巻 (中央公論社)

眠れる美女 (新潮文庫)川端 康成眠れる美女 (新潮文庫)川端 康成


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