2008-02-02

『エンジェル』石田衣良 を読んで

エンジェル (集英社文庫)石田衣良エンジェル
(集英社文庫)
石田衣良


souiunogaii評価 ハート4つ

内容紹介(集英社文庫)
何者かに殺され、幽霊となった投資会社の若きオーナー掛井純一。
記憶を失った彼は、自らの死の真相を探りはじめる。やがて、彼は自分の周囲に張り巡らされていた黒い罠の存在を知る。すべての謎が解けた時、あまりにも切ない究極の選択が待ち受けていた。
デビュー作『池袋ウエストゲートパーク』の大ヒット、そして『娼年』、『スロー・グッドバイ』でさらなる注目をあつめる石田衣良が描く、やさしく切ないミステリー。

これも病気で入院しているときに、ベッドの上で読んだ本。

幽霊が主人公のミステリー小説。こんなものを病室で一人で読んでいると、本当にもういろんなことを考えたり想像したりして、頭の中がいっぱいになった。
いや、ホラー小説ではないから、霊的なものに恐怖を感じた、とかいうことではない。
そうじゃなくて、人って死んだ後は一体どうなるんだろう?みたいなこと。
天国ってあるのかな、とか。でもやっぱり死んだ後には何も無くて、死んだらそこで全てが終わるのかな、とか。
いろいろ想像した。

でも、この『エンジェル』って小説に限らず、死んだ後に人が幽霊になって、幽霊だから気づいてもらえないんだかど、それでも何とかして生きている人にメッセージを伝えようとする、みたいな話って他にもいっぱいあるんだよな。
小説に限らず、映画とか。
あげていけばきりが無いんだけれど、私が特に好きなのは「星願」っていう中国映画と、あと「シックスセンス」とかかな。

人間って死んだ後でも、違う形ででも何とかして生きることを続けたくて、それで幽霊なんかの世界があってほしいと願うのかもしれない。

で、本の話だけど、私が読んでいて感心したのは、まるでその場に自分がいてそのシーンを見ているかのような感覚を味わせてくれる石田衣良の文章のすごさ。
本小説はSFものなので、超常現象的な、光とか音とかがあふれ出してくるみたいな不思議な、これが映像化されたらCGで造るんだろうなという感じの、そういうシーンがたくさんある。
その一つひとつが、本当にリアルで、目で見る世界を言葉で表現する、表現とはこういうものだぞ!っていう凄さを感じさせてくれた。

あと、東京の町の描き方や、そこで働く人たちの描き方なんかは、これぞ石田衣良という感じで、やっぱり上手い。

面白かった。


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