![]() | (文春新書) 青野 慶久 ![]() souiunogaii評価 |
“北斗神拳”など、とうていあやつれない私が、企業をなんとか引っ張っているのはなぜだろうと考えたとき、もっと簡単な技を駆使している自分に気づきました。それは、“北斗神拳”と対照的な、誰でもいつでも簡単に取り組める“太極拳”というたとえがぴったりなものです。
その仕事術のひとつひとつを見てみると、たいして効果は大きくないかも知れないけれど、誰もがちょっとデキる人になれるもの。これをこの本では「ちょいデキ」と名づけました。
この本に載っている技に、あっと驚くものはありません。しかしながら、意外とできていないことがあるかもしれません。「ほほぅ、そういうやり方もあるか」と、気軽に読んでいただけたら幸いです。
はじめに より
仕事がデキる人という意味の「デキ」という語には、実現できれば最高だろうけれど、でも自分にはちょっとできそうにないな、という感じのイメージがすぐ浮かんでしまって、ちょっと凡人にはまぶしすぎる。
そんな「デキ」に、「ちょい」という接頭語をつけるだけで、こんなにもやわらかく親しみのある語に変わって感じられる。
「ちょいデキ!」とは何ともセンスの良いタイトルをつけたものだ。
著者の青野慶久氏は、IT企業サイボウズの社長だ。
大学卒業後、松下電工に入社、社内ベンチャー制度を使って仲間と会社を作り、その後、独立しサイボウズを設立、会社を東証一部に上場させ、現在は同社の社長、
なんて略歴だけを見ると、なんだやっぱりこの人も私たち凡人とはDNAから違うスーパーマンなのかと思ってしまうが、実はそうではない。
著者のモットーは、あくまでも自分に実行可能な範囲で頑張ることを続けていく「ちょいデキ」なのだ。
もくじ
はじめに―“北斗神拳”より“太極拳”
第1章 大企業に溶け込めず、起業へ
第2章 こんな私でもなんとかやってます
第3章 Q&A 基礎編
第4章 Q&A 役に立つ実践編
第5章 Q&A ビジネス情報収集術編
第6章 Q&A 健康管理編
第7章 では、現場へ「行ってらっしゃい!」
あとがき
第1章と第2章では、著者自身の学生時代からサイボウズ設立までのおおまかな流れが語られる。
ここで、あぁ、この人は本当にスーパーマンなんかじゃないんだと、普通の人が工夫した努力を積み重ねた結果、成功したんだ、と確認することができる。
そして第3章から第6章にかけて、数々の「ちょいデキ」仕事術が紹介される。
一つひとつは、2〜3ページと短くまとめられていて、とても読みやすい。
サラリーマン向けのもの(上司と部下の付き合い方、プレゼン、メール、英語)にとどまらず、日常生活(読書術、健康管理、新聞の読み方)に関連したもの、就職活動中の学生にも役立つ知識(面接、話し方)、そして自己啓発(モチベーション、やりたいこと、失敗)のようなもの、などなど幅広い。
順番に読んでいっても良いし、もくじを見て興味あるものからランダムに読んでも良い。忘れた頃にまた読み返しやすいのが良い。
私が面白いなと思ったのは、『ハウルの動く城』の原作本(Howl's Moving Castle)や、『チャーリーとチョコレート工場』の原作本(Charlie and the Chocolate Factory)を読みながら楽しんで英語を身につけるというもの。なるほど。
ラストの第7章では、ザイボウズで実践されているマーケティング7ヵ条なるものが紹介されている。これも興味深い。
本書に書かれていることは、一つひとつは誰にもやれる、決して難しくないことばかりなんだけど、そしてそれらは裏技的なものではなく、ごく普通のことなんだけど、それすらもやっていないから凡人の域から抜け出せないのかな、と。
「ちょいデキ」ごく普通にできることを、確実に、まじめに、毎日続けて、積み重ねていくことで、著者のような光るものを持った魅力ある人になれるんだと、本書は著者自身の経験を持って教えてくれました。
イチロー選手は、こう言いました。「小さなことを積み上げていくことが、とんでもないところに到達する唯一の方法だ」と。
もしかすると、あせらずに「ちょいデキ」を積み重ねていけば、私のような人間でも「スーパーデキ」になれる日が来るかもしれません。そう考えると、今、目の前にある問題を、ひとつひとつ大切に解決していきたいと、心からそう思えるのです。
あとがき より
渡邉美樹社長や三木谷浩史社長の本にはちょっと手が出せないという人におすすめの一冊。
最後に、著者の青野氏の「若いビジネスマンに薦める5冊」を。













