2007-12-16

『夢を与える』綿矢りさ を読んで

夢を与える (河出書房新社)綿矢 りさ夢を与える
(河出書房新社)
綿矢 りさ


souiunogaii評価 ハート3つ

内容紹介
チャイルドモデルから芸能界へ――
幼い頃からTVの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。
ある出来事をきっかけに彼女はブレイクするが!?
成長する少女の18年を描く、芥川賞受賞第一作。

綿矢りさの小説を読むのは2冊目。前に読んだのは『蹴りたい背中』。『インストール』は、映画は観たけど小説は読んでない。

いや、特に興味のある作家というわけではないのだが、この本は表紙が良かったので思わず手にとってしまった。

で、中身はというと、半分くらい読み進めても、「この物語はどこへ向かおうとしているの?」という疑問に少しイライラさせられるほど、ゴールの見えない展開だった。
ゆっくりだし、淡白だし。
(もし、作者が綿矢りさではなかったら、途中で読むのをやめてたかもしれない)

小学生のときにCMデビューし、中学生のときに人気が上がってきて、高校生のときにブレイクして、そんなタレント少女・夕子。
マネージャーとして夕子の仕事の一切を仕切ろうとする母。
その母と心に壁をつくられ、別居している夕子の父。
沖島のアドバイス以来、夕子は将来について訊かれると「夢を与える人になりたいです」と答えるようになった。しかしくり返していくうちに舌に違和感が出始め、自分が発している言葉の意味を考え出すと分からないことだらけだった。
「夢を与えるって、どういう意味なの?」

そして、「芸能界という世界は…」と考えさせるラスト。

『蹴りたい背中』とは打って変わって、この『夢を与える』は300ページもあるずいぶん分厚い小説だ。
そして文章は、淡々とした、温度の感じられない、どこか冷めてる感じのするものになった気がする。
こういう書き方もするんだ、と。
でも、中学生・高校生の女の子の、ちょっとずつ変わっていく心の様子を描くのが上手いなと思い、やっぱりこれは綿矢りさの作品だ、と。
綿矢りさインタビュー :Yahoo!ブックス
蹴りたい背中 (河出文庫)綿矢 りさ
蹴りたい背中 (河出文庫)
綿矢 りさ

インストール (河出文庫)綿矢 りさ
インストール (河出文庫)
綿矢 りさ


この記事へのコメント
TBありがとうございました。
綿矢さん新刊でませんね。
はやく読みたいです。
Posted by ナカムラのおばちゃん at 2007-12-16
「夢を与える」は、私がブログを始めて最初に書いた記事です♪
「インストール」、「蹴りたい背中」と比べて、文体が大分変っていたのが印象的でした。
終始淡々とした書き方でしたが、内容は重いものがあったなと思います。
栄光→スキャンダル→破滅という夕子の人生が、最後まで救いのないものだったのが、今までの作品と違ってちょっと後味が悪かったと思います。
でも芸能界の闇を見たような気がして、かなりリアリティはありました。
Posted by はまかぜ at 2008-05-31
コメントを書く
Name:

URL:

Comment:

認証コード:


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

文藝冬号綿矢りさ「夢を与える」  :ナカムラのおばちゃんの読んだん  2007-12-16
Excerpt: 夢を与える 綿矢りさ 文藝 冬号  河出書房新社  予期せぬ運命になど引きずられない、自分の想像したとおりの未来を歩んでみせるという意気込みで幹子は妊娠し、壊れかけていた恋人トーマとの関係を結..

夢を与える(綿矢りさ)  :Bookworm  2007-12-17
Excerpt: 芥川賞受賞後、初の長編小説。 ・・・なんだそうだ。えーっ!?受賞後初ってさぁ、受賞したのってけっこう前だったような気がするんだけど。

綿矢りさ【夢を与える】  :ぱんどらの本箱  2007-12-17
Excerpt: 幼いころからモデルとして活躍し、やがて芸能プロダクションに所属して人気タレントの座に登りつめた18歳の「阿部夕子」。親の期待、プロダクションの期待、スタッフの期待、ファン...

綿矢りさの「夢を与える」を読んだ!  :とんとん・にっき  2007-12-21
Excerpt: ちょうど1年前の1月の中頃だったでしょうか、第130回の芥川賞と直木賞が決定したのは。芥川賞は、綿矢りさの「蹴りたい背中 」と金原ひとみ「蛇にピアス 」のダブル受賞でした。綿矢は1984年生まれ19歳..

「夢を与える」のご紹介  :読書日和  2008-05-31
Excerpt: 今回が初めての記事となります。 ブログを使うのも初めてなのでドキドキしながら書いています。 さて、今回ご紹介するのは「夢を与える」(綿矢りさ著)という小説です。 綿矢りささんは2004年1月、史上最..

蹴りたい背中  :時々、読書ライフ  2008-07-04
Excerpt: 『蹴りたい背中』 著者:綿矢りさ 出版社:河出書房新社 定価:1,000円(税込) 2003年8月発行 ISBN:978-4309015705 第130回芥川賞を受賞した、綿矢りささんの著書で..
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。