2007-12-04

『おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学』徳田賢二 を読んで

おまけより割引してほしい (ちくま新書)値ごろ感の経済心理学徳田 賢二おまけより割引してほしい
値ごろ感の経済心理学
(ちくま新書)
徳田 賢二

souiunogaii評価 ハート4つ

意識的にせよ無意識的にせよ、商品の価値にどれだけの費用を払うべきか天秤にかけた結果で、「値ごろ感」の有無は生じる。本書はその「値ごろ感」が生み出される仕組みを解き明かし、さらには、ベストセラーがベストセラーたる理由、衝動買いやついで買いをさせられてしまう仕掛けなども豊富な事例とともに解説する。買い手も売り手も必読の経済心理学入門である。

経済心理学という言葉はこの本で初めて知ったのだけれど、内容はたいへんに面白いものだった。
本書でキーワードとして用いられているのは「値ごろ感」というもので、価値(Value)と費用(Cost)の比で表現される。
もくじ
I 値ごろ感ってなんだろう?
その1 おまけより割引してほしい―値ごろ感の因数分解
その2 棚ぼたの好ましさ―値ごろ感の分母を支配する負担感
その3 うまい、やすい、はやい―値ごろ感を生み出すもの

II 売れるものにはワケがある
その4 ベストセラーの秘密
その5 どうして衝動買いをするのか?
その6 ついでに買わせるコツ

経済学の基本法則(主に限界効用逓減の法則)と、簡単な心理学(主にマズローの欲求階層説)との2つを組み合わせて使いながら、価値と費用の意味とその変化を考えていく。
それによって、買い物のメカニズムが次々に解き明かされてくる。

と、私の説明では、なにやら難しそうな本かと誤解されてしまうかもしれないが、全然そうではない。
この本は非常に読みやすくできている。
その理由は大きく2つある。

1つは、買い物という誰にとっても身近なテーマを扱い、さらに実際の店や商品の名前を具体例として多く登場させているから。
吉野家、大戸屋、ドトール、スタバ、ジャパネットたかた、ユニクロ、コンビニ、グリコ、iPod、モスバーガー、マクドナルド、アマゾン、KIOSK、デパ地下、他にもいろいろ。
実際の店・商品を知っていて、買った経験があるからこそ、
「経済心理学」というなじみの薄い考え方でも、すんなりと受け入れられる。
納得しながら読める。

そして、この本が読みやすい2つ目の理由は、文章がとても若々しいこと。
これは、著者が大学教授という職にあり、かつ講義・ゼミ・部活などで日頃から学生たちと交流することを好み、大切に思っていることを示しているような気がする。
文章にみずみずしさが感じられる。
読んでいて、とても気持ちが良い。

値ごろ感の分数式は簡単なようでいて、買い物から人生全般につながりうる奥深さを持っている。また、同時に、価値と費用とのバランスを的確に見極めることができれば、売り手の仕掛けどころを見破ることもできるし、その仕掛けを見つけるのもまた一興というものだろう。すなわち、より賢い消費者にもなり得るとも言える。

とにかく面白い話ばかりだった。
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おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学 :Passion For The Future
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おまけより割引してほしい 値ごろ感の経済心理学/徳田賢二  :仮想本棚&電脳日記  2007-12-06
Excerpt: おまけより割引してほしい 値ごろ感の経済心理学/徳田賢二 「値ごろ感」という人間の感覚をわかりやすい言葉で解説しています。
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