2007-10-28

『今日、ホームレスになった 13のサラリーマンの転落人生』増田明利 を読んで

今日、ホームレスになった (新風舎)13のサラリーマン転落人生増田 明利今日、ホームレスになった
13のサラリーマン転落人生
(新風舎)
増田 明利

souiunogaii評価 ハート2つ

路上生活に揺れるホームレスたち。
彼らの平均年齢は55.9歳。ホームレスになった理由としては、失業・倒産や、病気や高齢で働けなくなった、などが主に挙げられる。
彼らの前職を調べてみると、正社員、会社経営者、自営業者の合計が全体の40%を占めており、リストラや倒産で転落する中高年が激増していることが分かる。
出口の見えない不況の昨今。明日は我が身に降りかかるかもしれない就職難、借金地獄、熟年離婚、家庭崩壊――そして、ホームレス。
日本社会の恐ろしい実態が、ここに登場する13人の生の声によって暴かれる。

読んですぐの感想、辛いなー、苦しいなー。

本書は、東京のホームレスの人たちへの、直接のインタビュー取材をまとめたもの。
テレビのドキュメンタリー番組やニュースの特集なんかでも、ときどきホームレスが取り上げられることもあるけれど、映像ではなくて文章から伝わってくる何とも言えない重たさが、この本にはある。

もくじ
CASE 1 エリートビジネスマンの暗転
次長の誤算 / 外資系企業の光と影 / ガード下の管理職 / 兜町けもの道 / 不安だらけで生きている
CASE 2 漂流するホワイトカラー
年を取るのが悪いのか / バブル世代は不用品 / リストラ役がリストラされて
ホームレス入門 ノブさんとの1週間
CASE 3 社長失格
ビルオーナーの転落 / 脱サラ・起業したけれど / アルカイダの馬鹿野郎
CASE 4 明日なき若者たち
多重債務の逃亡者 / 学歴・資格・特技なし

私は目を背けてしまう。
けれど、それはそこにある現実。

駅のゴミ箱や、電車の網棚で週刊誌を拾い集める人。
駅の階段の隅に新聞紙を敷いて、うずくまっている人。
高速道路の高架下や公園の、ダンボールとブルーシート。

毎日、目にしている。
半年くらい前、就職活動をしていた頃には、駅で寝ている人が、それまで以上に目に付いた。

いや、彼らを救済しようとか、援助しようとか、そういったが言いたいのでは決してない。
現在の日本社会に、このことに対して不満を言いたいのでは決してない。

ただ、彼らは自ら望んで苦しい状況に陥ったのではない。
本書に登場する13人は皆、日々後悔し、状況を改善したいと願い、懸命に暮らしてる。

この本の中で、最もずしりと重くのしかかってきたのは、次の文章。
昨日だけど雨が降ってきたんで地下鉄の構内に入ったんです。荷物を持ってうろうろしていたら、前から来た若いOL風の2人連れが私のことを避けて通っていった。汚いものを見るような目をしていたね。得たいの知れないヤツ、何をするか分からない危ない人間だと思ったんだろうね。
昔、自分がしていたことを今はされている。立派なホームレスになったもんだ。

しかし、だからといって、私は駅前でビッグイシューを売る人に近づこうとは思えない。


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