![]() | (新風舎) 吉田 龍二 souiunogaii評価 |
本を読むスピードはそれほど速くはない私だが、この「パーフェクト・ルーム」は1時間くらいであっという間に読みきってしまった。
それほどに面白く引き込まれる小説だった。
まったく思いつきもしなかった予想外の急展開。
読んだ人は、誰もが「そうだったのか!」と思わず叫びそうになるはず。
久しぶりに感じた、「やっぱり小説を読むのって面白い」って感覚。
パーフェクト・ルーム【perfect room】=完全な部屋。
四方八方をコンクリートに囲まれた密室で、脱出は不可能。設計者、所有者、場所、目的、実在性など、すべて不明。この世界のどこかに存在すると言われているが、その実体は謎に包まれている。
脱出せよ! コンクリートの完全密室には、僕と少女と黒猫。果たして脱出できるのか? それとも? そもそもこの部屋の存在とは?
奇想天外な設定がもたらすミステリー小説。
「パーフェクト・ルーム」そのタイトルに魅かれてこの本を手に取ったのだけれど、間違いなかった。
早くその謎を解き明かしたい!真相が知りたい!そう思って読み進めていく。
しだいに気持ちも高まってくる。
思いついたことを順不同にとにかく書き並べたという感じの、短い文を連続させるスタイルの文章が、現実社会・実世界と異世界・夢とを混ぜ合わせたような不思議な空間の雰囲気を表現するのにはぴったりだと感じられる。
そして、それらは後から考えれば、実によく計算された文章表現になっていると気づかされる。上手い。
ここは宇宙の中心だ。
僕がそう望むのならば。
読者の期待を裏切らずに、しかし予想は出来ない急展開。
そして、あのラスト。
読み終わった後、頭の中の回路が再構築されてすっきりするような気持ち良さが残る。
そもそも、あらゆる問いには正しい答えなんて存在しないのです。完璧な翻訳が存在しないのと同じです。大多数の人が答えだと思っているものを、これが答えだと教えてもらっただけ。それは限りなく答えに近い、近似値でしかありません。答えとはそういうものです。真実とは別物です。










