2010-09-26

『ここに消えない会話がある』山崎ナオコーラ を読んで

ここに消えない会話があるここに消えない会話がある
(集英社)
山崎ナオコーラ


souiunogaii評価 

内容紹介
何もない人生にも、キラキラ輝く会話がある
25歳の派遣社員、地味系男子の広田は半ば諦めの境地で生きている。しかし、会社で同僚と交わす会話が楽しくて世の中を嫌いになれない。人とのささいなやりとりのかけがえのなさを描く職場小説。


「ここに消えない会話がある」刊行記念 山崎ナオコーラさんロングインタビュー:集英社

微炭酸ホームページ(山崎ナオコーラが書いています)

またまた大好きな山崎ナオコーラさんの小説です。

とにかく、山崎ナオコーラ節というか、言葉の選び方・表現の仕方が絶妙すぎる!
小説なんだけど、ひとつひとつの文章から伝わってくるメッセージがたいへん力強い。


以前、他の作品でも扱われていた、新聞のテレビ欄の製作会社が舞台で、
登場人物たちは、そこで働く20代の男女。

一人ひとりの仕事に取り組む姿勢が、それぞれに違っていてその温度差みたいなものが面白い。
広田(アキバ系?)、岸(こそこそ小説を書いている)、佐々木(リーダーシップを取りたがる)、別所(いつも日焼けをしている)、魚住(ふざけている)、津留崎(美人)。
物語は三人称で綴られ、一応広田が中心になって語られるんだけれど、他の人物が中心になったりする場面もあったり、そのバランスがすごく上手い。
今日も、広田は出勤途中に空を見上げる。
空の青さ。「青」って一体なんだろう。人間にとって青ってなんだろう、青っていうのはどこにあるんだろう。

山崎ナオコーラ作品の最大の魅力とも言える、詩のような表現を織り交ぜた会話・心情描写が本作では特に印象的だった。
先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。

誰にも読めない流れるような字を書いて、郵便屋さんに届けられない手紙を出そう。

山崎ナオコーラさん、やっぱりこの人の書く小説を私は大好きだ。


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