2010-04-30

『青空チルアウト』中川充 を読んで

青空チルアウト (ダ・ヴィンチ ブックス)青空チルアウト
(ダ・ヴィンチ ブックス)
中川充


souiunogaii評価 

内容紹介
現在ぼくは、元彼女の実家に居候しながら仕事を探している。しかし「とらばーゆ」をひらいては居眠りしてしまう日々。お義父さんともなんだか気が合って、いっしょに将棋をさしたり花を愛でたり。
これではいかんと心機一転、元彼女のところを出て新たな居候先を見つけた。家主はマルさんという、ブライアン・メイみたいな顔をした男。変な人だと思っていたら――。
なんでもない一日をくりかえしながら、ちょっとずつ進んでいく。
チルアウトな日々をポジティブに描く青春小説。


『POKKA POKKA』で第1回ダ・ヴィンチ文学賞 編集長特別賞を受賞した中川充さんの作品です。

とにかく文体が特徴的。
一人称でしかも関西弁。主人公の「ぼく」が思ったことがそのままの順番で次々に言葉として浮かび上がってくるこの感じ、面白い。

ストーリーは何でもない日常を淡々と描いたもので、その平和な感じが何だか心地良い。
大学を休学中に貧乏旅行をして、卒業後はサラリーマンとして就職したものの、いろいろあって退職、そして現在はフリーターをしながら職探し中。
そんな「ぼく」の、自分の将来のことなのにどこか他人事のような、まるで漂流者な感じが、独特の文体と非常にマッチしている。

とくに大きな出来事が起こることもなくそのまま物語は終わるんだけれど、でもいつか彼は答えを見つけだして先に進むんだろう。
あしたはなにがあるのかな、他人事みたいにそんなことを思いながら地下鉄の駅へとつづく階段をゆっくりと下りていく。ただただ楽しく、静かな感じがただよう、そんなリズムにのっかって。


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