2010-03-07

『19分間(上・下)』ジョディ・ピコ― を読んで


19分間 上 (イソラ文庫)19分間(上)
ジョディ・ピコ―
(早川書房)


souiunogaii評価 
19分間 下 (イソラ文庫)19分間(下)
ジョディ・ピコ―
(早川書房)


本が好き!より献本。
内容紹介
〈親子の絆や友情を描く衝撃の感動作〉高校での銃乱射事件の真実とは?『私の中のあなた』の著者の新たな傑作

スターリングは平穏な町だった――3月のある日、高校で銃乱射事件が起こり、多数の生徒の未来が損なわれるまでは。
校内で人気の女子生徒ジョージーは、目の前で恋人を殺され、事件が起きていた19分間の記憶を失う。犯人は、幼少時にはジョージーと親友だった同級生のピーター。なぜ彼は凶行におよんだのか? どうしてジョージーは銃を向けられながらも射殺されなかったのか?
町中が悲嘆に沈むなか、裁判がはじまり、事件の背景が明らかになってゆく。
ベストセラー『私の中のあなた』の著者が、友人や恋人、家族の絆を描く感動作。

もくじ
第1部

2007年3月6日 / 17年まえ / 数時間後 / 12年まえ / 翌日 / 6年まえ / 10日後 / 1年まえ / 1ヶ月後 / 1か月まえ
第2部
5ヶ月後 / その日 午前6時30分 / 5ヶ月後 / その日 午前10時16分 / 5ヶ月後 / 2008年3月6日

上下巻を合わせて900ページを超える長編小説。
作者は、『私の中のあなた』が映画化された、アメリカのベストセラー作家のジョディ・ピコ―。

とある高校で起こった銃乱射事件、犯人として逮捕されたのはいじめられっ子の少年ピーターだった。
この物語のベースになっているのは、1999年のアメリカのコロンバイン高校の事件で、作者のジョディ・ピコ―が事件の膨大な資料を調べて、徹底した取材を行ったことが、あとがきでも書かれている。
タイトルの「19分間」というのは、銃が乱射されていた時間の長さ。

ピーターはどうして同級生たちを撃たなければならなかったのか。

もくじを見れば分かるように、物語は事件の後と前の10数年間を、交互に描きながら、主人公であるピーターとジョージ―の二人がどんな人生を歩んできたのかを、丁寧に丁寧に綴られている。

ミステリー作品なので、事件の真実が徐々に明かされていくその作りは非常に巧みにできていて、900ページは全然長くなかった。
登場人物はやや多めで、主人公たちの同級生(事件の被害者)たち、主人公の家族、警察、弁護士、検事、裁判官、・・・とさまざまな人々が出てくる。
一人称になる人物を次々に巧みに入れ替えながら語られる手法は、最初は少しとっつきにくい印象もあったが、読み進めていく内に、それが事件の全体像を映し出すための唯一最良の手法であると感じてくる。

後半の裁判シーンは、とってもその場面の空気をリアルに感じられ、登場人物たちの心理描写が非常に濃くて、読み応えのある素晴らしいものだった。
世界がスローモーションでまわりはじめ、自分の骨の動きや心の震えを感じられるようになる一瞬があるのを知っている?その後の人生でどんな経験をしようと、この1分間の出来事は細部にいたるまで永遠に忘れないとその瞬間に思うのを。

物語のクライマックスで、誰も予想できなかったサプライズが用意されていて、もう涙がこみ上げてきて、たまらなかった。




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