2010-01-24

『少女』湊かなえ を読んで

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女
(ハヤカワ・ミステリワールド)
湊かなえ


souiunogaii評価 

内容紹介
高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。
彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ。――「人が死ぬ瞬間を見たい」。
由紀は病院のボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。
少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?

湊かなえさんの作品は初めて読みましたが、本作ですっかりファンになってしまいました。
ミステリー的なストーリーの作りがすごく良くできているのはもちろんなんですが、
それ以上に、物語の世界全体から滲んでくる何とも言えないダークな感じがたまらないです。
こんな小説を、これまでに私は読んだことがありません。
湊かなえ、素晴らしい才能を持った人に出会えて、とっても嬉しい気持ちでいっぱいです。

物語の主人公は高校生の女の子二人、由紀と敦子。
昔はもっと仲良しだったのに、ある出来事のせいで今の二人の間の関係はちょっとぎこちない。
一人称での語り手を、由紀と敦子の二人で交互に入れ替えながら物語は進んでいきます。
途中に散りばめられたたくさんの伏線が徐々につながり始め、それぞれに進んでいた二人の物語が少しずつリンクしてくると、どんどん面白くなってきて、夢中になって読み進めました。

登場人物が高校生ということで、青春を感じさせる爽やかな場面もあるんですが、
やはり"人の死"をテーマにしているため、全体的に黒いダークな空気に満ちた作りになっています。
あんたがそれほど不幸だと言うなら、わたしとあんたの人生をそっくりそのまま入れ替えてあげる。それに抵抗があるうちは、あんたはまだ、世界一不幸ってわけじゃない。

"因果応報"っていう言葉が作品中に何度も使われているんだけれど、一つひとつの出来事がつながって、事実が明らかにされていくその描き方は本当に見事だ。

冒頭の部分になる遺書の意味が、ラストになって初めて分かる、その瞬間の衝撃はすごかった。

とにかく湊かなえさん、気になる作家リストにまた一人追加です。

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