2009-05-09

『予想通りに不合理』ダン・アリエリー を読んで

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」予想どおりに不合理
行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
(早川書房)
ダン・アリエリー

souiunogaii評価 

とにかく「行動経済学って面白い!」が連発の一冊。
内容紹介
これまでの経済学では、人は合理的に行動するものと考えられてきた。だが、本当にそうだろうか。
本当はおなじ味でも、雰囲気のいいカフェのコーヒーにはファストフード店のコーヒーより高いお金を払っていないだろうか?また、上等の靴下が必要だったのに、一足ぶんおまけされていた安物の靴下を買ってしまったことは?そう、人は不合理な行動をとるものなのだ。
経済行動に大きく影響しているにもかかわらず、これまで無視され誤解されてきた、人の不合理さを研究するのが、行動経済学という新しい分野である。ユニークで愉快な実験によって、人がどのように不合理な行動をとるのかを系統的に予想することが可能になった。「おとり」の選択肢や、価格のプラセボ効果、アンカリングなど、人の理性を惑わす要素を理解するとき、ビジネスや投資、政治の世界でも、驚くほどのチャンスがもたらされるようになったのだ。
行動経済学研究の第一人者がわたしたちを動かすものの正体をおもしろく解説する全米ベストセラー行動経済学入門。

昨年の11月に発売されて結構話題になっていた本なので、読みたい読みたいと思いながらなかなか時間がなかったりで、やっと読むことができました。

とっても面白かったです。非常に楽しめました。
「行動経済学」っていう学問分野についての興味関心が一気にぐっと高まり(深まり)ました。

本書のタイトルにもある"予想通りに"と"不合理"という言葉、この2つがセットになって使われているところに重要な意味がある。
従来の経済学っていうのは、「社会とは、合理的な人間の働きによってつくられている」という前提の上に成り立っているのだけれど、実際には人間の働きには不合理な点が多々あり、しかもそれらにはパターンがある。
っていうことを研究しているのがずばり「行動経済学」なんだそうだ。
わたしたちはふつうの経済理論が想定するより、はるかに合理性を欠いている。そのうえ、わたしたちの不合理な行動はでたらめでも無分別でもない。規則性があって、何度も繰り返してしまうため、予想もできる。だとすれば、ふつうの経済学を修正し、未検証の心理学という状態から抜け出すのが賢明ではないだろうか。これこそまさに、行動経済学という新しい分野であり、…

著者のダン・アリエリーは、行動経済学研究の第一人者と呼ばれる人で、MITをはじめアメリカの名だたる大学・研究機関で実績を積んできたすごい人みたいだ。

Dan Ariely Home Page:MIT (English)

本書の10章にもあるプラセボ研究の成果によって、2008年のイグ・ノーベル賞も受賞しているとか。
もくじ
1章 相対性の真相 なぜあらゆるものは―そうであってはならないものまで―相対的なのか
2章 需要と供給の誤謬
 なぜ真珠の値段は―そしてあらゆるものの値段は―定まっていないのか
3章 ゼロコストのコスト
 なぜ何も払わないのに払いすぎになるのか
4章 社会規範のコスト
 なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたん楽しくなくなるのか
5章 性的興奮の影響
 なぜ情熱は私たちが思っている以上に熱いのか
6章 先延ばしの問題と自制心
 なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
7章 高価な所有意識
 なぜ自分の持っているものを過大評価するのか
8章 扉をあけておく
 なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
9章 予測の効果
 なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか
10章 価格の力
 なぜ1セントのアスピリンにできないことが50セントのアスピリンならできるのか
11章 私たちの品性について その1
 なぜわたしたちは不正直なのか、そして、それについてなにができるか
12章 私たちの品性について その2
 なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか
13章 ビールと無料のランチ
 行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか

経済学っていうと、なんだか景気とか金融とか政策とかが絡む大規模で難しいものがぱっと思い浮かんでしまうかもしれない。
しかし、本書で扱われているテーマはそんなものをは全然違う。
もっと、簡単で日常生活に深く関係した身近なものばかりだ。
だから読んでいて楽しいし面白いし、「あぁ、そういうのあるある」がたくさん出てくるし、「そうか、こうすればいいんだ」みたいな発見がいくつもあって、とってもイイ。

キーワードを挙げてみると、
おとり、相対性、刷りこみ、恣意の一貫性、アンカリング、無料!の力、市場規範と社会規範、先延ばし、所有意識、予測の効果、不正直、不正、独自性欲求、
などなど。

そして、本書の面白さの一番のポイントは、著者が行った数多くの「実験」だと思う。
著者は他の研究仲間と一緒に、MITやハーバードの学生を対象に、さまざまな「実験」を繰り返し実施して、人間がどんな風に"不合理な"行動をとるのか、その法則性・パターンを探っていく。
仮説を立て、予測が正しいのかを実験によって検証する、そこからまた新たな理論を導く、という流れはまさに研究としてのまっとうな形であり、学問と呼ぶにふさわしいと思う。

本書「予想どおりに不合理」は、行動経済学の入門--でもあるが、それに留まっていない。本書の魅力は、「なぜそうなるのか」を説明するに留まらず、「ならどうするべきか」まで踏み込んでいるところにあるのだから。(中略)
経済学は面白い。役に立つことすらある。しかし感動まですることは、本書に巡り会うまで滅多になかった。この感動を、ぜひあなたも味わってほしい。





予想以上に合理的! - 書評 - 予想どおりに不合理:404 Blog Not Found
人は「予想どおりに不合理」だけど「意外に合理的」でもある、という話:H-Yamaguchi.net


人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く人は意外に合理的
新しい経済学で日常生活を読み解く
(ランダムハウス講談社)
ティム・ハーフォード



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