![]() | (小学館文庫) 西加奈子 ![]() souiunogaii評価 |
内容紹介
女子文学に愛の一閃を穿つ超新星デビュー作
26才スナック勤務の「あたし」と、おなかに「俺の国」地図を彫っている4才年下のダメ系学生風間くんと、ペット亀の「バタ」のほわほわ脱力気味の同棲生活から一転、あたしはリセットボタンを押すように、気がつけばひとり深夜長野の森にいた。
人っ子一人いない、真っ暗闇の世界のなかで、自分のちっぽけな存在を消そうと幽体離脱を試みたり、すべてと対峙するかのように大の字になって寝っころんだりしていたあたしの目に、ふと飛び込んできたうす青色の野生の花。その瞬間、彼女のなかでなにかが氷解した――。
ゆるゆるなのにギリギリなデイズ。そこで見つけた、ちっぽけな奇蹟。あンたのことが好きすぎるのよ。
今世紀の女子文学に愛の一閃を穿つデビュー作。
「あなたに、話したいことがあります」で始まる冒頭のプロローグ的な数ページが、とっても詩的な文章で、何だか不思議に幸せな気持ちになって、もうそれだけでこの作品に出会えてよかったと思える。
そんな風に感じさせておいて、それに続く本編の文章は打って変わって散文的で、主人公の"あたし"の心に思い浮かんだ言葉をずらずらっと並べました、みたいな淡々としたもので、
「あぁ、西加奈子だなぁ」って、これもまた大好きな感じで、イイ。
って、何を書きたいのか分からなくなっていますが、とにかく面白かったです。ははは(笑)。
主人公の女の子"あたし"と、その彼氏の"カザマ君"と、友達の"みいちゃん"の3人で作られる物語は、淡々と流れていく日常、繰り返し繰り返しの毎日、みたいなことを描きながら、
でもやっぱりその中で「私って生きてる!」ってことを確認できる瞬間があって、そういうのを確認できたときに、人はキラキラ輝けるんだってことを教えてくれる。
あたしは、生きてるんだ。
あたしがここにいることを、自分の体を抱きしめて座り込んでいることを、誰かに気づいてほしかった。何も言ってくれなくていいから、ただ、あたしがここにいることを知ってほしかった。気が違ったみたいに、世界中の人に愛されたいと思った。
あたしは、生きてるんだ。
タイトルの「あおい」に込められた意味が分かる場面では、胸に込み上げるものがあって、目が潤んでしまった。
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泣けます。泣けるからいいとは言いません。とにかく読んでみてください。