2009-02-21

『しずく』西加奈子 を読んで

しずく(光文社)西 加奈子 しずく
(光文社)
西 加奈子


souiunogaii評価 

内容紹介
忘れてた あなたがずっと守ってくれてたこと
10年ぶりぐらいで偶然再会した幼なじみ。なぜか彼女と2人で、ロスへ旅行することに(ランドセル)
会えば殺意を覚える相手、マリ。34歳の私にできた、バツイチだけど素敵な恋人の、7歳の娘だ(木蓮)
私たちは弱くて、かっこ悪くて、情けなくて。それでもきっと、大丈夫――
少し笑えて、結構せつない、「女どうし」を描く6つの物語。
『さくら』『きいろいゾウ』の著者、初の短編集!

西加奈子さんの作品を読むのはこれが初めてですが、もうすっかりはまってしまいました。
こういうの、わたしは大好きです。

短編集ということですが、どの作品もとってもイイ。

「ランドセル」
偶然再開した幼馴染の「私」と「くみちゃん」の2人がロスに旅行に行く話。
関西弁の2人の英語は全然通じない。
2人の間の距離感が絶妙で、2人の間の空気がとってもイイ。

「灰皿」
夫が亡くなり、住んでいた一戸建ての家を、若い女性小説家に貸すことになった私の話。モノローグな感じが上手く使われている。
これも2人の間の空気が面白い。

「木蓮」
バツイチ子持ちの彼に恋をしてしまった私。彼の娘のマリを一日預かることになってしまうが、マリはとんでもなく生意気なガキで。
内心は"子供は嫌いなんだよ"オーラ全開、でも彼に良く思われようと必至にマリに親しく接しようとする私の姿が、非常に面白い。

「影」
恋人を横取りした汚名を着せられて会社を辞めて、南の島に一人旅行に来た私の話。
島で出会った「みさき」は周囲から嘘つき呼ばわりされている嫌われ者で。
やっぱり、これも2人の間に流れている空気の感じがいい。

「しずく」
6作品の中では、わたしはこれが一番好きかな。
同棲している男女は、それぞれメス猫を一匹ずつ飼っていて、その二匹の猫の物語。
猫同士の会話、猫から見る人間の姿、その描き方がもう抜群に上手い。

「シャワーキャップ」
彼と同棲するために引越しを準備している30歳の私の元に、田舎から母親が手伝いに来る。
これも、母娘の間の距離感の面白さがイイ。

6作品とも、それぞれにとっても味のあるものばかり。

この1冊で西加奈子ファンなってしまった。
他の作品もぜひ読んでみようと思う。

作家の読書道 第53回 西加奈子さん:WEB本の雑誌

【関連記事】
『あおい』西加奈子 を読んで


この記事へのコメント
コメントを書く
Name:

URL:

Comment:

認証コード:


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

「しずく」西加奈子  :しんちゃんの買い物帳  2009-02-22
Excerpt: しずく(2007/04/20)西 加奈子商品詳細を見る 様々な女同士を描いた初の短編集です。長編も良いがこの短編集はすごく良かった。 「ランドセル」 ...

西加奈子『しずく』  :待ち合わせは本屋さんで  2009-02-22
Excerpt: つまずいても、泣きそうでも。人生って、そう悪くない。 「ランドセル」「灰皿」「木蓮」「影」「しずく」「シャワーキャップ」 全6編の短編集。 なんでもない話で地味ですが、ほんのりあたたかい気持..

『しずく』西加奈子  :ほんだらけ  2009-03-09
Excerpt: しずく 西 加奈子 2007/4/25発行 光文社 P.210 ¥1,365 ★★★★★ ……嘘をつこうが、自分を作ろうが、それをするのはすべて「自分」なのだ。「ありのままの私」なんて、知ら..

「しずく」 西加奈子  :今日何読んだ?どうだった??  2009-03-15
Excerpt: しずく西 加奈子光文社 2007-04-20売り上げランキング : 78681Amazonで詳しく見る by G-Tools 内容説明 10年ぶりくらいで偶然再会した幼なじみ。なぜか彼女とふたり..
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。