![]() | (河出書房新社) 青山七恵 ![]() souiunogaii評価 |
内容紹介
今日はどんな一日だった?
4年ぶりに再会した弟が綴るのは、嘘と事実が入り交じった私の観察日記。
立ちこめる湯気の中、私は冷たい肌が温まっていくのを感じている……。
『ひとり日和』で芥川賞を受賞した著者が描く、OLのやさしい孤独
先日読んだ『窓の灯』に続いて、青山七恵さんを読むのはこれが2冊目。
物語の主人公は、人材派遣会社で事務をしているOLのまどか。
一人暮らしをする彼女の元へ、ある日突然、弟の風太が姿を現し、2人はしばらくの間一緒に暮らし始める。
風太は、学生で、あちらこちらとふらふらしている自由人。
そんな風太は、姉まどかの毎日の生活を、日記のようにノートに記録し始める。
それまで内向的で他人との係わりを極力避けるように生活してきたまどかが、
弟との生活をきっかけに、ほんの少しずつだけれど、自分を変えようとしていく。
職場での周りの人たちのランチや飲み会なども、断り続けているうちに誘われなくなり、"一人が好きです"オーラを無意識のうちに振りまいてしまっている、
そんなまどかが、弟に一日の出来事を話すときには、何もない空虚な自分の生活を恥ずかしがり、見栄を張って、社交的な自分を演出してしまう。
そんな彼女の、ひたむきで純粋でけなげな様子が、青山さんの薄味だけれど飽きのこない、透明感のある文章で、丁寧に綴られている。
数週間前までと生活の場はまったく変わっていないはずなのに、見えている景色が違う。ぴったり合う眼鏡をかけたときのように、風景が自分から飛び込んでくる。
ほんの少しだけの勇気を手に入れて、
会社の忘年会に参加する返事をして、男の人を食事に誘って、
そんな風にゆっくりと変わっていくまどかの姿を、読んでいる私は思わず応援せずにはいられない。
一緒に収録されている『松かさ拾い』は、学者の先生とその秘書との微妙な関係を描いた作品で、こちらも青山さんの涼しげな文章が心地よい作品だ。
【関連記事】
『窓の灯』青山七恵 を読んで
【追記】
『ひとり日和』青山七恵 を読んで









トラックバックありがとうございます。
この作品は、派手さはないものの透明感があって良いなと思います。
登場人物も特別優れた力は持っていない、普通な感じのOLさんでしたが、それだけに現実味がありました。
最後のほうで、勇気を出して忘年会に行ったりするのは、思わず応援しました^^