![]() | (河出書房新社) 青山七恵 ![]() souiunogaii評価 |
内容紹介
大学を辞め、時に取り残されたような喫茶店で働く私。
向かいの部屋の窓の中を覗くことが日課の私は、やがて夜の街を徘徊するようになり……。
ゆるやかな官能を奏でる第42回文藝賞受賞作。
『ひとり日和』で芥川賞を受賞した青山七恵さんののデビュー作です。
100ページちょっとの、短い小説です。
私はこういう感じの小説、とっても好きです。
主人公の、私(まりも)は、大学を退学して、何となく通っていた喫茶店で、店主のミカド姉さんに誘われて、一緒に働くことになる。店に住みこみで。
店の向かいのアパートに男の人が引っ越してきて、「私」はその部屋の窓を、自分の部屋から覗き見るのを日課にする。
不思議な魅力を持つ、ミカド姉さんのもとには、いろんな男が次々に訪ねてくる。
私と姉さんの関係が、とても面白い。
何を考えているのかさっぱり読めない、それでも周囲の人を引きつけて離さない魅力を持つ、そんなオーラを持つミカド姉さんがいて、
彼女を好きで、でも嫌いで、彼女のことを知りたくて、近づきたくて、でもやっぱり束付けなくて、近づきたくなくて、みたいな私がいる。
そんな微妙な関係を、青山さんのどこまでも澄んでいて美しくて、さわやかなのに、しっとりとしている、そんな感じの文章で描かれている。
息を整えながら、手のひらで胸から下腹までそっと撫で下ろす。皮膚の内側は忌まわしいほどほてっているのに、体の表面はひんやりと冷たかった。
頭の隅がかすかに痛む。
私は痛みをそのままにしておいた。全身でその痛みを感じようとした。
青山七恵の素晴らしい才能を、ひしひしと感じられる。
【追記】








