2008-09-30

『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』山田真哉 を読んで

「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い (光文社新書)禁じられた数字〈下〉山田真哉「食い逃げされてもバイトは雇うな」
なんて大間違い
禁じられた数字〈下〉
(光文社新書)
山田真哉

souiunogaii評価 ハート4つ

内容紹介
数字に騙されない、「考える力」を身につける さおだけ完結編
数字に騙されない。常識に惑わされない。

この本の目的は2つあります。ひとつ目は、数字が苦手な方が、「数字の裏側」を読めるようになること。数字は人を騙す凶器です。数字のウソを学ぶことで、数字に騙されない“考える力”を鍛えます。2つ目の目的は、「会計がわかればビジネスもわかる」といった会計に対する誤解を解くこと。ビジネスに「会計が必須の教養」であることが常識となりつつありますが、会計とビジネスでは世界が180度異なります。会計の限界を知らずに使っている人が、ビジネスに混乱を巻き起こしています。
そこでこの本では、ふだん語られない“会計の本質”に光を当てます。
なお、上巻を読まずに、下巻から読みはじめても大丈夫です。

上巻が『食い逃げされてもバイトは雇うな』で、下巻が『〜なんて大間違い』って、これだけ見ると、「全然逆のことを言っているじゃないか。一体どういうことなんだ?」と誰もが当然思うだろう。
読まずにはいられない。
著者・山田真哉さんの頭の良さには、ただ感心するばかりだ。
すごいのは、もちろんタイトルだけに留まらない。中身のほうも、あの手この手で、読者を驚かせ、納得させ、感心させ、感動させてくれる。
実に巧みな書き手だ。
本の書き方をよくわかっている。

山田さんの本を読むのは本書が3冊目。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は、大学生だった私に、新書を読むことの面白さを教えてくれた本の1冊だった。
『食い逃げされてもバイトは雇うな』は、その前作を超える面白さに感動した。

そして、本書である。
会計士・山田真哉が現在持っているすべてを注ぎ込んで書かれたといってもいい、まさに集大成的な本になっていると思う。
もくじ
はじめに 宝くじは有楽町で買うべきか否か
第1章 数字の達人は、特になにもしない―数字のウソ
第2章 天才CFOよりグラビアアイドルに学べ―計画信仰
 ケーススタディ@ 1億円を1週間で使い切れ!?
第3章 「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い―効率化の失敗
 ケーススタディA 合理的に儲けようとする大学生
第4章 ビジネスは二者択一ではない―妙手を打て
第5章 会計は世界の1/2しか語れない―会計は科学
あとがき

読者の心をつかむ、タイトルともくじ。
大切なポイント、伝えたいことは太字で書く。
興味を引く、身近な話題を例に選ぶ。
語りかける、というよりも話しかける、という親しみ溢れる文章スタイル。
的確に使われる図表。
各章の末尾につけられた、まとめ。
視覚効果を意識した、余白の多いページ構成。
ところどころに、読者に考えさせる問題を用意する。
専門用語は極力使わず、厳選したキーワードをくり返し使う。

こういったことを一つひとつきちんと実践することで、非常に非常に読みやすい本になっている。
まあ、これらは、これまでの山田さんの本には共通して用いられてきたものであるし、
その他の著者の本でも、いわゆる売れている新書の多くで見られるものだ。

しかし、それだけではない。
本書『〜なんて大間違い』が、スペシャルなものである理由は、
やはり、何と言っても第2章・第3章の冒頭にあるケーススタディである。

著者は、小説『女子大生会計士の事件簿』シリーズの作者でもあるが、
その登場人物の萌実&カッキーが、本書のケーススタディにも登場している。
これが、びっくりするくらいにGood!なのだ。
同シリーズを読んだことのない人でも、本書の短いストーリーを読んだだけで、10人中10人が、きっとこの物語の(というか萌実&カッキーの)ファンになってしまうに違いない、と思う。
少なくとも私自身は、その魅力にとりつかれてしまった。

こういう風なやり方を使ってくるところもまた、山田真哉さんの巧妙なところで、本当に上手いと感じる。

本書は言うまでもなく、会計学の本なのだが、会計だけにとどまらず、
サラリーマンとして学べることのたくさんある本だった。
特に、「なるほど」と感じたのは、"費用対効果"というフレーズの使い方と、"二分法"を使った話し方。
会計についてはここ数年、ビジネス書・ビジネス誌を中心に頻繁にとりあげられていますが、私は「会計が信頼されすぎている」と感じています。「会計がわかればビジネスがわかる」的な過大評価が目につくのです。

と、あとがきにあるように、本書は会計士自らが、会計の有効範囲を説明し、会計の限界を示した、ある意味では画期的な本です。

上下巻セットで、ぜひともおすすめしたい本です。

山田真哉工房〜『女子大生会計士の事件簿』公式サイト〜


10/8から、BS-iで「女子大生会計士の事件簿」のドラマが始まるみたいで、こちらも要チェックです。

BS-i 女子大生会計士の事件簿 公式サイト


反?会計本 - 書評 - 食い逃げされてもバイトは雇うな/なんて大間違い:404 Blog Not Found

【関連記事】
『食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字<上>』山田真哉 を読んで


この記事へのコメント
トラックバックありがとうございます。
たくさんの本をお読みなっておられるご様子。これから参考にさせていただきます
Posted by はてさて at 2008-10-01
コメントを書く
Name:

URL:

Comment:

認証コード:


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 読みました  :単車と車と本と山 の記録  2008-10-01
Excerpt: ようやく 禁じられた数字の下巻 買って読みました。会計が完全であり 会計は完全でない という 風に私には 捉えることができ非常に勉強になりました。上巻よりも 素直に勉強になりました。上巻はある意味読む..

『〈女子大生会計士の事件簿〉世界一やさしい会計の本です』山田真哉 を読んで  :そういうのがいいな、わたしは。(読書日記)  2008-10-13
Excerpt: <女子大生会計士の事件簿>世界一やさしい会計の本です (日本実業出版社)山田真哉 内容紹介 超人気ミステリー『女子大生会計士の事件簿』の小説4話と4つの箱のサイクル? (1)水(資本、負債)、(2)木..
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。