2008-09-27

『宇宙でいちばんあかるい屋根』野中ともそ を読んで

宇宙でいちばんあかるい屋根 (角川文庫)宇宙でいちばんあかるい屋根
(角川文庫)
野中ともそ


souiunogaii評価 ハート3つ

内容紹介
少女と星ばぁの涙と優しさ。孤独な二人を抱きしめるまばゆくキュートな物語

家族にも学校にも特に不満のない14歳のつばめ。でも胸が潰れそうに悲しい時があるのだ。そんなある日、ビルの屋上で厭味な婆さん・星ばぁに出会う。やがてうち解け大の仲良しになったのに星ばぁは消えてしまった。

十四歳ってとても不便だ。
中学生とおかしな老女、闇夜の屋上での永遠の物語が
ギクシャクとうごきだした!――絶妙な会話、
胸いっぱいに宇宙が広がるラストへ。
小説すばる新人賞受賞作家の感動作!
もくじ
春の夜の侵入者
隣人へのカード
屋根とほおずき
雨、空のクラゲ
おもたいしずく
瓦の精と、糸電話
甘栗、甘い水のお風呂
夏休み歩行計画
ゆううつな飛行少年
発見
空のしるし


野中ともそ公式サイト おひるねスケッチブック

作家であり、イラストレータでもある野中ともそさんの小説です。

主人公は中学生の女の子、大石つばめ。
幼馴染の近所の大学生の亨くんに想いを寄せている。
ある日彼女は書道教室のあるビルの屋上で、不思議なおばあさん・星ばあに出会う。
その日から、つばめの心に、ほんのすこしずつだけれど、変化が起きていく。
成長していく、より純粋さがとぎすまされてく、という形で。

一人称で語られる、中学生の女の子の物語。

透明感に溢れる、そんな表現がぴったりな、野中さんの文章は読んでいてとても清清しい気持ちにさせてくれる。
そして、朝になればそれらは、まぶしい陽射しに吸い込まれ消えてしまうかもしれないと知っている。
だからこそすべてをそのままたいせつに受けとめ、おぼえておこう。私は誓っていた。

もう、とにかく純粋でまっすぐでひたむきで、一生懸命なつばめの姿に、胸にぐっとくるものを感じる。

この子のように、自分も頑張ろう、そんな風に思える。素直に。

つばめを囲む他の登場人物たちも、それぞれにとてもいい。
星ばあも、父親も、母親も、亨くんも。

つばめが暮らしている、あの町に行ってみたい。
つばめが歩いたのと同じように、家々の屋根を見ながら、同じ空気を感じながら、歩いてみたい。

ラストのちょっぴりファンタジーな感じも、私は大好きだ。


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