2008-07-19

『工学部・水柿助教授の日常』森博嗣 を読んで

工学部・水柿助教授の日常 (幻冬舎文庫)森 博嗣工学部・水柿助教授の日常
(幻冬舎文庫)
森博嗣

souiunogaii評価 ハート2つ

内容紹介
水柿小次郎、33歳。N大学工学部助教授。彼は2歳年下のミステリィ好きの奥さんに、自分の周囲のささやかな不思議を披露していた。きょうもまた日常の謎は、さらなる謎を呼んで……。
もくじ
第1話 ブルマもハンガーも居酒屋の梅干で消えた鞄と博士たち
第2話 ミステリィ・サークルもコンクリート試験体も海の藻屑と消えた笑えない津市の史的指摘
第3話 試験にまつわる封印その他もろもろを今さら蒸し返す行為の意義に関する事例報告および考察(「これでも小説か」の疑問を抱えつつ)
第4話 若き水柿君の悩みとかよりも客観的なノスタルジィあるいは今さら理解するビニル袋の望遠だよ
第5話 世界食べ歩きとか世界不思議発見とかボルトと机と上履きでゴー(タイトル短くしてくれって言われちゃった)

会社の同期に、森博嗣ファンが何人かいて、そいつらに勧められて、はじめて手にした森博嗣さんの小説。
「こんなに楽しい文章の書き方をする小説家がいるんだ、面白かった、感動した」
という感じかな。

頭の中で考えていること、思いついたことを、独り言のように、とにかく何から何まで全て書き出した、みたいな形の、何て言ったらいいのか、この独特な文章スタイルが、私はすごく好きです。

本当にどうでもいいような、テキトーに書かれているような部分が、後々の展開につながる大切な伏線としてしっかり役割を持っている。
それに気がついたとき、「あっ、こういうことか」っていうのを発見できたときの快感が、この小説の魅力なんだと思う。これこそがミステリーだよな、と。

ふざけて書いてるのか、それとも大真面目なのか、ちょっと判断しかねるような、小説なのかエッセイなのかもはっきり区別できないような、括弧書きを多用する文章。
「森博嗣という作家が…」という自身を第三者として描く不思議なやり方。
どこまでがフィクションで、どこからが現実にあった話なのか、実にあいまいであやふやなところ。
全部、始めはちょっと抵抗があったり、拒否反応を示したくなるような要素をたくさん含んでいるんだけれど、それでも先を読み進めてしまう魔力というか、そいういうのがこの小説のすごいところで、それで読んでいるうちに、次第にハマってしまう。知らず知らずのうちに癖になっている。
なんだか、まずくはないんだけど特別うまくもない、だけど何度も通ってしまうラーメン屋みたいな、(例えになっていない気がするが)みたいな感じだ。

でも作者が大変頭の良い方であることは、ちょっと読んだだけでも十分にわかる。
他の作品も読んでみたい。気になる作家リストに追加だ。

森博嗣の浮遊工作室


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