2009-09-26

爆笑問題の太田光がおススメ本を紹介。『太田光が選ぶ松田チョイスBEST3』:王様のブランチ(TBS)


今日(9/26)の「王様のブランチ」のbookコーナーで、爆笑問題の太田光が、
「太田光が選ぶ松田チョイスBEST3」というのをやっていたので、紹介します。

チョコレートコスモスチョコレートコスモス(毎日新聞社)恩田陸
これは、あの名作漫画『ガラスの仮面』にインスパイアされた、芝居の世界の物語です。(中略)
本当に舞台を見ているような感じで、一人一人のキャラクターが目の前に浮かび上がってきます。そして終盤、同じ台本を演じ分けていくところは、緊迫感のあるしなやかな文章で畳み込まれていくので、めくるめく別世界に連れて行かれるような陶酔感を味わえました。

『「王様のブランチ」のブックガイド200』松田哲夫

感情の天才と、形の天才が出てくる。大竹しのぶと橋爪功みたいな。
芝居を食わず嫌いしている人に読んで欲しい。
太田光


八日目の蝉八日目の蝉(中央公論新社)角田光代

2007年のブランチBOOK大賞受賞作です。
不倫相手の赤ん坊を誘拐し、その子を連れて逃亡生活を続けていくOLの物語なのだが、こんなに深い作品になるとは思わず、読了後には呆然としてしまった。(中略)
しかし角田さんがすごいのは、この後の「2章」にあるんです。時が過ぎて、誘拐された子どもが成人になっています。(中略)
そして、自分をさらった女と同じようなシチュエーションに追い込まれた彼女は、「自分とは何か」を探る旅に出かけ、その果てに光り輝く光景に出会うんです。これは、本当に感動的なラストシーンでした。小説を読む喜びを感じさせてくれる素晴らしい作品です。
『「王様のブランチ」のブックガイド200』松田哲夫

これ以上の作品は生まれないと思うほど、角田光代の頂点と呼べる小説だ。
本当の幸福っていうのは、その時には気づけない。そのことを教えてくれる。

太田光


のぼうの城のぼうの城(小学館)和田竜
まず、城主の長親というキャラが最高です。「のぼう様」、すなわち「でくのぼう」と呼ばれて、部下や領民から好かれている。といっても尊敬されているのではなくて、あまりにも頼りないので、なんとか守ってやらないとという気持ちにさせられる人物なんです。(中略)
「のぼう様」の周囲にも、攻める側にも、魅力的なキャラが揃っていて、彼ら戦国武将の意地と意地のぶつかりあいが見事です。

『「王様のブランチ」のブックガイド200』松田哲夫

松田さんが紹介してくれなかったら、読んでなかった。
太田光


大恐慌時代―爆笑問題の日本原論6大恐慌時代―爆笑問題の日本原論6(幻冬舎)
こんな本は紹介したくなんだよ。
太田光

政治の話をしながらも、正論になっていないところが良い。
松田哲夫


13年も王様のブランチで本を紹介し続けてきた松田哲夫さん、今日の放送で番組を去るそうです。お疲れさまでした。

王様のブランチBOOKコーナー(2009/09/26):TBS

【関連記事】
本の虫、太田光がおススメ本を紹介。爆笑問題・太田光の『太田チョイス』:王様のブランチ(TBS)
『「王様のブランチ」のブックガイド200』松田哲夫 を読んで(1)

『憲法九条を世界遺産に』太田光・中沢新一 を読んで


2009-09-19

『ALMA電波望遠鏡』石黒正人 を読んで


ALMA電波望遠鏡 (ちくまプリマー新書)ALMA電波望遠鏡
(ちくまプリマー新書)
石黒正人


souiunogaii評価 


内容紹介
アンデスの巨大な“電波の眼”

光では見られなかった遠方宇宙の姿を、高い解像度で映し出す電波望遠鏡。
物質進化や銀河系、太陽系、生命の起源に迫る壮大な国際プロジェクト。
本邦初公開!

もくじ
はじめに―私たちは波に囲まれて生きている
序章 アンデスの巨大電波望遠鏡ALMA
  ALMAは何の略? / 野辺山からALMAへ
第1章 電波で宇宙を見る
  1.電波とは何か / 2.宇宙からの電波はどのように発見されたか / 3.光でみる宇宙、電波でみる宇宙
第2章 日本の天文学の歩み
  1.光の天文学から電波天文学へ / 2.国際共同プロジェクトALMA
第3章 ALMAで何が見えるか
  1.宇宙の夜明け / 2.「第2の太陽系」を見る / 3.生命の起源に迫る
第4章 電波望遠鏡のしくみ
  1.干渉計とは何か / 2.ALMAの観測装置
おわりに

2011年の本格運用開始を目指して、国際プロジェクトとして建設が進められている電波望遠鏡「ALMA」。
著者は、その国際プロジェクトに参加している日本人スタッフの石黒正人さん。
一般の人に分かる言葉で、電波天文学の過去・現在・未来を語ってくれた一冊です。

南米チリのアタカマ高地、標高5000mの砂漠のような場所に、巨大な電波望遠鏡が80台。
プロジェクトに参加するのは、アメリカ、カナダ、EU、日本、台湾。
計画が動き始めたのは2001年頃。全体の総予算は1200億円だとか。

電波望遠鏡と言えば、すぐに思い浮かぶのは映画『コンタクト』。
ジョディ・フォスター演じる天文学者が、アレシボ電波望遠鏡や、ニューメキシコのVLAで遥か彼方から発せられた電波をキャッチしようと奮闘する姿がとてもカッコ良かった。
目では見えない宇宙のメッセージを、複数のパラボラアンテナを組み合わせた「電波干渉計」という特別な観測によって、宇宙の謎を解明しようとする。
天文学者の人たちの熱意が、プロジェクトの中にいる石黒さん自身の言葉から、リアルに伝わってきて、なんだかわくわくしてくる。

現地の建設風景や、観測画像など、本書にはカラー写真も豊富に掲載されていて、それらを見ていても面白い。
学問的な難しい話題にも結構触れられているんだけれど、難しい内容をできるだけ簡単な言葉で説明してくれているのも嬉しい。
ALMAでは、これまで日本が蓄積してきた電波天文学の研究や、技術開発の成果が最大限生かされており、世界のパートナーからも重要な一員であると尊敬されています。ALMAが完成すれば、ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡が完成したときのように、素晴らしい研究成果が新聞等をにぎわすことになるでしょう。そのときが楽しみでなしません。

alma_web.jpg
ALMA WEB SITE (English)

alma_j.jpg
国立天文台 ALMA Home Page

【関連記事】
『すばる望遠鏡の宇宙 ハワイからの挑戦』海部宣男 を読んで
『東京大学マグナム望遠鏡物語』吉井譲 を読んで
2009-09-19

『ゆれる』西川美和 を読んで


ゆれる (ポプラ文庫)ゆれる
(ポプラ文庫)
西川美和


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内容紹介
故郷である田舎町を嫌って都会に出た奔放な弟・猛と、家業を継いで町に残った実直な兄・稔。
対照的な生き方をしてきた二人の関係が、幼なじみだった智恵子の死をきっかけに揺らぎはじめる・・・。
映画史に永く刻まれる傑作を監督自らが小説化。
第20回三島由紀夫賞候補作。

映画『ゆれる』を、西川美和監督が自ら小説化したものです。
この作品、映画の方も個人的にけっこう好きで、非常に完成度の高いものなんですが、
小説の方もまたとても良くできてると思いました。
西川美和監督の素晴らしい才能を感じます。

東京でカメラマンとして自由に働く弟と、実家のガソリンスタンドを継いだ静かな兄。
対照的な兄弟が、吊り橋で起こった事件をめぐって悩み苦しむ。
兄弟、家族の間の深い闇の部分を丁寧に描いた物語です。
登場人物一人一人のモノローグ形式での文体は、映画を見た後で読んだ私には、一人一人の心の奥底が非常にリアルに感じられて、その迫力に圧倒されてしまいました。
ああ、この子は、人殺しの弟になりたくないんだ、と。
たったそれだけのことだよ。

よくある映画のノベライズ本とは全く違います。
それぞれにオリジナルな描き方があって、同じ物語なのにそれぞれ別の味わいがあって、とても楽しめます。

筑摩書房の松田哲夫さんも、著書の中でこんな風にコメントされています。
まさに映画では絶対に描けない世界をここでは表しています。映画を見て、小説を読むと、それぞれが補い合って、さらに奥深い世界が見えてくるという楽しみもあります。驚くべき才能ですね。


最後の、弟が兄に向って「兄ちゃん、うちに帰ろうよ!」と叫ぶ場面では、映画のラストシーンが目に浮かんできて、目に涙を浮かべてしまいした。


映画『ゆれる』公式サイト

ゆれる [DVD]ゆれる
監督:西川美和
出演:オダギリジョー, 香川照之, 真木よう子


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2009-09-13

『シューカツ!』石田衣良 を読んで


シューカツ!シューカツ!
(文藝春秋)
石田衣良


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内容紹介(文藝春秋)
マスコミに何としても就職するぞ!

元気で真面目な水越千晴は、鷲田大学3年生。このたび、学内の仲間たちと「シューカツ・プロジェクトチーム」を結成した。夢のマスコミ就職に向けて、目標は全員合格。
クールなリーダー・富塚圭、準ミスの佐々木恵理子、女性誌志望の犬山伸子、理論派のメガネ男子・倉本比呂氏、体育会柔道部の小柳真一郎、そしてナンパなテニスサークル副部長・菊田良弘。読めば誰もがもう1度就職活動をしたくなる(?)、ど真ん中の青春小説です。
もくじ
嵐のスタート
働くって、なに?
ワイドショーに、ようこそ
わたしに、エントリー
よろしく、先輩
シューカツ戦線、異状あり
エピローグ

久しぶりに読んだ石田衣良の作品は、大学生の就職活動のお話。
物語の舞台は数年前の「学生側の超売り手市場」と言われてい頃なので、今と比べると社会情勢は若干違うんだろうけれど、それでも現役の大学3年生が読んでも十分に共感できる部分がたくさんあると思う。

主人公の千春は、長野出身で都内の私立大学に通い、ファミレスでバイトしながら独り暮らしをする元気な明るい女の子。
そんな彼女が、倍率数百倍の出版社やテレビ局への就職を目指して、同じ大学の仲間たちと奮闘する。

物語は、大学3年生の春から始まる。
グループディスカッションの練習、テレビ局のインターン、エントリーシート合宿、OBOG訪問、そして筆記試験、一次面接、二次面接、……。
千春の就職活動の様子を、千春自身の目線で、季節の変化とともに描かれていく。

働くって何?みたいな漠然とした疑問を抱きながらも、少しずつ「私、この仕事がやりたい。この会社で働きたい」って気持ちを見つけて確かなものにしていく、そんな千春の姿が、とっても一生懸命で、読んでいる私も応援したくなる。
頑張れ!、て。

数々のアルバイトを経験し、転職を繰り返した後に、小説家として成功した石田衣良さんの書く物語だからこそ、伝わってくるメッセージには何だか確かな重みがある気がする。
「不安で心が折れそうになる、でも自分に負けたくない」
っていうのは、去年のマイナビのCMで使われてたフレーズだけれど、
この物語の主人公、千春にぴったりの言葉だと思う。

2011年の就職を目指して頑張る大学3年生の皆さんにも、ぜひおススメの小説です。

石田衣良『シューカツ!』特設サイト
マイナビ2011 - 学生向け就職情報サイト

【関連記事】
マイナビ×大塚愛の就活TVCMがイイ感じ
2009-09-13

『ミュージック・ブレス・ユー!!』津村記久子 を読んで


ミュージック・ブレス・ユー!!ミュージック・ブレス・ユー!!
(角川書店)
津村記久子


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内容紹介
アザミよ、ヘッドホン1個耳に引っ掛けてどこへ行く――。
オケタニアザミは「音楽について考えることは、将来について考えることよりずっと大事」な高校3年生。髪は赤く染め、目にはメガネ、歯にはカラフルな矯正器。数学が苦手で追試や補習の連続、進路は何一つ決まらない「ぐだぐだ」の日常を支えるのは、パンクロックだった!超低空飛行でとにかくイケてない、でも振り返ってみればいとおしい日々・・・・・・。
青春の新スタンダード、ここに誕生!
第30回野間文芸新人賞受賞作

楽しかった。面白かった。
久しぶりに「ああ、これすごくイイ!」って思える青春小説に出会った、そんな気がした。

津村記久子さんの作品を読むのは実は今回が初めてなんだけれど、もうすっかりファンになってしまった。
芥川賞受賞作の『ポトスライムの舟』(講談社)など、他の作品もぜひぜひ読んでみたい、そう思った。

で、今回読んだ『ミュージック・ブレス・ユー!!』ですが、
主人公は高校3年生の女の子、アザミ。
もうとにかく音楽が大好きな子で、いつでもヘッドフォンから流れてくるパンクを聴いている。
大学受験を控えて勉強をしなきゃいけないんだけれど、やっぱり音楽以外のことには身が入らなくて、だいたい将来自分がやりたいこともはっきりとイメージできなくて……。
そんなアザミが、不器用ながらも何とかして「あたしはどうすればいいんだろう?」を一生懸命に考え、今日を精いっぱいに生きていく。
その姿がとっても若々しくてエネルギッシュな感じがして、読んでいて元気をもらえる。
"とにかく自分はコレが好きなんだ"って気持ちを大事にして、それを忘れないで、隠さないで、ずっとずっと"自分らしさと正直さ"を持ち続けること、そういうことが本当に大切なことなんだってことを教えてくれる。

舞台は大阪で、登場人物たちのセリフはみんな関西弁。
アザミの心の声を素直に表現したような文体から、とってもリアルに高校生の悩み葛藤しながら一生懸命に毎日を過ごす姿が感じられる。

アザミの周りの友達も、それぞれ素敵なキャラで、イイ。
チユキ、ナツメ、モチヅキ、トノムラ、みんなそれぞれアザミから何かをもらい、アザミに何かを与えてくれる。
高校卒業を控え、すこしずつ変わっていきながらも、大切なことを失わずにいられる彼女たちの姿は、まさに青春小説って感じで、読んでいていとても心地よい。
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