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『食堂かたつむり』小川糸 を読んで[2010-04-11]

2010-04-11

『食堂かたつむり』小川糸 を読んで


食堂かたつむり (ポプラ文庫)食堂かたつむり
(ポプラ文庫)
小川糸


souiunogaii評価 

とにかく料理がすごくおいしそう!
内容紹介
同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。
山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。
それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。
巻末に番外編収録。

タイトルの通り、食堂が舞台のお話。
主人公の倫子は、失恋して独りになって、ショックで声を失って、田舎の実家に戻り、そこで小さな素朴な食堂をオープンする。

お客は一日に一組だけ、事前に面接をしてメニューを決める。
お客さんと倫子、そして村の人々とのやりとりがとっても温かい。

食堂で料理を食べたお客さんには、数日後に小さな奇跡が起きる。
食べると願い事が叶う、不思議なパワーのある料理。
なんだかイイ感じのハートウォーミングな物語じゃないか。
何より、倫子の料理に対する姿勢がとってもひたむきで一生懸命で、
声が出ないからこそ、料理で愛情を伝えようとするその想いが、最高の調味料になっている。
料理を作る、ただそれだけで、私の中の一個一個の細胞が恍惚とした。
誰かのために料理を作れるだけで、本当に、心の底から幸せなのだ。
ありがとう、ありがとう。

料理の作り方の描写も、とっても丁寧で、まるで読んでいるとおいしそうないい匂いがしてくるような気がした。

最後の、ブタのエルメスの命をいただくときのシーンは、涙ぐんで読まずにはいられなかった。
ものを食べるということを真剣に見つめ直すきっかけをくれる、そんな大切な一冊になった。

TBSの「王様のブランチ」のBOOKコーナーで紹介されたときは優香が絶賛していた本書。
放送後は書店での売れ行きが急増したととか。
松田哲夫さんはこんな風にコメントしている。
読み終わると、生きるということ、食べるということの本質を見つめ直させてくれる、素晴らしい小説だということがわかります。最近、こんなに心を揺さぶられた本はありませんでした。



映画「食堂かたつむり」公式サイト

「糸通信」小川糸ホームページ

食堂かたつむりの料理食堂かたつむりの料理
(ポプラ社)
オカズデザイン、小川糸