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『薄闇シルエット』角田光代 を読んで[2009-11-01]
『この本が、世界に存在することに』角田光代 を読んで[2009-10-04]

2009-11-01

『薄闇シルエット』角田光代 を読んで


薄闇シルエット (角川文庫)薄闇シルエット
(角川文庫)
角田光代


souiunogaii評価 

内容紹介
恋も、仕事も、友情も……「大人」になれず、惑いまくっているけど、いつかきっと、なにかつかめる著者渾身の傑作長編

「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」と恋人に得意げに言われ、ハナは「なんかつまんねえ」と反発する。共同経営する下北沢の古着屋では、ポリシーを曲げて売り上げを増やそうとする親友と対立し、バイト同然の立場に。結婚、金儲けといった「ありきたりの幸せ」は信じにくいが、自分だけが何もかも見つからず、もう37歳。ハナは、そんな自分に苛立ち、戸惑うが……。
ひたむきに生きる女性の心情を鮮やかに描く傑作長編。


『薄闇シルエット』特設ページ:角川書店


主人公のハナちゃん、彼女のような人、私は好きだな。
ハナちゃんみたいな生き方をできる人を羨ましいと思うし、応援したいと思う。
友情も、恋人も、結婚も、仕事も、家族も、いろんな問題を抱え悩んで、
今のこの瞬間の自分を大切にしつつも、未来のことも考えていかなきゃならなくて、
大変ことはたくさんあるんだけど、でも現実に背中を向けずに懸命に前に進んでいく、
みたいな、何だか上手く表現できないけれど、とにかく幸せをつかもうと頑張っているその姿が、とってもイイんです。

家族や友達や恋人や仕事仲間が、自分には手に入らないものを持っていることに対して、羨ましがったり、ひがんだり、嫉妬したり、そういういかにも人間ぽい部分をきちんと描きながら、こんなにも魅力を感じさせる主人公、素敵な物語だ。
なんにもつかみとっていない、なんにも持っていない―それはつまり、これからなんでもつかめるということだ。間違えたら手放して、また何かつかんで、それをくりかえして、私はこれを持っていると言えるものが、たったひとつでも見つかればいいじゃないか。

よし、私だって何か見るかるまで頑張ってやるんだ、そういう気持ちにさせてくれる力が、この物語にはある。
2009-10-04

『この本が、世界に存在することに』角田光代 を読んで


この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)この本が、世界に存在することに
(メディアファクトリー)
角田光代



souiunogaii評価 

内容紹介
本への愛情をこめて角田光代が描く新境地!

第132回直木賞受賞作家 最新短編集。
本への愛情をこめて角田光代が描く新境地!泣きたくなるほどいとおしい、ふつうの人々の“本をめぐる物語”が、あなたをやさしく包みます。
心にしみいる九つの短編を収録。

たびする本 / だれか / 手紙 / 彼と私の本棚 / 不幸の種 / 引き出しの奥 / ミツザワ書店 / さがしもの / 初バレンタイン / あとがきエッセイ 交際履歴

読んで良かった。
『この本が、世界に存在することに』このタイトルを見た瞬間に「なんて素敵な言葉なんだ。これは絶対に読むべきだ」って感じた。
その予感は間違ってなかった。
とっても素敵な物語ばかりの、とっても素敵な短編集だった。
私自身、この本に出会うことができて、本当に良かった、そう思えた。

本にまつわる短い物語、その一つひとつから、伝わってくるメッセージが、心にしみ込んでくる感じがたまらなく心地よかった。
この本を、中原千絵子は中学三年生のとき読んだ。読み終えて、神さまありがとうとまず思った。神さま、この本が世界に存在することに感謝します、と。この本が存在するのとしないのとでは世界はだいぶ違うだろうと中原千絵子は考えた。

本によって、世界の見え方が変わる瞬間がある。
本によって、人生が動く瞬間がある。

これからも、素敵な本に出会いたい、そう心から思える一冊。
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