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『99・9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方』竹内薫 を読んで[2008-07-26]

2008-07-26

『99・9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方』竹内薫 を読んで


99・9%は仮説 (光文社新書)思いこみで判断しないための考え方竹内薫99・9%は仮説
思いこみで判断しないための考え方
(光文社新書)
竹内薫

souiunogaii評価 ハート3つ

内容紹介
飛行機はなぜ飛ぶのか? 科学では説明できない!あたまが柔らかくなる科学入門

「最近どうも頭が固くなってきたなぁ」
そんなあなたにつける薬は“科学”です。文系理系を問わず、科学のホントの基本を知るだけで、たったそれだけで、あなたの頭はグニャグニャに柔らかくなるかもしれないのです。科学の基本――それは、「世の中ぜんぶ仮説にすぎない」ということです。思いこみ、常識、前例、先入観、固定観念……そういったものにしばられて身動きがとれなくなっている人っていますよね? 「なんでこんな簡単な話が通じないんだ!」ってイライラしますよね? そんなときは、気休めにこの本を読んでみてください。きっと、ものの考え方から世界の見え方まで、すべてがガラリと音を立てて変わるはずですから。

えぇ、そうだったんだ!の連続。だから科学ってすごいんだ!
ベルヌーイの定理では飛行機は飛ばない、という話に始まり、
プトレマイオスの天動説とガリレオの地動説の話、
ミリカンの実験でのデータ改ざん、脳を切除してしまうロボトミー手術、小惑星と冥王星の話、アインシュタインの宇宙定数、ダーウィンの進化論、相対性理論、などなど、科学の歴史を追いながら、世界中の誰もが常識だと認めていた事実が、実は間違いだったとわかった事例をいくつも紹介する、という方法で、
「科学のほとんど全ては、実は仮説ばっかりで作られている。絶対的に確かなものなんて、無いんだ」
というメッセージを伝えている。

科学が好きな人にも、科学アレルギーの人にも、両方に楽しめる本です。
「科学ってこういうことなんだ」という実感を得られる一冊です。

著者の竹内さんは、本書のなかで、科学史や科学哲学を教育の中にもっと取り入れるべきだと強く主張しています。
盲目的に科学は万能だと信じきってしまうことの危険性を指摘しつつ、その反対に、全てが科学で分かるわけじゃないだろ、と科学を嫌うことの危険性も説いています。

科学は完璧なものでは決してないけれど、それでもこの世界を解き明かすための最良の方法を科学は持っている。
そんなことを私は感じました。
科学と真理は、近づくことはできてもけっして重なることはできない、ある意味とても切ない関係なんです。

科学のマイナス部分を一方ではとことんさらけだして、科学の限界を説明しながらも、
しかしだからこそ、科学には可能性があり、科学を学ぶことのプラスの部分をきちんと書いている。
竹内薫のこういう姿勢こそ、科学作家の正しい仕事のやりかただと思う。
私は本書を竹内薫の現時点における最高傑作だと認定する。
科学を知らない人にも、すでに「知っているつもり」の人にも、一読すべき価値がある。

竹内薫オフィシャルサイト