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『勝手にふるえてろ』綿矢りさ を読んで[2010-09-26]
『夢を与える』綿矢りさ を読んで[2007-12-16]

2010-09-26

『勝手にふるえてろ』綿矢りさ を読んで


勝手にふるえてろ勝手にふるえてろ
(文藝春秋)
綿矢りさ


souiunogaii評価 

内容紹介(文藝春秋)
著者3年ぶりの新刊は、不器用なOLが脳内と現実の2つの恋の間で右往左往しつつ自分の道を探していく様を描いた新境地。
何とも思っていなかった同期に告白されて戸惑う良香。
26歳まで恋愛経験のない彼女はこれを機に、中学からひきずってきた不毛な片思いの相手に会ってみようと行動に出るが……。
時に暴走する遅咲きの主人公が愛しく思えて、切なくもコミカルな一風変わった恋愛小説です。


『勝手にふるえてろ』特設サイト:文藝春秋

「勝手にふるえてろ」著者インタビュー:文藝春秋

綿矢りさの待望の新作です。

主人公のヨシカは著者と同じ26歳。
ちょっと妄想癖の強い元オタクなOL。
脳内で勝手に作り上げたイメージと、現実世界の両方に気になる男性がいて、その間で思い悩む不思議な心理を、独特の間合いとリズムのある文章で綴る。
好きなタイプとか嫌いなタイプって多分けっこうあいまいなんだろうな。似たような人でもどこかがほんのちょっと違うだけで、心にひっかかる部位が違う。だって当たり前だけど、みんなそれぞれ違う人間だから。ニだって本当に冷静につくづく私を眺めたら、なんでこんな女好きだったんだろうと不思議に思うかもしれない。私だってイチを冷静にながめたら……。

一歩間違うと、単なる勘違いジコチュー女の独り言のような物語とも読めてしまうんだけれど、でも何だかヨシカちゃんのキャラが不思議な魅力を持っていて、気づくと彼女を応援したくなる気持ちもわいてくる、みたいな。

とにかく綿矢りささんにはこれからも積極的に作品を書いていってほしい、そう思わせてくれる一冊だった。

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『夢を与える』綿矢りさ を読んで
2007-12-16

『夢を与える』綿矢りさ を読んで


夢を与える (河出書房新社)綿矢 りさ夢を与える
(河出書房新社)
綿矢 りさ


souiunogaii評価 ハート3つ

内容紹介
チャイルドモデルから芸能界へ――
幼い頃からTVの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。
ある出来事をきっかけに彼女はブレイクするが!?
成長する少女の18年を描く、芥川賞受賞第一作。

綿矢りさの小説を読むのは2冊目。前に読んだのは『蹴りたい背中』。『インストール』は、映画は観たけど小説は読んでない。

いや、特に興味のある作家というわけではないのだが、この本は表紙が良かったので思わず手にとってしまった。

で、中身はというと、半分くらい読み進めても、「この物語はどこへ向かおうとしているの?」という疑問に少しイライラさせられるほど、ゴールの見えない展開だった。
ゆっくりだし、淡白だし。
(もし、作者が綿矢りさではなかったら、途中で読むのをやめてたかもしれない)

小学生のときにCMデビューし、中学生のときに人気が上がってきて、高校生のときにブレイクして、そんなタレント少女・夕子。
マネージャーとして夕子の仕事の一切を仕切ろうとする母。
その母と心に壁をつくられ、別居している夕子の父。
沖島のアドバイス以来、夕子は将来について訊かれると「夢を与える人になりたいです」と答えるようになった。しかしくり返していくうちに舌に違和感が出始め、自分が発している言葉の意味を考え出すと分からないことだらけだった。
「夢を与えるって、どういう意味なの?」

そして、「芸能界という世界は…」と考えさせるラスト。

『蹴りたい背中』とは打って変わって、この『夢を与える』は300ページもあるずいぶん分厚い小説だ。
そして文章は、淡々とした、温度の感じられない、どこか冷めてる感じのするものになった気がする。
こういう書き方もするんだ、と。
でも、中学生・高校生の女の子の、ちょっとずつ変わっていく心の様子を描くのが上手いなと思い、やっぱりこれは綿矢りさの作品だ、と。
綿矢りさインタビュー :Yahoo!ブックス
蹴りたい背中 (河出文庫)綿矢 りさ
蹴りたい背中 (河出文庫)
綿矢 りさ

インストール (河出文庫)綿矢 りさ
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綿矢 りさ
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