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『クワイエットルームにようこそ』松尾スズキ を読んで[2008-12-06]

2008-12-06

『クワイエットルームにようこそ』松尾スズキ を読んで


クワイエットルームにようこそ (文春文庫)松尾スズキクワイエットルームにようこそ
(文春文庫)
松尾スズキ


souiunogaii評価 ハート5つ

松尾スズキワールドにようこそ
内容紹介(文藝春秋)
切なすぎて、もう笑うしかない。
目が覚めてわたしは、いるはずのない場所にいて。
鬼才・松尾スズキが贈る絶望と再生の物語。

恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取(オーバードーズ)で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナースと出会う。普通と特別、正常と異常…境界線をさ迷う明日香がたどり着いた場所はどこか?
悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた、第134回芥川賞候補作。

松尾スズキ監督の映画は『クワイエットルームにようこそ』も『恋の門』も大好きで、何回も繰り返し観てしまう。その度に笑って泣いて感動する。

これはやっぱり原作小説も読んでみなきゃな、とずっと思っていて、
で、ついに読んでしまいました『クワイエットルームにようこそ』。

主人公はフリーのライターの明日香。
彼女は、ある日目が覚めたら、精神病院のベッドで拘束されていた。
その病院で、様々な病人と出会い、自身を見つめなおし、何か大切なものに気づく。

そして、松尾スズキのオンリーワンな素晴らしい才能に、またまた感動させられました。
独特のテンポ、リズムを持つ物語の展開は、読んでいてとっても楽しくて、
笑いと涙とが絶妙なバランスで混ざっていて、
「ああ、この感じだよ」と、やっぱり松尾スズキ大好きな私を確認する。

物語の舞台は精神病院の閉鎖病棟。
扱っている題材は、薬物、過食、拒食、嘔吐、自傷、未遂、…、と
けっこう重たい感じなんだけれど、それを松尾スズキが料理すると、こんなにも面白いストーリーになってしまう。

同じ病院患者を題材にした小説では、絲山秋子さんの『逃亡くそたわけ』が非常に良かったけど、こちらの『クワイエットルームにようこそ』も負けてはいない。

『逃亡くそたわけ』絲山秋子 を読んで
多分、どこへも行かない。
わたしは、神様に居場所を選んでもらうため、薬を飲んだ。そしてクワイエットルームにたどり着いた。それ以上でも以下でもない。最高にめんどくさい女が着地するべき正しい場所に、ただ、いるのだ。
ようこそ、クワイエットルームへ。

とにかくハチャメチャな展開で、笑いと涙が交錯するあわただしい物語。
でも、ラストの数ページは、とっても静かで、大きな感動が確かにあって、
「ああ、感動ってこういうことか」って素直に感じる。

松尾スズキワールドにようこそ。

松尾スズキインタビュー「この世はすべてごっこに過ぎない」:自著を語る 文藝春秋


クワイエットルームにようこそ
映画「クワイエットルームにようこそ」公式サイト

クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限)「クワイエットルームにようこそ」
特別版
(初回限)
監督:松尾スズキ

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