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『仮り住まい』丹下健太 を読んで[2012-06-02]
『マイルド生活スーパーライト』丹下健太 を読んで[2010-02-14]
『青色讃歌』丹下健太 を読んで[2008-10-25]

2012-06-02

『仮り住まい』丹下健太 を読んで


仮り住まい仮り住まい
(河出書房新社)
丹下 健太


souiunogaii評価 

内容紹介
ひょんなことから俺は、弟の彼女と同居するはめに……二人と一匹の蛇が一つ屋根の下。会社の嫌われ上司も加わり微妙な関係はどこへ!? 青山七恵氏他各紙誌で絶賛された文藝賞作家の話題作!


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2010-02-14

『マイルド生活スーパーライト』丹下健太 を読んで


マイルド生活スーパーライトマイルド生活スーパーライト
(河出書房新社)
丹下健太


souiunogaii評価 

内容紹介
あなたとの未来が見えない、と突然彼女にふられた上田は、その理由を知るべく夜の川で友人たちとおかしな実験をするが……
ダメンズ文学の最高傑作がついに誕生! 文藝賞受賞第一作

『青色讃歌』で文藝賞を受賞した丹下健太さんの新作です。

主人公の上田は、風邪をひいた彼女のお見舞いに行くのだが、途中で薬と一緒に買ったコンドームが見つかってしまい、それが原因かどうか分からないがとにかく彼女にフラれてしまう。

そんなダメな感じの上田は、契約社員として働く普通のサラリーマンで、休日には友人や会社の先輩とマージャンをして酒を飲んで、パチンコをして、風俗に行って、
っていうとにかくダメダメな毎日を淡々と送っている。

そんな上田を、「上田は―」と三人称で描きながらも、主格を省略した心情描写によって一人称のような効果を持った独特の文体で綴るところは前作『青色讃歌』と同じで、しっかりと丹下健太作品の世界を感じさせてくれる。

物語中盤で、上田とその友人たちが、深夜の真っ暗な川に入って、葉っぱを上流から流して下流にいる側がそれをキャッチする、という遊びをする場面があるんだけど、
それがとっても面白かった。
最初は、単なるゲームだったことが、次第に上田の人生にとって大切な意味のあることのようになっていき、最後にはみんな真剣になっているその男たちの姿が、なんだかとってもカッコ良かった。
「ただ適当なだけだろ。でもほんとに疲れたな」
上田はそう言ってため息をついた。他の三人も無言でその意見に賛成した。上田はその場に仰向けに寝ころんだ。空には星が出ていた。

とにかく、ダメな男の普通の日常を淡々と描きつつも、彼が何かを見つけだせる可能性を描いた物語で、読み終わったあとには何か爽やかなキラキラしたものを得ることができる、そんな一冊だった。

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2008-10-25

『青色讃歌』丹下健太 を読んで


青色讃歌 (河出書房新社)丹下健太青色讃歌
(河出書房新社)
丹下健太


souiunogaii評価 ハート4つ

内容紹介
第44回文藝賞受賞作
同棲する彼女の収入で暮らす高橋の、猫探しと仕事探しの日々はいつ終わる?
「読ませる、笑わせる、唸らせる」藤沢周氏、
「全編に漂う、乾いたユーモア」高橋源一郎氏他、選考委員を唸らせた、明け方の青い光に彷徨う青春小説。

表紙の写真がとてもイイ感じだなと思って、それで気に入って手に取ったこの本。

著者の丹下健太さんは、1978年生まれ。
会社を辞めて、フリーターを経て、小説家デビュー。
そんな若い作家さんの書いた、主人公の若いフリーターの男の、普通の日常を描いた小説。

こういう普通の物語、私は大好きだな。

主人公の高橋は28歳。大学卒業後、短期のバイトを続けるフリーター。
同棲している彼女のめぐみは、石を拾って集めるのが趣味。
めぐみの猫マリーを探すために、就職活動とバイトの合間の暇な日に、高橋は町を歩いて回る。

"高橋は"という三人称を使いながらも、心情描写では、主体を省略した文章によって、一人称のような効果を感じさせる、独特の表現。
読点が多く、会話文も多い。

とにかく、丹下さんの文の一つひとつが、良い。
独特の空気、雰囲気を持っている。
これは、読んでもらえれば、きっとわかると思う。
好きな人はきっと好きだ。

「お前もそこにいるだろうが。あっちもこっちもそっちもどっちも同じだろ。所詮こことそこの違いだろ。偉そうに。そんな遠くにゃ誰もいけねーよ」

丹下健太。次の作品も、ぜひ読んでみたい。

【週末読む、観る】著者に聞きたい『青色讃歌』:MSN産経ニュース
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