HOME > 本(小説)景山民生 :このページの記事一覧
『遠い海から来たCOO』景山民生 を読んで[2007-09-07]

2007-09-07

『遠い海から来たCOO』景山民生 を読んで


遠い海から来たCOO (角川文庫)景山 民夫遠い海から来たCOO
(角川文庫)
景山 民夫

souiunogaii評価 

ずっと昔(たぶん小学生くらいの頃)にアニメ映画の「遠い海から来たCOO」を見た記憶が、うっすら残っています。
原作であるこの本も、買ってきて読もうとしたけれど、当時の私は活字が苦手で、最後まで読むことができなかった記憶もあります。

で、大人になった今、ようやく読むことができました。
あらすじ
小畑洋助、12歳。海洋生物学者の父・徹郎とフィジー諸島のパゴパゴ島に移り住んで3年になる。
洋助はある朝、通学の途中、珊瑚礁の潮だまりにひとつの生命を発見した。“奇跡”との出会いだった。それは6000万年以上も昔に死に絶えたはずのプレシオサウルスの生まれたばかりの姿だったのである。しなやかな肢体と愛らしい黒い瞳を持ったその奇跡の生命は、洋助を見つめ、「COO(クー)」と歓喜の産声をあげた。
こうして少年と幼い恐竜クーとのきらめく至福の日々がはじまった。だが平和は長くは続かなかった―。

物語は大きく2つに分かれていて、前半はクーが洋助と出会って成長していく様子が、とっても丁寧な文章でゆっくりと描かれています。
後半では、展開のスピードが一気に速くなります。クーを奪おうとするフランスの軍隊が登場し、南太平洋の島々を舞台に、「洋助とクーの大冒険」という感じです。

映画版を見た影響もあるのだろうけど、それにしても、情景を非常に細かい部分まで想像させてくれる文章になっていると思います。
前半の部分の、南の島・海の描写や試行錯誤しながらクーを育てる洋助の様子なんかは特にそうです。フィジーはおろか、ハワイにも行ったことのない私に、洋助のいるパゴパゴ島の砂浜に自分も一緒に立っているような気分を味わうことができました。
高校時代に使っていた地図帳の太平洋のページを見ながら、「ここがフィジーで、ここがタヒチで…」という感じで、島々の位置をあらためて確認しながら読みました。

後半ではフランス軍が登場し緊張感が高まります。まさにアクション映画です。
クーを守るために洋助たちの闘いが始まってからは、エピローグまで一気に読まずにはいられません。


こういう「未知の生物を少年が発見して育てる」系の物語は他にもたくさんありますよね。
例えば「E.T.」「ドラえもん のび太の恐竜」「小さき勇者たち〜ガメラ〜」「河童のクゥと夏休み」とか。
それぞれの作品に、その作品でしか感じることのできない味があると思います。

私はこの「遠い海から来たCOO」を読んで、まず海洋生物の神秘・不思議を感じました。そして地球温暖化や核実験などから、大切な南太平洋の自然を守る必要性をもっと知らなければと思いました。
映画ドラえもん のび太の恐竜 2006映画「ドラえもん のび太の恐竜 2006」