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『異邦人』カミュ を読んで[2008-08-09]

2008-08-09

『異邦人』カミュ を読んで


異邦人 (新潮文庫)カミュ異邦人
(新潮文庫)
カミュ


souiunogaii評価 ハート4つ

不条理と闘った男の物語。
内容紹介
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画を見て笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。
判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。
通常の理論的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追及したカミュの代表作。

カミュの『異邦人』、学生時代には何回かこの本を手にとったが、最初の数ページで挫折してしまい、最後まで読むことができずにいた。
何度挑戦してもダメだった。
社会人になった今、再びこの『異邦人』を読むことにチャレンジしてみた。
そして、やっと、ついにこの小説をラストまで読み終えることができた。

自分の中で、何か変化があったのかと探してみるも、明確な答えは見つけられない。
でも、きっと、確実に変化したものがあるはずなんだと、そう思っている。

主人ムルソーの生き方・考え方についてどう思うか?
この問いに答えることはたいへん難しいことに思える。
とりあえず、私には彼のような行動はとれない、ということははっきりしている。
しかし、彼の生き方に憧れるか、と聞かれれば、うーん…と考え込んでしまう。
「そうだ」とも言えるし、「そうではない」とも言える、気がする。

解説によれば、この小説のテーマは"不条理"だそうだ。
不条理といえば、この世間はまさに不条理に満ち溢れたものかもしれない。
それでも誰もがそれに何とかして耐えて生活している。
しかし、疑問を持ち、抵抗することの大切さと意味とを忘れてはいけないし、
それを怠っていると、突然に自分にとんでもない災難が降りかかるかもしれないし、
そうなってからでは遅すぎるし、そんな不幸に気付くことすらできなくなる可能性もある。

そんなようなことに、はっとした気付きを与えてくれる、『異邦人』はそういう小説だった。