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『蛇にピアス』金原ひとみ を読んで[2009-02-28]
『星へ落ちる』金原ひとみ を読んで[2008-08-31]
『アッシュベイビー』金原ひとみ を読んで[2007-10-06]
『ハイドラ』金原ひとみ を読んで。[2007-09-24]

2009-02-28

『蛇にピアス』金原ひとみ を読んで


蛇にピアス (集英社文庫)金原ひとみ蛇にピアス
(集英社文庫)
金原ひとみ


souiunogaii評価 

内容紹介
蛇のように舌を二つに割るスプリットタンに魅せられたルイは舌ピアスを入れ身体改造にのめり込む。
恋人アマとサディスティックな刺青師シバさんとの間で揺れる心はやがて…。
第27回すばる文学賞、第130回芥川賞W受賞作

ふとした瞬間に突然思い出して、もう無性に読みたくなる。
金原ひとみ作品中毒症。
今回読んだのは、金原ひとみの原点とも言える『蛇にピアス』。

感想を書くのは非常に難しい。
この独特の世界から感じる気持ちを、うまく表現する言葉がなかなか見つけ出せない。

でも、読めば読むほどに引き込まれてしまう、魔法のような力を持つ物語には、やっぱり金原ひとみの小説はイイ!と言いたい。
所有、というのはいい言葉だ。欲の多い私はすぐに物を所有したがる。でも所有というのは悲しい。手に入れるという事は、自分の物であるという事が当たり前になるという事。手に入れる前の興奮や欲求はもうそこにはない。

扱っている題材そのものは、舌ピアスや刺青というハードなものだけど、そういう表面的なものの奥に見える、「愛って何?」みたいなメッセージが聞こえる瞬間があって、そこを読むときには、不思議に涙がでそうなくらい胸に来るものがある。

作家 金原ひとみに聞く:L-Cruise日経トレンディネット(時代の仕掛け人51回)

蛇にピアス公式サイト
映画「蛇にピアス」公式サイト

吉高由里子、ヌードに挑戦して「人生を捧げる」 - 『蛇にピアス』完成会見:マイコミジャーナル(2008/07/16)

蛇にピアス:情報考学 Passion For The Future

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蛇にピアス [DVD]出演: 吉高由里子, 高良健吾 監督: 蜷川幸雄蛇にピアス
出演: 吉高由里子
監督: 蜷川幸雄
2008-08-31

『星へ落ちる』金原ひとみ を読んで


星へ落ちる (集英社)金原ひとみ星へ落ちる
(集英社)
金原ひとみ


souiunogaii評価 ハート4つ

内容紹介
一つの恋愛と三人の孤独――

元彼の部屋を出て、「彼」と付き合い始めた「私」。
「彼」が女と浮気をしていると知り、自殺を考える「僕」。
突然去った「彼女」を待ち続ける「俺」。
愛するほど孤独になる、三人の絶望と激情。

また読んでしまいました。金原ひとみさんの小説。
読むたびに思う。このとりつかれるような魔法のような魅力は何なんだと。

ひとりの女性を中心にして、彼女が想いを寄せる男、その男の恋人、さらに彼女の別れた恋人、と、主人公となる人物を順に変えていく、という形の連作。
もくじ
星へ落ちる
僕のスープ
サンドストーム
左の夢

私、彼、僕、俺、と代名詞ばかりが続く。
この小説には、人物の名前が全然出てこない。
そのことが、何かとても不思議な効果を生み出している、気がする。
名前のもつイメージの力みたいなものが、逆に強く感じられる。

ココロもカラダも、とっても疲れている。疲れきっている。
都会に一人で生活する女性を主役にしている、そういうのが、やっぱり確かに金原ひとみワールドを感じさせるんだけど、
本作では他に見られるようなハードなエログロ表現はかなり抑え目になっている。

連作としての面白さっていう点では、
「何てヤバイ男なんだ」って思ってたヤツが、次の物語で視点を変えて描かれると、
とたんに、何てまっすぐで純粋でイイヤツなんだ、と全然別の印象を与える構成になっているのは、さすがによくできているなと思う。

一番良かったのは、「左の愛」かな。
もう主人公の男が、たまらなく切なくて、私は通勤電車の中で読んでいて、
気づいたら目がウルウルしちゃってきて、もう泣きそうになってしまって、
困ってしまった。
それくらいの感動があった。心が震えるっていうのかな。
会いたいどうして触れたい近くにねえどこ今すぐ触れたい触りたいねえ近くにそこに行きたい近くに行きたい近くに感じて少しでも少しでもねえ少しでいい感じたい感じたいよ感じたいそこにいたい近くにいたい触れたい感じたい近くにあと一ミリでいいあと一ミリ近くに!

もう苦しい心の叫びをそのまま一気に言葉にして救いを求めている、
そんな思いが伝わってくる文章が、金原ひとみの魅力だし、だから私はひきつけられる。

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2007-10-06

『アッシュベイビー』金原ひとみ を読んで


アッシュベイビー (集英社)金原ひとみアッシュベイビー
(集英社)
金原ひとみ


souiunogaii評価 ハート3つ

この不快感と満足感とが入り混じった不思議な感覚は、一度味わうと中毒になる。
金原ひとみワールド。
内容紹介
『蛇にピアス』を凌ぐ衝撃の第2作!
赤ん坊、変態、好きな男。主人公アヤはこの三人に囲まれ、ただひたすらに愛しい死を求め続ける。愛しい死、それは愛する人の与えてくれる死。彼女は今日も死を待っている。

自傷、レズ、幼児性愛、セックス、殺人願望。
人を愛するということは、単純で複雑だ。
「好きです」と「殺してください」が同義になる瞬間が、確かにそこにはあった。

セックス描写は少しハード。

個人的には、先日読んだ「ハイドラ」くらいにソフトな表現の方が好みかな。

金原ひとみスペシャルインタビュー第3回『アッシュベイビー』を通して深い世界へ
Yahoo!ブックス インタビュー
アッシュベイビー (集英社文庫)金原ひとみ
アッシュベイビー (集英社文庫)
金原ひとみ

蛇にピアス  (集英社文庫)金原 ひとみ
蛇にピアス (集英社文庫)
金原 ひとみ
2007-09-24

『ハイドラ』金原ひとみ を読んで。


ハイドラ (新潮社)金原 ひとみハイドラ
(新潮社)
金原 ひとみ


souiunogaii評価 ハート4つ

迫ってくる体温を感じながら感じた。――世界が変わっていくのを。
写真家の専属モデルであり、私生活でも密かに同棲をつづける早希。だが人形のような無機質さを求める男との暮らしに、次第に蝕まれてゆく。ある日、その閉ざされた部屋から彼女を引き出そうとする翳りのない男が現われるが……。堕ちてゆく痛みと無垢な愛への希求、自身への冷徹な眼差し。クールさと瑞々しさを湛えた、新境地を拓く傑作長篇。

何かが欠けてる生活、どこかが壊れてる生活。
そんな苦しい状況から逃げ出して、新しい世界に救いを求めようとする。
淡々と、静かに、でも一生懸命に自分の存在を確かめようとしている。
それが主人公、早希。

拒食症、嘔吐、ヘルスメーター、セックス。

早希の心の動きが、丁寧に繊細に、ひとつひとつ正確に選ばれた言葉で表現されている。

彼女が必死に探し求めていたのは、私にははっきりとは分からない。
彼女を積極的に応援しようとは思わない。
でも、どこかできっと生きていて欲しい。
「分かってるよ。俺のゆってることはみんな綺麗ごとだし、世の中が綺麗ごと肯定してるように見せながら否定してるってのも。そんで、多分早希もそういうの信じてないっていうのも」
見透かされていたのに気が付いて、フロントガラスに視線を走らせた。

金原ひとみの小説を読むのは、これが初めて。
大好きではないけれど、嫌いではないかな。

読み終わったあと、聴きたくなるのはCoccoの曲。
きらきら(初回限定盤) Cocco
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Cocco

蛇にピアス (集英社文庫)金原 ひとみ
蛇にピアス (集英社文庫)
金原 ひとみ
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