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『プロの論理力!』荒井裕樹 を読んで[2008-03-20]
広辞苑第六版ついに発売![2008-01-11]
『数学の出番です。―つい人に伝えたくなる数学のハナシ』日沖桜皮 を読んで[2007-12-28]
『数字のホント?ウソ? 武器としての<数字のセンス>を磨く』加藤良平 を読んで[2007-10-05]
『疑う技術』藤沢晃治 を読んで[2007-09-18]

2008-03-20

プロの論理力! (祥伝社)トップ弁護士に学ぶ、相手を納得させる技術荒井裕樹
プロの論理力! (祥伝社)
トップ弁護士に学ぶ、相手を納得させる技術
荒井裕樹

内容紹介
青色発光ダイオード中村裁判などに携わり、28歳で年収1億を実現
「論理的交渉力」を武器に成功するために!
「彼は異能の人である。2人だけのディスカッションの中での彼の発言から、出口の見えなかった難問の切り口を得る。その時、人生の至福とはこれなのだと思う。
このようなことは、しばしば起きる」
――升永英俊(青色発光ダイオード中村裁判・主任弁護人)
升永弁護士に、たった3年でこう言わしめた「論理的仕事術」のすべてを開示!

「論理力」は「個人の時代」に成功するための、最大の武器になる!
自分の主張を通したければ、裏で根回しを画策したりするのではなく、きちんとした「論理」を組み立てて正面から闘わなければいけないのが、これからの日本社会だ。地位や年齢とは関係なく、強い「論理力」を持った人間が「個人」として生き残るようになる。

表紙の写真は著者自身、弁護士の荒井裕樹。東大在学中に司法試験に合格。主に職務発明事件、知的財産権や税務の訴訟を扱う弁護士だ。
いつだったか、TBSの「情熱大陸」に出てたのを見たことがある。
これまでに青色LED事件や味の素パルスイート事件、日立光ディスク事件などの○億円単位の裁判に参加し、素晴らしい成果を上げている。
自身の年収も億を超えるという。凄腕の弁護士だ。
そんな荒井氏が、自分の仕事のやり方、背景にある想い、目指しているものなどについて「論理力」を1つのキーワードとして語ったのが本書だ。
もくじ
序章 「論理力」はあらゆるビジネスマンに不可欠な能力だ
1章 トップ弁護士はどこが違うのか
   ―「野心」と「論理力」で世の中を変えていく
(1) 弁護士には2種類ある―勝てる弁護士と平均点弁護士
(2) 青色LED・中村裁判―個人の力が世の中を変えていく
2章 論理的交渉力を高める7つの掟
   ―トップ弁護士が明かす、交渉で勝つためのセオリー
3章 年収1億を実現する「論理的仕事術」
   ―「論理力」には人生を大きく変える力がある
(1) 論理力を鍛える習慣術
(2) 論理的想像力を高める情報収集・整理術
(3) キャリアを最速で高める論理的仕事術

読んでみて、まず「カッコいい人だ!」という感想を持った。
文章からはもちろん“クールな頭の良さ”がひしひしと伝わってくる。考え方・話の進め方・表現の選び方、など全てがきちんと計算された上で作られている。これぞまさに「論理力」のある文章だと、そう思った。

しかし、私が感じた彼のカッコよさのポイントは、これ以外にもう1つある。むしろそっちの方にこそ大きく感動した。
それは、「個人の力」の重要性を語る彼の強い信念だ。
彼は「個人の力」の可能性を信じ、それを広めて、社会のしくみさえも作り変えようとしている。
名のある大手法律事務所には入らず、小さくても実力主義の事務所を選んだのも、
大企業を相手に職務発明の対価を求めて闘うのも、国を相手に前例を覆す裁判を挑むのも、全ての根っこにあるのは、「個人の力」への強い熱い信念なんだと感じられる。
論理力というと、数学の問題を解くような「頭脳」だけあればいいように思われがちだが、より高いレベルを目指す「ハート」がなければ、それは「個人の力」にはならない。
論理力にかぎらず、おしなべて人間の能力とはそういうものだろう。その人が持っている野心が「個人の力」を引き出し、高める原動力になるのだと思う。

だからこそ私は、勇気を持って声を上げた発明者たちを、弁護士としてサポートしたいと思う。そして、社員である発明者の、「個人の力」の成果である職務発明を正しく評価してこなかった日本の企業風土を変えたいのだ。

こういう風に、1つの主義主張を自分の仕事や生き方に首尾一貫して持っている人に、私は大きな魅力を感じずにはいられない。ホントにカッコいいと思う。

本書は1章から3章まであるが、最初から最後まで「論理力」と「個人の力」という大きな主題に沿った一貫した内容になっている。
それでも話の題材はけっこう多岐にわたっている。いろんな方向からいろんな方法で「論理力」を語っているのだ。
高校時代の思い出、育った家庭環境から、司法試験や就職活動について、今の仕事を選んだ理由・思い。これまでに手がけた裁判の紹介。日々の仕事・生活の様子。さらに、社会情勢への自論。などなど。

読んでいて本当に面白い。こういう頭の良い人の書いた文章っていうのは、読みながら自分の頭もしっかり働いているのが分かる気がして、とても心地良い。

最後に、著者がまとめた、論理的交渉力を高める「7つの掟」を紹介。
1. 戦況判断のために、まず徹底した「情報収集」を行なう
2. 情報収集に基づき、「実現可能で明確な目標」を設定する
3. 「自分でコントロールできること」と「コントロールできないこと」とを峻別し、「自分でコントロールできる」要素に集中する
4. 目標達成に必要な「条件を列挙」し、1つずつ「潰して」いく
5. 「入念な準備」をした上で、「こちらから行動を起こす」ことで交渉の主導権を握る
6. 決して「感情的」にならない
7. 交渉相手に「感動」を与えて、「説得」ではなく「納得」してもらうことを心がける
2007-12-28

数学の出番です。 (数研出版)つい人に伝えたくなる数学のハナシ日沖 桜皮
数学の出番です。 (数研出版)
つい人に伝えたくなる数学のハナシ
日沖 桜皮

内容紹介
くらしのハテナをみるみる解決!
暮らしの中で困ったことがあったら,数学の出番です。
「直感にご用心」「新幹線の座席の謎」「割り勘のいろいろ」など,
本当は役に立つ数学の数々をご紹介します。

中学生・高校生のときに習った数学は、日常生活で直接に使われることはほとんどない。
でも、数学って知っているだけで意外に使える場面がたくさんあるみたいだ。
もくじ
第1部 ほんとうは役に立つ数学
π=3でええやん! / ニアピン賞の怪 / 正しい裁決 / 数学冥利に尽きる!? / 発想の転換 / 数学の世界のオコトバ / 直感にご用心 / むかしの人はすごかった / 古代エジプト人の算術 / 新幹線の座席の謎 / 割り勘のいろいろ / 欠陥さがし / 待ち合わせの怪 / 三酔人競馬問答 / 究極の選択 / 究極の選択PART2 / 「逆」からの発想
第2部 ため息がでるほどに美しい数学
素数にせまる / 究極の美「三角形」 / 無理数は何がムリ? / You and I / 矢は飛ばない!? / ひと・数学・ロマン / 未解決問題への挑戦

前半では、難しい知識は使わずに、「実は数学って結構使える」場面をいろいろ紹介してくれてる。
例えば、ケーキの切り分け方、タクシー代の割り勘で払う計算法、最短経路の選び方、などなど。
後半は、それほど実用的ではないけれど、へぇーと言える数学知識の紹介。
素数、完全数、友愛数など、映画『博士の愛した数式』にも出てきたものも登場する。

こういう気軽に読める数学の本を読むのも、たまにはいい。
博士の愛した数式 (新潮文庫)小川 洋子
博士の愛した数式 (新潮文庫)
小川 洋子
2007-10-05

数字のホント?ウソ!武器としての<数のセンス>を磨く (ベスト新書)加藤 良平
数字のホント?ウソ! (ベスト新書)
武器としての<数のセンス>を磨く
加藤 良平

あらためて言うほどのことではないが、私たちは毎日さまざまな数字に囲まれて暮らしている。
そんな数字を一つひとつ意味を確認していくと、そこには、ぱっと見ただけでは気づかなかった、隠された不思議がたくさんあった。
「え!本当に?」「なんだ、そうだったのか!」
数字の見方・考え方が分かってくると、世界がまた少し違ってくる気がする。
もくじ
序章 身の周りにあふれる数のウソ


第1章 数の世界にひそむワナと発見
因果関係を無視した論理 / 偶然確率10万分の1なら逮捕は正当? / ゼロ・サム関係からウィン・ウィン関係へ / 時間が無限に続くという前提のワナ

第2章 意外だけど納得できる確率の話
天気の確率予報をあらためて考える / 確率を知る基本は場合の数 / 累乗というお化けの世界 / 階乗という超お化けの世界 / 確率の心理学 / 40人のクラスで委員を選ぶ / 7番勝負を予測する / 場合の数から確率へ / 確率から期待値へ / 期待値万能論はこんなに危ない

第3章 数字表現センスを身に付ける
数字表現センスとはどういうことか / 世界の軍事費の膨大さ / ナノテクノロジーはこうして注目された / 100億という数字はマジック・ナンバー?

第4章 数の世界を思いっきり楽しむ
悠久の世界を数字で遊ぶ / 「2」と「5」にこだわって悠久の世界をさかのぼる / 数学のちょっとした知識で音楽が楽しくなる / 数学のちょっとした知識で美術が楽しくなる / 数学に注目すると楽しくなる小説や映画 / 数のセンスとゲームの世界

あとがき

宝くじ、保険・年金、天気予報、野球のマジックナンバー、軍事費、マルチ商法、囲碁・将棋、などなど、具体的にいろいろな例を挙げながら数字の計算の方法を説明してくれる。
知識としては、中学・高校の数学の授業で習うもので、確率、場合の数、平均、分散、期待値といった用語が登場する。
私は理系の大学生なのですが、高校数学の内容などはとっくの昔にさっぱり忘れてしまっている。
ですが、本書は難しい計算法などはまったく必要ない。
使っているのは、「掛け算」と「割り算」だけ。この2つで確率や期待値なんかがきちんと計算できるようになっている。

大切なのは、その数字をどれだけイメージできるのか、なんだと思う。
1万円札の新札というのは、積み上げると1億円で約1メートルだそうです。つまり1兆円だとその1万倍で10キロメートルです。

数字を現実世界のイメージしやすいものと比較しながら考えてみる。
そういった話がたくさん紹介されています。

私が数字で、いま気になっていることといえば、医療保険のテレビCMです。
外資系の保険会社のCMは、「80歳でも…」「月々4800円から…」「癌になったら200万円…」という感じで数字、というか金額を第一に印象づけるものばかり。
それに対して、国内の生保会社のCMでは、数字はほとんど使われていない気がする。
こういうのは、見ていて面白いなと思ったり。

与えられた数字をそのまま信じてしまうのではなく、ちょっと時間をとって自分なりに計算してみる。
どうしてその数字が出てきたのかを、ちょっとだけ深読みしてみる。
数字表現の背後には、それぞれのストーリーがあり、感性が息づいているのです。
「数字のない物語も、物語のない数字も、認めない」。
これはキヤノンの御手洗冨士夫社長の言葉です。そして私の大好きな言葉でもあります。

最後に、本書で紹介されている数字や数学にまつわる小説や映画の中から、特に私が気になったものをあげておく。
博士の愛した数式 (新潮文庫)小川 洋子
博士の愛した数式 (新潮文庫)
小川 洋子

第四次元の小説―幻想数学短編集 (地球人ライブラリー)R・A ハインライン(著), 三浦 朱門(訳)
第四次元の小説―幻想数学短編集 (地球人ライブラリー)
R・A ハインライン(著), 三浦 朱門(訳)

ビューティフル・マインド DVD (角川エンタテインメント) ラッセル・クロウ
ビューティフル・マインド DVD (角川エンタテインメント)
ラッセル・クロウ

CUBE2 特別版 DVD監督:アンドレイ・セクラ
CUBE2 特別版 DVD
監督:アンドレイ・セクラ
2007-09-18

疑う技術―ウソを見破る9つの視点 (PHP新書)藤沢 晃治
疑う技術 (PHP新書)
ウソを見破る9つの視点
藤沢 晃治

情報に対する姿勢を正してくれる、そんな本です。
新聞・テレビ・ネットなど、あふれる情報の見方や考え方が、この本を読んでリセットされた気がします。
内容紹介
「○○放題」は本当にお得?広告の写真や売り文句はどこまで信じていい?「科学的」という言葉にごまかせれていない?選挙予測の報道は正しい?マインド・コントロールはカルトだけ?儲け話に騙されたり、「常識」が真っ赤なウソだったということは、もはや日常茶飯事。玉石混交の情報の真偽は、自分の頭で判断しなければならない。本書は、身の周りに潜む情報の落とし穴を徹底検証する。「数字」「言葉」「安全」「メディア」「通説」はどこまで信用できるのか。本質を見極めるための知的情報整理術。

“疑う”というとマイナスのイメージがある気がしていました。
でも、そうではなくて、「自分自身で判断する」ことの大切さと、そのための方法を身につけることの大切さを教えてくれました。
もくじ
序章 「理解する技術」と「疑う技術」
第1章 セールスを疑え
第2章 数字を疑え
第3章 言葉を疑え
第4章 「科学的」を疑え
第5章 安全を疑え
第6章 メディアを疑え
第7章 通説を疑え
第8章 組織を疑え
第9章 自分を疑え

本の構成は「広ーく、浅く」という感じで、幅広い種類の情報に対しての正しい姿勢を書いています。
一つひとつのテーマは短い文章なので、とても読みやすくなっています。

著者の藤沢晃治は日テレの「世界一受けたい授業」にも出演したことがあるそうですが、恥ずかしながら私は知りませんでした。
この本を読む限り、知的で論理的で自分の目をしっかり持っている方なのかなと思いました。

藤沢晃治の頁