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『学閥支配の医学』米山公啓 を読んで[2007-10-07]
『死体洗いのアルバイト 病院の怪しい噂と伝説』坂木俊公 を読んで[2007-10-01]

2007-10-07

『学閥支配の医学』米山公啓 を読んで


学閥支配の医学 (集英社新書)米山 公啓学閥支配の医学
(集英社新書)
米山 公啓


souiunogaii評価 ハート3つ

どの世界においても、昔からの悪しき慣習に縛られた、自分たちの利益を守るための制度を維持し続けるというのは、これはもう日本人の文化なのだろうか。
学閥(ジッツ)とは、わが国独自の同じ医学部の卒業生で作られる、見えない組織である。医者同士が初対面の時、まず卒業年度と出身校を訊く。先輩か後輩か、国立か私立か、医局はどこか。これによって医者の間に微妙な力関係が生じる。旧帝国大学医学部を頂点とした学閥は、医学界そのものを支配いている。大学病院のスキャンダル、医療過誤の背後にも見え隠れする。学閥に屈することなく、医学的な真実だけを追究できる医者が、なぜ育たないのか。本書は、学閥の成り立ちから、現在までの経緯を糺し、今後どう改革していくべきかを提言する。

例えば、ドラマ「医龍」などでも、医学部の教授が決まるシステムの問題や、医局の閉鎖的な体質、大学病院と関連病院の関係、新薬の治験、医学論文、臨床か研究か、などの問題が描かれていた。

医学界に限らなければ、「踊る大捜査線」でも、東北大出身の室井管理官が東大卒の官僚組織のなかで戦っている。

政治の世界でも、自民党の総裁選では「派閥」という言葉がよく出てきた。

仲間意識というのか、組織を作って利権を独占して、他とは交わらない。

こういう制度はもはや、長く続いてきた日本の伝統・文化になっている。
問題があることが分かっているのに、改革をしなければいけないと分かっているのに。

もくじ
第1章 学閥はなにをしてきたか
第2章 学閥を作ってきたもの
第3章 学閥のいま
第4章 学閥という壁を越えて


医師の仕事というのは、人の命・人生に大きく関わるものなんだから。
著者は、大学病院の真の存在意義は「よき臨床医を育てる」ことだと述べている。
しかし現実は違い、学閥に支配された医局・学会はまるで政治をやっているようだ。

本書では、学閥の問題を、いろいろなデータを一覧表で見せながら細かく解説している。
特に興味深いと感じたのは、大学医学部の設立の経緯と学閥とが深く関係しているとう話。
旧帝国大と新設医大との関係は、まるで霞ヶ関の中央省庁と天下り先の財団法人との関係のようだ。

病院・医師への見方をちょっと考えさせる1冊。
医学部を受験する高校生にも、読んでほしい。
物語 大学医学部 (中公新書ラクレ)保阪 正康
物語 大学医学部 (中公新書ラクレ)
保阪 正康
2007-10-01

『死体洗いのアルバイト 病院の怪しい噂と伝説』坂木俊公 を読んで


死体洗いのアルバイト病院の怪しい噂と伝説 (イースト・プレス)坂木 俊公死体洗いのアルバイト
病院の怪しい噂と伝説
(イースト・プレス)
坂木 俊公

souiunogaii評価 ハート2つ

現役の医師である著者が、国内国外のいろいろな医療系の都市伝説を集めて、医学論文などとからめて分析しているのが本書。
著者の医学生時代・研修医時代に大学や病院内でよく流行っていた噂にはじまり、タイトルにもある「死体洗いのバイト」のような都市伝説、さらにはうんちく・トリビア的な話、実は間違っている常識、などなど興味深い医療の話がたくさん詰まってる。
読み物として、結構面白い。
もくじ
PART1 病院の怪談
風呂場で人間ちり鍋/ 医学生は尿もなめる/ 人知れずあの世に/ 床掃除が招く死/ へたっぴな外科医/ 死体洗いのアルバイト/ 大先生の悲惨な最期/ 医者になるのも楽じゃない?/ おしゃべりな名医/ 芸能人がやってきた/ 美人は白血病で死ぬ?/ 病院の怪談/ ポルターガイスト/ 乙女ヶ浜の呪い/ 霊安室の女の子

PART2 身体のミステリー
くっついたカップル/ もじもじしたローソク少年/ 女子高生オナニー伝説/ 「朝立ち」の生理/ 指ポッキンは害になる?/ 携帯電話で癌になる?/ 人喰いバクテリアの恐怖/ ブラック・ジャック流離譚/ 診察儀礼の秘密/ 冷えると風をひく/ 誰も入浴してはならぬ/ 肩こりの謎/ 欲求不満で鼻血ブー/ プラセボをめぐる論争/ 731部隊の人体実験

PART3 奇妙な噂
ルーシー電波譚/ 危険な香り/ パッチワーク・ベイビー/ 消えたフィットネス・マニア/ 邪視、あるいは邪眼について/ 全身金粉で窒息死?/ 比叡山要塞の謎/ 恐怖の金縛り体験/ 「中央病院」の謎/ 河原町のジュリー/ メンソールタバコの陰謀/ ポピーシードベーグルにご用心/ 口淫、魔の如し/ 危険物としての死体

世界で2番目に古い職業

とにかく「へぇ〜そうだったのか」と感心する話ばかり。