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『センセイの書斎 イラストルポ「本」のある仕事場』内澤旬子 を読んで[2008-02-25]
芥川賞は川上未映子『乳と卵』・直木賞は桜庭一樹『私の男』に決定[2008-01-17]
第138回芥川、直木賞の候補作[2008-01-07]
『熱い書評から親しむ感動の名著』 を読んで[2007-09-30]
『未来形の読書術』石原千秋 を読んで[2007-09-23]

2008-02-25

センセイの書斎 (幻戯書房)イラストルポ「本」のある仕事場内澤旬子
センセイの書斎 (幻戯書房)
イラストルポ「本」のある仕事場
内澤旬子

内容紹介
作家、評論家、研究者、デザイナー……。本を書くこと・つくることを仕事する人たちは、本とどのように付き合っているのか? 
自宅・仕事場に増殖していく本の整理法、自分のテーマに関連する情報活用術、そして、本に対しての思いを徹底取材。書斎を計測し、並んでいる本の書名まで書き込んだ細密なイラストレーションと文章により、31の「本」のある仕事場を解剖する。

イラストルポライターである著者は、何人もの作家・学者・評論家などの「日々何らかの執筆活動をする人たち」に取材をした。
書斎(自宅、研究室、事務所など)を直接訪ねて、部屋の広さを採寸し、書棚に並ぶ本のタイトルを一冊一冊見ていきながら、インタビューをするという何とも面白そうな取材だったそうだ。
そうして作られた本書は、書斎の持ち主である作家さんたちへのインタビューと、書斎の間取り図や書棚を詳しく描いたイラストとのセットになって構成されている。

これが読んでいて非常に面白い。

どの方も床が抜けそうなほどに部屋中にぎっしりと本を並べている。
さすが作家や学者の皆様だけあって、その膨大な蔵書数には圧倒されてしまう。
そして、本の並べ方のルールや、集め方・捨て方、本の利用の仕方を熱心に語ってくれている。
使わなくなったら即処分する方、長い間保存しておく方、図書館を利用する方・しない方、じついにいろいろだ。

とにかく、他人の本棚を拝見するのは面白いのだなと改めて気づかされた。
もくじ
・林望(書誌学者・作家) 古典籍からアンアンまで、リンボウ先生のふみくら
・荻野アンナ(作家・フランス文学者) 豚と駄洒落が飛ぶラブレーな本棚
・静嘉堂文庫(図書館) 九百歳の姫君、宋刊本が眠る森
・南伸坊(イラストライター) シンボーズ・オフィス、本棚はドコ?
・辛淑玉(評論家) 執筆工場に散らばる本の欠片
・森まゆみ(作家) 書斎とお勝手のミニ書斎
・小嵐九八郎(作家) 作家が放浪するとき、本は……
・柳瀬尚紀(翻訳家) 辞書と猫に囲まれて
・養老孟司(解剖学者) 標本と図鑑にあふれた書斎
・逢坂剛(作家) 古書店直結、神保町オフィス
・米原万理(作家・同時通訳者) ファイルと箱の情報整理術
・深町眞理子(翻訳家) 翻訳者の本棚・愛読者の本棚
・津野海太郎(編集者) 好奇心のために、考えるために
・石井桃子(児童文学者) プーさんがどこかで見てる書斎
・佐高信(評論家) 出撃基地は紙片のカオス
・金田一春彦(国語学者) コトバのメロディを聞き書きするひと
・八ヶ岳大泉図書館(図書館) ある蔵書の幸せな行方
・小沢信男(作家) 本棚に並ぶ先輩たちに見守られて
・品田雄吉(映画評論家) 映画ビデオに囲まれた書斎
・千野栄一(スラブ語学者) いるだけで本が買いたくなる書斎
・西江雅之(言語学者) 本のコトバを聞き取って
・清水徹(フランス文学者) 至高の書物を求めて
・石山修武(建築家) 居場所へのこだわりを解放する
・熊倉功夫(茶道史家) 茶室のような書斎を持つひと
・上野千鶴子(社会学者) 三段重ねなのに、100%稼働中の本棚
・粉川哲夫(メディア批評家) 移動、解体、組み立てをくり返す書斎
・小林康夫(フランス文学・哲学研究者) 「雑に置くこと」の美学
・書肆アクセス(新刊書店) ゆったりなのにワクワクさせる棚の妙
・月の輪書林(古書店) 調べ、集め、並べては手放す古書目録の書棚
・杉浦康平(ブックデザイナー) 書斎を流動する本たち
・曾根博義(日本近代文学研究者) 重ねず積まず、五万冊すべてが見える書棚

人の本棚を見るのが好きだ :わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
2008-01-07

新聞で「第138回芥川、直木賞の候補作が発表された」という記事を見た。

【直木賞候補作】
ベーコン (集英社)井上 荒野ベーコン (集英社)井上 荒野
悪果 (角川書店)黒川 博行悪果 (角川書店)黒川 博行
敵影 (新潮社)古処 誠二敵影 (新潮社)古処 誠二
私の男 (文藝春秋)桜庭 一樹私の男 (文藝春秋)桜庭 一樹
警官の血(上) (新潮社)佐々木 譲警官の血(上) (新潮社)佐々木 譲
約束の地で (集英社)馳 星周約束の地で (集英社)馳 星周

【芥川賞候補作】
「乳と卵」川上未映子 文学界12月号文学界12月号
「切れた鎖」田中慎弥 新潮12月号新潮12月号
「カソウスキの行方」津村記久子 群像9月号群像9月号
「空で歌う」中山智幸 群像8月号群像8月号
「小銭をかぞえる」西村賢太 文学界11月号文学界11月号
カツラ美容室別室 (河出書房新社)山崎 ナオコーラカツラ美容室別室 (河出書房新社)山崎ナオコーラ
「ワンちゃん」楊逸 文学界12月号文学界12月号

芥川龍之介賞 :Wikipedia
直木三十五賞 :Wikipedia
2007-09-30

熱い書評から親しむ感動の名著bk1with熱い書評プロジェクト
熱い書評から親しむ感動の名著 (すばる舎)
bk1with熱い書評プロジェクト

bk1のサイトには毎日数十本の書評が届くそうです。
私も、自分が読んだ本について、他の人はどんな感想を持っているんだろう、と思って、bk1の書評はよく読みます。
bk1の書評ポータルは、「どの本を読もう」「この本は面白そう」と、本を選ぶときの参考にもします。
bk1with熱い書評プロジェクト
オンライン書店bk1で、文芸書に書評を投稿されている方々を中心に、本書をつくるためのプロジェクトとして結成。
今回は“本当に自分の好きな作品を熱い思い入れたっぷりに紹介してもらう”というコンセプトで、学生・会社員・主婦・ライターなどさまざまな経歴・職業をもつ執筆者66人が集まり、書き下ろしの書評を披露する。
書評内容の充実ぶりと検索の利便性において高い評価を得てきたオンライン書店bk1だが、さらに「書評ポータル」というコーナーを設け、これまでに投稿された書評10万本以上を統括している。

あらすじを書くだけではない。本文の内容を要約してまとめるだけではない。単なる感想というのでもない。
書評とは、こういうものだよな、と本書を読んで思った。
原著にあたりたくなる熱い書評を、本への熱気が“爽やかな風”に変わる瞬間を、どうぞおたのしみください。

本書を読んで、私が「読んでみたい」と感じた本を、自分用のメモとして書いておく。
門 (新潮文庫)夏目 漱石
門 (新潮文庫)
夏目 漱石

青が散る (上) (文春文庫)宮本 輝
青が散る (上) (文春文庫)
宮本 輝

どこにでもある場所とどこにもいない私 (文藝春秋)村上 龍
どこにでもある場所とどこにもいない私 (文藝春秋)
村上 龍

いつか王子駅で (新潮文庫)堀江 敏幸
いつか王子駅で (新潮文庫)
堀江 敏幸

図書館の神様 (マガジンハウス)瀬尾 まいこ
図書館の神様 (マガジンハウス)
瀬尾 まいこ

定年ゴジラ (講談社文庫)重松 清
定年ゴジラ (講談社文庫)
重松 清

オンライン書店bk1
bk1書評ポータル
2007-09-23

未来形の読書術 (ちくまプリマー新書)石原 千秋
未来形の読書術 (ちくまプリマー新書)
石原 千秋

私たちは、なぜ本を読むのだろう。
「読めばわかる」というレベルを超えて世界の果てまで「自分」を追いかけていくめまいがしそうな試みこそ、読書の楽しみだ。

本を読みながら、私は何を考えているのだろう?
本を読むとき、私の頭の中で何が起こっているのだろう?
そんな「何となくわかっている気がするけれど、はっきりとは答えられない」ような問いに、本書は論理的かつ明解な文章で答えを与えてくれる。

「小説を読んで感動する」とはどういうことなのか、それがわかってくると、今までより少し、小説を読む楽しみが増えてくる気がする。
もくじ
まえがき―いま、どこにいるのか
第1章 本を読む前にわかること
第2章 小説とはどういうものか
第3章 読者はどういう仕事をするのか
第4章 「正しさ」は変わることがある
あとがき―装う本
「読者の仕事」を深めるための読書案内

第1章では「言語論的転回」というちょっと聞きなれないキーワードが登場する。
その「世界は言語である」という考え方を、たくさんの例を挙げながら、理系学生の私にでも分かるような文章で説明してくれている。
しかし、本が僕たちを連れて行ってくれるのは、言葉からこぼれ落ちた世界へだ。そして、言葉からこぼれ落ちた世界の中心には「自分」が存在しているのだ。

第2章では「過去形の読書」、第3章では「未来形の読書」について述べられている。
文学とは何なのか、小説とは何なのか、作家の意図とは何なのか。
「内包された読者」という新しいキーワードが登場するが、分かりやすく説明してくれるので難しくはない。
芥川、漱石、太宰などから例文を引きながら、私たちはどういう視点に立って、何を求めて小説を読むべきなのかを教えてくれる。
小説は宝探しなのだ。小説には、宝がたくさん埋まっている。

第4章は評論の読み方について。キーワードは「パラダイム・チェンジ」。
何が「正しい」のかは時代によって変わっていく、ということを東大の過去の入試問題を例にしながら、解説している。

今までにあまり読んだことのないジャンルの本だったから、ちょっと難しいかなと初めは思っていたんですが、そんなことはなく、けっこう面白く読めました。

夏目漱石の「こころ」からの例文があったので、再び「こころ」を読んでみたくなってしまった。
高校生のときに、現代文の教科書に一部が載っていたので、気になって書店で文庫を買ってきて読んだ。
けれど、あの頃は「本の読み方」なんかよく分かっていなかった。だから見えていなかったものが、まだ残っている気がしてきたのだ。
こころ (集英社文庫)夏目 漱石
こころ (集英社文庫)
夏目 漱石

『こころ』大人になれなかった先生 (みすず書房)石原 千秋
『こころ』大人になれなかった先生 (みすず書房)
石原 千秋

未来形の読書術 :わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる