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『なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?』パコ・ムーロ を読んで[2008-06-08]
『まっとうな経済学』ティム・ハーフォード を読んで[2008-05-11]
『会計についてやさしく語ってみました。』平林亮子 を読んで[2008-03-02]
『中学生への授業をもとにした世界一簡単な「株」の本』松本大 を読んで[2008-02-29]
『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?2 決算書編』小堺桂悦郎 を読んで[2008-01-17]

2008-06-08

なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?
なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか? (ゴマブックス)
パコ・ムーロ(著), 坂東智子(訳)

もくじ
第1話 進化を拒んだ古代魚と陸に上がったカメ
第2話 こだわりの異なる3人の社長の選択
第3話 1本足になったアリ株式会社の末路
第4話 本当に「使えない」のは車かドライバーか
第5話 有能な社員に新人、ベテランも関係ない
第6話 社長のクローンは働き者ばかり
第7話 なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?
第8話 「自ら動く新入社員」と「指示待ちベテラン社員」
第9話 1006人のうち、会社の妨げとなるのは6人
第10話 すぐに専門家任せのエグゼクティブたち
第11話 「前世紀のセールスマン」と「21世紀のセールスマン」
第12話 ボロボロのガレー船と3人の船長の航海術
第13話 エグゼクティブは熱気球に乗って仕事をしなさい


見返しに書いてあった、
「この本を手にとったあなたに『おめでとう!』と言いたい。
 なぜなら、60分で
 『人生で成功するための大切なポイント』
 が身につくからである」
という文章が気になって読んでみたこの本。
確かに60分で最後まで読めてしまうくらいの、読みやすい内容だが、うーん、おめでとう!言われるほどのことは私には見つからなかった。
象徴的で寓話的なエピソードと、経営者が決断するときに必要な要素をからめながらの構成は分かりやすいし、それぞれのエピソードも面白いものが多い。
ただ、文章が簡潔で短いからか、何だか深みが無いというか、こじつけ色が強いというか、ただ「ふーん」と感じるだけの本だった気もする。

著者はコンサル会社の会長。
2008-05-11

まっとうな経済学 (ランダムハウス講談社)ティム・ハーフォード(著), 遠藤真美(訳)
まっとうな経済学 (ランダムハウス講談社)
ティム・ハーフォード(著), 遠藤真美(訳)

内容紹介
賢い消費者、損をしない投資家、黒字国家、
それにはみんなワケがあった―。「読者を夢中にさせる一冊!」
スティーブン・D・レヴィット『ヤバい経済学』著者


経済理論を駆使して、毎日の買い物、投資家心理、国家財政まで、実体経済を動かすしくみを根底から解き明かす!
大学生、ビジネスパーソン、公務員、政治家まで、経済活動にたずさわるすべての人の必読書!

この本に出てくるのは、為替や景気循環の話ではなく、中古車市場の謎解きや、スーパーで無駄遣いをしないための知恵である。
読み終わることには、みなさんがいまよりもっと聡明な消費者になって、いまよりもっと聡明な有権者になって、政治家が吹聴する話の裏側にある真実を見極められるようになっていることを願っている。

以前読んだ、『ヤバい経済学』はたいへんに面白かったが、こちらの『まっとうな経済学』もまた、たいへん楽しませてもらった。
著者のティム・ハーフォードは、フィナンシャル・タイムズ・マガジンのコラムニストで、世界銀行グループ国際金融公社の主任ライターで、オックスフォード大学経済学部の講師で、石油会社シェルのエコノミストだそうだ。

タイトルに“まっとうな”とあるが、その意味するところは何なのだろうか。
本書で扱われている題材は、現実世界に存在するさまざまな「経済行動」だ。
それらを著者のティムは、先入観をとっぱらって、極めて素直と思えるやり方で経済理論をあてはめて、状況を分析し、問題点を指摘し、問題解決の方法を提案する。
おそらく、“まっとうな”というのは、偏見や先入観や思い込みを排除し、慣習に流されずに、冷静に素直に、経済学者のあるべき姿、やるべき仕事をおしすすめると、こうなるのだ、ということを示しているのだろうと、私は感じた。

身近なところで言えば、スターバックスのコーヒーの値段はどうやって決まっているのか。
スーパーマーケットの商品ラインナップと価格はどうやって決まるのか、そこで実際に儲けているのは一体だれなのか。
私たちが様々な状況下でものの値段の高い安いを判断する根拠は何なのか。

少し視野を広げて、扱うテーマを大きくしてみると、交通渋滞を解消するにはどうすればよいか、環境問題を解決するには、効率的な競争入札を政府が実施するためには、などの方法を考えていく。

さらに、後半では世界的な問題に入っていく。アフリカの極貧国が貧困から脱出するためには、海外投資と貿易によって自国の産業を発展させるためには、中国が途上国から経済発展できた理由は、などのスケールの大きな問題だ。

本書で主に使われる経済の理論は、例えば、
希少性、価格ターゲティング、完全競争市場、外部性課金、内部情報、非対称性の経済、ゲーム理論、比較優位、などの用語で表せるものたちだ。
いずれも著者が丁寧に分かりやすく実例を多く取り入れながら語ってくれるので、経済学を学んだことのない人にも、抵抗無く読むことができ、理解することができる。
特に、希少性や比較優位などの考え方は、それまで私にはあまりなじみの無かったもので、とても新鮮で、感動すら覚えるような面白いものだった。
読んでいても、「へぇー」「あぁ、そうか!」「なるほど!」と、驚き感心することがたくさんあって、経済学って(経済学者って)面白くて楽しいなぁ、と思った。

本書が何より楽しめる本になっているポイントは、著者が導き出す提案の意外性だと思う。
コーヒーショップから世界情勢まで、非常に幅広いテーマを扱っているのだが、そのすべてに、常識で考えると一見間違っているのでは?と思える答えを出してくれる。
しかし、それが経済学にかなった真実なんだと、納得させられる。
その意外性というか、予想外の帰結とそこにたどりつくまでの理論・過程が、何とも言えない満足感を、読んでいる私に与えてくれた。

経済学と言うと、現実から少しかけ離れたところにある難しい理論だと思いがちだけど、そうではない。ティムは現実の問題を実際に観察しながら、何とかして経済学者が社会に役立つ方法を探そうと懸命になっている。その考え方はひたすらに人間を主役にしたものであると感じた。
そして彼が提案する解決方法は、誰かが富を独占するのではなく、経済活動に関わる参加者全員がハッピーになるための方法、「Win-Win」の関係を構築するための方法なのだ。
極貧国カメルーンに実際に取材をして、何とかして今の最低の状況を改善したいという熱意が伝わってくる。彼こそ真の経済学者だと、そう思う。
もくじ
第1章 誰がためにそのコーヒーはある
第2章 スーパーマーケットが秘密にしておきたいこと
第3章 安全競争市場と「真実の世界」
第4章 交通渋滞
第5章 内部情報
第6章 合理的な狂気
第7章 本当の価値をなにひとつ知らなかった男たち
第8章 なぜ貧しい国は貧しいのか
第9章 ビールとフレンチフライとグローバル化
第10章 中国はどのようにして豊かになったか

原書はこちら。
The Undercover Economist Tim Harford
The Undercover Economist
Tim Harford


【関連】
『ヤバい経済学』レヴィット&ダブナー を読んで
2008-03-02

会計についてやさしく語ってみました。 (ダイヤモンド社)今よりずっと数字に強くなれる本平林 亮子
会計についてやさしく語ってみました。 (ダイヤモンド社)
今よりずっと数字に強くなれる本
平林 亮子

内容紹介
会計なんてカンタン。普段の生活から会計の仕組みがわかる。そして会計がわかると、人生が豊かになる。個人にも役立つノウハウ付き。
公認会計士資格スクールの人気・美人講師 平林亮子先生が、「会計」について語りました。会計を教えてあげるという視線ではなく、会計のおもしろさ・楽しさをやさしく語っているので、ほかの本にはないわかりやすさがあります。会計だけでなく、会社の仕組みや戦略、家計でも使える会計手法・節約法など、役立つ内容です。

タイトル通り、会計の入門書です。
“やさしく”とありますが、会計用語もたくさん登場するし数字も使う、そこの点は“かんたん”というのとは違う。
かなり真面目に、会計のしくみはこうなっていて、企業の活動にこう使われている、ということを説明してくれています。
とはいえ、文体は優しく読みやすいものだし、ハンバーガーという例をいろんな場面で出していて分かりやすい。

利益、資産、キャッシュの3つに注目して、企業は何を目指して活動しているのかを、とにかく丁寧に説明している。
その後で、財務諸表(損益計算書、バランスシート、キャッシュ・フロー計算書)についての話に入っていく。
最後では、家計においても企業と同じ形の財務諸表を作ることを薦めている。
もくじ
プロローグ
第1章 利益の秘密を語ってみました。
第2章 資産の正体を語ってみました。
第3章 お金と利益の微妙な関係を語ってみました。
第4章 決算書のツボを語ってみました。
第5章 会計で世の中を追いかけてみました。
第6章 お財布の中身を語ってみました。―個人で使える会計術

著者の平林さんは、大学生のときにダブルスクールで専門学校で勉強して公認会計士試験を受け、大学4年のときには監査法人で働いていたという。
本書の文章からも、彼女が真に会計を面白いと感じていて、会計士の仕事が夢中になれるものだと感じていて、それを一般の人にも教えたいと思っているのが、強く伝わってくる。

私が一番印象に残ったのは、次の文章。
さまざまな金額の裏にドラマが隠されているのです。そのドラマこそ、会計が本当に伝えたい情報であり、そのドラマが会計を楽しくしてくれるのです。

もっともっと会計のことを詳しく勉強してみたくなる、そんな一冊。

平林公認会計士事務所
平林亮子の酸素派人間のススメ!
2008-02-29

中学生への授業をもとにした世界一簡単な「株」の本 (マキノ出版)「お金に困らない子」はこうして育つ!松本大
中学生への授業をもとにした世界一簡単な「株」の本 (マキノ出版)
「お金に困らない子」はこうして育つ!
松本大

内容紹介
知識ゼロから親子で学べるマネー入門。小・中学生7名が10万円から投資を体験。大人も「基本のキ」がわかる!
2006年初めに開催され、テレビや新聞、雑誌などで話題となった授業が待望の書籍化。内藤忍ら、カリスマ講師による「株のがっこう」がついに開校!

マネックス証券が、小中学生向けに開いた「株のがっこう」という講演会の内容から作られた本書は、株式投資について書かれた入門書だけれど、よくある初心者向けの“金儲けのためのテクニック本”のような本では決してない。
とても真面目に、正面から、株式投資とはこういうもので、投資家の姿勢はこうあるべきだ、という感じで書かれている。
もくじ
開校のあいさつ―明日を生きるための教養 松本大
第1部 株のがっこう
1時間目 知識ゼロから学ぶお金とルール 廣澤知子
2時間目 夢を実現するためのお金のふやし方 内藤忍
3時間目 株式投資は習うより慣れろ! 藤本誠之
第2部 小・中学生7名の初めての投資体験
閉校の辞―お金に対して謙虚になる―松本大

小中学生向けの話がベースになっているので、とても基本的なところ(株式会社のしくみなど)から始めて、実際の投資についての様々な情報まで、分かりやすくて読みやすい。
マクドナルドとモスを比較したりして、具体的な社名を挙げながら、企業の何処に目をつけるのかのポイント、どうやって投資する企業を選ぶのか、ということを説明してくれる。

第1部の文章で、太字になっているキーワードを挙げてみると、
配当金、株主総会、1単元、株主優待、証券取引所、株価チャート、年初来高値、業績予想修正、日経平均株価、上場、株式分割、長期投資、会社選び、分散投資、銘柄コード、売上高、利益、リスク、ファンドマネージャー、投資信託、投資家、ミニ株、手数料、損切り、口座、指値、成行、約定、寄付
となっている。

そして後半の第2部。これが面白い。
「株のがっこう」に参加した小中学生たちは、マネックス証券のモニターとして10万円からの3ヶ月間の株式投資に挑戦した。
その様子が、子供たち自身の目線から語られている。3ヶ月間の悩み喜び後悔の日々がリアルに伝わってくる。
ただ単に知っている会社の株を買うのではなく、子供なりに情報を集めながら考えているのには、自分が中学生だった頃を思うと、本当に感心してしまう。
四季報を読み、ニュースや新聞をしっかりとチェックして、頭を使って社会を見る小中学生たち、すごいなと思う。
親のコメントやプロのアドバイスもついている。

第2部の文章で太字になっているキーワードは、
資産評価額、買取請求、無配当、ノーロード、ジャスダック、BRICs、信託報酬、運用レポート、市場、ゴールデンクロス
など。

文章全体に、マネックス証券のPRのニオイがするのが少し気になるけれど、それでも株式投資についての正しい知識を一通り身に付けたいという人には、最初に読むのには結構良い本かなと思う。

マネックス「株のがっこう」レポート2006年1月6日@東京証券取引所 :マネックス証券
2008-01-17

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか? 決算書編 (フォレスト出版)誰も教えてくれなかった!裏会計学その2小堺 桂悦郎
なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?決算書編 (フォレスト出版)
誰も教えてくれなかった!裏会計学その2
小堺 桂悦郎

決算書のカラクリが「世の裏側」をあぶり出す!
決算書がわかれば、イロイロなものが見えてきます。決算書は本当によくできています。とくに本書で説明する「損益計算書」と「貸借対照表」の関係は本当によくできていると思います。
決算書を知ることで、「何が儲かるのか」「何がオイシイのか」「どの会社が儲かるのか」「誰が儲かるのか」「誰がオイシイのか」「どの業界が儲かるのか」が必ず見えてきます。
まえがき より

先日読んだ『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』の続編。
会計コンサルタントである著者と、中小企業の社長との会話形式の文章スタイルは同じ。これが読んでいて面白い。
今回は、資金繰りに悩みながらも決算書の見方がまるで分かっていない困った社長に、的確にアドバイスを与えながら、決算書の見方のポイントを、素人にも分かりやすく説明してくれる内容になっている。
もくじ
第1章 なぜ、社長はベンツを売るとトクなのか?
 〜損益計算書の基本〜
第2章 ベンツはどこへ…
 〜貸借対照表の基本〜
第3章 なぜ、借金3000万円を利益30万円の会社が返せるのか?
 〜損益計算書と貸借対照表のヒミツの関係〜
第4章 ホントの決算書、ウソの決算書
 〜損益計算書と貸借対照表のキケンな関係〜
第5章 ベンツ買っちゃった!でも…
 〜キャッシュフロー計算書の基本と使い方〜

決算書の中でも、特に大切な損益計算書と貸借対照表の2つにしぼって解説している。
会社が黒字なのか赤字なのか、現金はいつどう流れているのか、このまま会社を続けて借金は大丈夫か、などを知りたいとき、どの数字を見て判断すればいいのか、そのポイントを教えてくれる。

それにしても、本文に登場する社長たちは苦労している方ばかりだ。
会社経営の大変さがひしひしと伝わってくる。

【関連】
『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』小堺桂悦郎 を読んで
なぜ、社長のベンツは4ドアなのか? (フォレスト出版)小堺 桂悦郎
なぜ、社長のベンツは4ドアなのか? (フォレスト出版)
小堺 桂悦郎