2009-09-13

『ミュージック・ブレス・ユー!!』津村記久子 を読んで

ミュージック・ブレス・ユー!!ミュージック・ブレス・ユー!!
(角川書店)
津村記久子


souiunogaii評価 

内容紹介
アザミよ、ヘッドホン1個耳に引っ掛けてどこへ行く――。
オケタニアザミは「音楽について考えることは、将来について考えることよりずっと大事」な高校3年生。髪は赤く染め、目にはメガネ、歯にはカラフルな矯正器。数学が苦手で追試や補習の連続、進路は何一つ決まらない「ぐだぐだ」の日常を支えるのは、パンクロックだった!超低空飛行でとにかくイケてない、でも振り返ってみればいとおしい日々・・・・・・。
青春の新スタンダード、ここに誕生!
第30回野間文芸新人賞受賞作

楽しかった。面白かった。
久しぶりに「ああ、これすごくイイ!」って思える青春小説に出会った、そんな気がした。

津村記久子さんの作品を読むのは実は今回が初めてなんだけれど、もうすっかりファンになってしまった。
芥川賞受賞作の『ポトスライムの舟』(講談社)など、他の作品もぜひぜひ読んでみたい、そう思った。

で、今回読んだ『ミュージック・ブレス・ユー!!』ですが、
主人公は高校3年生の女の子、アザミ。
もうとにかく音楽が大好きな子で、いつでもヘッドフォンから流れてくるパンクを聴いている。
大学受験を控えて勉強をしなきゃいけないんだけれど、やっぱり音楽以外のことには身が入らなくて、だいたい将来自分がやりたいこともはっきりとイメージできなくて……。
そんなアザミが、不器用ながらも何とかして「あたしはどうすればいいんだろう?」を一生懸命に考え、今日を精いっぱいに生きていく。
その姿がとっても若々しくてエネルギッシュな感じがして、読んでいて元気をもらえる。
"とにかく自分はコレが好きなんだ"って気持ちを大事にして、それを忘れないで、隠さないで、ずっとずっと"自分らしさと正直さ"を持ち続けること、そういうことが本当に大切なことなんだってことを教えてくれる。

舞台は大阪で、登場人物たちのセリフはみんな関西弁。
アザミの心の声を素直に表現したような文体から、とってもリアルに高校生の悩み葛藤しながら一生懸命に毎日を過ごす姿が感じられる。

アザミの周りの友達も、それぞれ素敵なキャラで、イイ。
チユキ、ナツメ、モチヅキ、トノムラ、みんなそれぞれアザミから何かをもらい、アザミに何かを与えてくれる。
高校卒業を控え、すこしずつ変わっていきながらも、大切なことを失わずにいられる彼女たちの姿は、まさに青春小説って感じで、読んでいていとても心地よい。

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