![]() | (ハヤカワepiブック・プラネット) パオロ・ジョルダーノ(著) 飯田亮介(訳) ![]() souiunogaii評価 |
内容紹介
イタリア文学最高峰素ストレーガ賞受賞作。
若き物理学者が描く、至高のラブストーリー。
心に深い傷を負った天才青年マッティアと片脚が不自由なアリーチェは、運命的に出会った。他者を避け孤独に生きる2人は、喧嘩が絶えなかったものの、互いに寄り添い、ともに大人になった。だがやがて、ささやかな誤解が2人の恋を引き裂き、2人は離ればなれに。やがて9年の時を経て、ふたたびめぐり会うが……。
もくじ
雪の天使 (1983)
アルキメデスの原理 (1984)
肌の上とすぐその下 (1991)
別の部屋 (1995)
水のなかと外 (1998)
ピントをあわせて (2003)
後に残るもの (2007)
本が好き!より献本。
イタリアを代表する文学賞にストレーガ賞というのがあるそうで、2008年度の受賞作が、今回読んだ『素数たちの孤独』です。
著者はパオロ・ジョルダーノ、26歳。(歴代最年少での受賞だとか)
しかも本職は素粒子物理学者で、本作品が小説家デビュー作となるというから、何だかとってもすごいことみたいだ。
本国イタリアでは120万分を超えるベストセラーを記録し、30カ国以上で発売される予定で、さらには映画化も決まっているとか。
物理学者が書いた物語で、タイトルに"素数"なんてあるから、サイエンス的な要素のある物語かと思いきや、まったくそうではなく、完全に純粋なラブストーリー。
主人公の男女2人、マッティアとアリーチェはとにかく純粋で不器用で繊細で、そんな2人の恋の物語は、もう切なくて苦しくて、こんなに美しい感動を味わえる物語に久しぶりに出会った気がする。
物語の舞台は、イタリア(トリノ)。
もくじにもある通り、1983年から2007年までの時系列に沿って語られるストーリーは、マッティアとアリーチェのそれぞれの視点を交互に描きながら展開されていく。
マッティアは、幼いころに双子の妹を自分の責任で亡くしてしまい、それから自傷を繰り返すようになる。
アリーチェもまた、幼いころのスキー事故で片脚の自由を失ってしまい、拒食症に悩まされている。
家族や友人との交流を極力避け、自分の中に閉じこもり、孤独に生きる道しか選べなかった2人が出会い、互いに魅かれ合う。
大学一年の時の授業で素数の一部にさらに特殊な数があることを知った。それは数学者たちが"双子素数"と呼ぶもので、隣りあったふたつの素数、いや、より正確に言えば、ほとんど隣りあった素数のペアのことだった。ここで"ほとんど"と言うのは、このふたつの素数の間には必ずひとつの偶数があって、両者が本当に触れあうことを妨げているからだ。(中略)
僕とアリーチェは双子素数と同じだ。マッティアはそう思っていた。どちらも孤独で途方に暮れていて、ふたりはお互いに近くにいるけれど、本当に触れあうにはなお遠すぎる。
マッティア、アリーチェそれぞれの、両親との関係も幼いころの悲劇的な出来事のために、どこか壊れている。
また、マッティアの大学での友人との関係や、アリーチェの周りに現れる男性の存在もまた、2人の関係の不器用さをより強調するように描かれていて、悲しく切ない。
そして、物語のラストシーンは、近くにありながら永遠に触れることのできない"双子素数"のような2人にピッタリのもので、おもわず目が潤んでしまう。
そして、明確な答えこそないものの、ほのかな希望らしきものが見えたところで小説は幕を閉じる。
だが、ふたりの物語は読者のなかでさらに続いてゆくのではないだろうか。優れた作品ではしばしばそういうことが起こるものだ。
素数たちの孤独 訳者あとがき:モントットーネ村から
どうか、マッティアとアリーチェには、今後も強く生き続けて欲しいと、そう願おう。
こんなにも綺麗な物語を読むことができたことに、とても満足したと思える一冊。
素数たちの孤独
- パオロ・ジョルダーノ
- 早川書房
- 円
書評/海外純文学

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しかもトラックパッドまで張っていただけるとは、blogger.comのブログでは出来ないことだと思ってました(笑)