2011-10-23

『奇跡』中村航 を読んで


奇跡奇跡
(文藝春秋)
中村航 (原案・是枝裕和)


souiunogaii評価 


内容紹介(文藝春秋)
人気映画監督の新作を若手新鋭作家がノベライズ
一番列車がすれ違うとき奇跡が起こる。九州新幹線開通に沸く街で噂を耳にした兄弟は、家族の再生のため奇跡を目撃すべく出発した

離婚した両親が仲直りしふたたび家族4人で暮らすことを夢見る航一は、ある噂を耳にする。
九州新幹線開通の日、博多から南下するのと鹿児島から北上するのと2つの列車がすれ違う瞬間、奇跡がおこるというのだ。
航一は弟の龍之介を誘い、奇跡を見ようと計画をめぐらすのだった。
「誰も知らない」の是枝裕和監督の新作映画を『100回泣くこと』の中村航がノベライズ。
2つの才能が結びついた傑作少年文学の誕生。


久しぶりに読んだ、中村航さんの作品。
良かった。

物語の主人公は小学生。
彼らの、世界をみる純粋なまなざしが、中村航の透明で美しい言葉で描かれている。

中村航作品は、これまで恋愛をテーマにしたものが多かった気がするけれど、
今回の「奇跡」のように、家族を主題にしたものでも、やっぱり中村航らしさが感じられる部分がいたるところにあって、読んでいてファンとしてとても楽しめた。

奇跡が起きるという熊本へ行くために、彼らが自分たちの力で計画を実行する姿、
旅の途中で出会う大人たちの優しさ、
そういうのが、独特の文体で綴られる。

最後の、新幹線がすれ違うシーンの、あのスピード感があふれる様子が、すごく良かった。

やがて、ここに命は咲き誇るだろう。
小さな祈りのようだった七人の旅を、結実させるように。世界の優しさだけを象徴し、決して消えないものを、忘れず、引き継ぐように。


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映画「奇跡」公式サイト

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九州新幹線WEB :JR九州

中村航公式サイト