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2009-07-05

『More Joel on Software』Joel Spolsky を読んで


More Joel on SoftwareMore Joel on Software
(翔泳社)
Joel Spolsky(著), 青木靖(訳)


souiunogaii評価 


内容紹介
Joel on Softwareが、さらにパワーアップして登場
極上のジョエル選集をご堪能あれ!

前著『Joel on Software』の好評を受けて、続編として2番目のコレクションにまとめられた。Joel Spolskyの、卓逸した文章力、豊富な技術知識、痛快なユーモアセンスで人のマネジメントや大規模プロジェクトの管理、プログラマを目指す人へのアドバイス、プログラミングのノウハウ、ソフトウェア会社の起業指南、さらにソフトウェアのリリースと改訂のタイミングなどなど、テーマも内容も盛りだくさんでお届けする。
もくじ
第1部 マネジメント
第2部 プログラマを目指す人へのアドバイス
第3部 デザインの力
第4部 大規模プロジェクトの管理
第5部 プログラミングのアドバイス
第6部 ソフトウェアビジネスを始める
第7部 ソフトウェア会社の運営
第8部 ソフトウェアのリリース
第9部 ソフトウェアの改訂

著者は、Joel SpolskyさんはかつてMicrosoft社でExcelの開発チームにいた方で、プロジェクト管理ソフト「FogBugz」を作っているFog Creek Software社の創業者だそうだ。
本書は、世界中のソフトウェア開発者に注目されているJoelさんのブログ「Joel on Software」の書籍化第2弾。

Joel on Software (English)
The Joel on Software Translation Project - Japanese

FogBugz -Project Manaement Software:Fog Creek Software

ブログ本なので、1つの章ごとに話が完結しているし、文章のスタイルはすごく親しみやすいし、話題は幅広いし、とっても読みやすいと思った。
小飼弾さんの言うように、まだ20代の私には本書の全部を味わえたかと聞かれれば答えはNOだけれど、それでもけっこう楽しめる一冊だった。

More ? Better! ... and Bitter - 書評 - More Joel on Software:404 Blog Not Found

MacとWindowsのデザイン、Webプラウザ戦争の永遠の課題、Vistaのユーザインターフェイスが何故あんな風になってしまったのか、などの話題は特に面白かった。なるほどそんな背景があったんだ的な感動がいっぱいあった。

プロジェクト管理、コスト管理、会社経営なんかの話は、まだ若い私にはちょっとなじみが薄くて難しかったけれど、文章のいたるところから「プログラマが働く環境をもっと快適であるべきだ」という著者の熱意がビシビシ伝わってきた。

より良いシステムを作るために、会社が最も重視するべきは何なのかを真剣に考えそれを実践しているこの著者の言葉を、ソフトウェア産業にかかわる多くの人に聞いてもらいたい、そう思う一冊でした。
2009-06-06

『紙とネットのハイブリッド仕事術』ビジネススキル向上委員会 を読んで


紙とネットのハイブリッド仕事術 (ソフトバンク新書)紙とネットのハイブリッド仕事術
(ソフトバンク新書)
ビジネススキル向上委員会


souiunogaii評価 

内容紹介(SodtBankCeative)
従来のツールと新しいネットの力を活用!

ネットに頼り切って「紙」という昔ながらのツールの利点を理解していなかったり、今までの仕事のやり方をそのまま継続してしまい、ネットの利点を生かせていなかったり、ちぐはぐになりがちなワーキングスタイルの人は必見!
会議やプレゼン、タスク管理からコミュニケーションツールまで、紙とネットの長所を取り込んだ、シンプルな仕事術がここに登場。
当たり前のことを当たり前にこなしていくためにも、従来のやり方に固執するのでもなく、逆にネットに頼り切るわけでもない作法を習得しよう。
ネットを活用すべきときにネットを、紙などの従来からのツールを使うべき際は紙を、そして双方を駆使する場合にはうまく融合させれば、仕事はぐっと楽になる!

仕事をこなす上で「知ってるとちょっと便利」的な情報を集めた一冊。
著者は"ビジネススキル向上委員会"というIT系の若手サラリーマンの団体。
本書で紹介されている仕事ツールのほとんどは無料で利用できるネット上のサービス。

実にさまざまなサイトが紹介されているんだけど、あらためて優れた機能を持つ「WEBアプリケーション」を手軽に利用できる環境が広まっている現実を実感して、すごいよなぁ、と思う。
ブラウザさえあれば、端末の環境によらずにいつでもどこでも利用できる、これってすごい技術だよな、と。
(私が仕事で携わっているのはクラサバ型のシステムなので、余計にそう思う)

それに、技術の進歩のスピードにも感心させられる。
数年前には全く存在していなかったサービスが、今では日常・仕事でのインフラ的なものとして扱われつつある。

WEB上のオープンなサービスっていうのは、常に情報セキュリティのレベルを高めることと、利便性を向上させることとの間のジレンマに、開発者たちは悩んでいるんだろうけど、その問題を解決してくれるテクノロジーが日々生みだされているみたいだ。
僕らの仕事・日常をより豊かなものにしてくれる技術者たちに、感謝感謝だ。
もくじ
第1章 マネジメントが仕事の質を決める
第2章 情報収集・整理で仕事をスピードアップ
第3章 会議やプレゼンで一味違うテクニックを使う
第4章 ネットワークを築き、自身の実力を高めていく
第5章 日常をもっと快適で楽しいものにする

本書は、タイトル通りデジタル・アナログ両方の手法で、仕事をより効率的にするためのテクニックがいろいろ紹介されているんだけれど、意外にもアナログ的なものに結構「これいいな」と思うものが多かった。

最初から最後まで全部通しても1時間くらいでパッと読めてしまうボリュームだが、そのわりに役に立つ情報がつまったお得な一冊だと思う。
2009-06-06

2009年5月の当ブログのアクセス状況


5月に読んだ本は、4冊とかなり少なめ。
それでは5月の月間アクセス報告です。

2009年5月のアクセス状況
・セッション数:1848[1日平均59.61] (前月比-102)
・ページビュー数:2581 (前月比-28)
・ユニークユーザー数:1534 (前月比-45)

記事タイトル別のアクセス順位TOP8は以下の通り。
1位 Macにしかできない事、Windowsでしかできない事 で、結局どうなの?
2位 本の虫、太田光がおススメ本を紹介。爆笑問題・太田光の『太田チョイス』:王様のブランチ(TBS)
3位 『長い終わりが始まる』山崎ナオコーラ を読んで
4位 『100回泣くこと』中村航 を読んで
5位 理系女子って?「カガクに燃えるヒト。-SCIENCE GIRLS」東京理科大の理系女子特設サイト
6位 プレゼンの準備・練習のために、特に読んでおくべきと感じた4つの記事プラス1
7位 映画「ハゲタカ」が面白そうだ!
8位 プリンタの調子が悪いので、ヘッドを交換してみたら再び綺麗に印刷できるようになった

そして2009年4月に私が読んだ本の満足度ランキングです。
1位 『あなたがここにいて欲しい』中村航 を読んで
あなたがここにいて欲しいあなたがここにいて欲しい(祥伝社)中村航

2位 『黒部の太陽[新装版]』木本正次 を読んで
黒部の太陽黒部の太陽(新潮社)木本正次

3位 『予想通りに不合理』ダン・アリエリー を読んで
予想どおりに不合理予想どおりに不合理(早川書房)ダン・アリエリー

また、今月もAmazon.co.jpを通して、当ブログで紹介した本を購入していただくことができました。ありがとうございます。
これからも当ブログをよろしくお願いします。


2009-06-02

『カインド・オブ・ブルー』タクマクヒニロ を見て


カインド・オブ・ブルー[雷鳥社版]カインド・オブ・ブルー
(雷鳥社)
タクマクニヒロ


souiunogaii評価 


私の大好きな写真家・タクマクニヒロさんの『カインド・オブ・ブルー』です。
空や海などの"青"の世界を集めたとっても素敵な写真集。
帯に書かれたメッセージは
好きなことを仕事にしたら
幸せになれると思いますか?

タクマさんがこだわりにこだわって作り上げた写真集なので、その完成度の高さは素晴らしいです。
一つひとつの写真に添えられた言葉も、非常に味わい深い。

私の宝物の一つにしたい一冊です。

タクマクニヒロさんのサイト

【関連記事】
写真集『ブルー・ノート』タクマ クニヒロ を見て

【姉妹記事】
カインド・オブ・ブルー:PHOTO IS WONDER
2009-05-24

『カモメになったペンギン』ジョン・コッター を読んで


カモメになったペンギンカモメになったペンギン
(ダイヤモンド社)
ジョン・P・コッタ―(著)
藤原和博(訳)


souiunogaii評価 

内容紹介
組織を変革し、成功に導くためのリーダーシップが、ペンギンのコロニーを舞台とした物語で分かりやすく示される。
リーダーシップの権威であるジョン・コッタ―が、自身の提唱する「組織変革を成功させる8段階のプロセス」を幅広い層に、わかりやすく示したビジネス寓話。組織変革のプロセス、それを成し遂げるためのリーダーシップのエッセンスが、ペンギンのコロニーを舞台とした物語に凝縮されている。

著者のジョン・コッターは、ハーバード・ビジネススクールの教授で、
『企業変革力』を書いた有名な人だそうです。

本書は、その彼が提唱する「8段階の変革プロセス」について、寓話のモチーフにしてわかりやすく語ったものです。
南極の氷山で暮らすペンギンの群れに危機が訪れます。
生き残るために彼らは「組織の変革」を必要とされるのです。
ペンギンたちが実行した8段階の変革プロセス
1. 危機意識を高める
2. 推進チームをつくる
3. ビジョンと戦略を立てる
4. ビジョンを周知する
5. メンバーが行動しやすい環境を整える
6. 短期的な成果を生む
7. さらなる変革を進める
8. 新しいやり方を文化として根付かせる

プロセスを説明するためのエピソードの一つひとつが、どれも示唆に富むものばかりで、読んでいてとても多くの気づきを得られます。

Our Iceburg Is Melting (English)

Our Iceberg is MeltingOur Iceberg is Melting
John Kotter



2009-05-17

映画「ハゲタカ」が面白そうだ!


ハゲタカ
映画「ハゲタカ」公式サイト

6月6日(土)に公開の映画「ハゲタカ」が面白そうだ。
2007年にNHKで放送されたドラマ版の続編みたいだれど、主なキャストもスタッフもそのままだし、期待大です。

主演の大森「やり切った」 映画ハゲタカ完成:YOMIURI ONLINE(2009/05/12)

迫力ある独特の空気感の満ちた映像に、カッコいい音楽が合わさり、さらに実力ある役者たちの演技によって作りだされる、あの「ハゲタカ」ワールドの続きが見られるなんて、とっても嬉しく待ち遠しいです。

とにかく私、ドラマ「ハゲタカ」が大好きなんです。
大森南朋、柴田恭兵、松田龍平ら俳優陣はみんなカッコよかったけれど、
それに負けずに女優・栗山千明ちゃんもとってもカッコよかった
佐藤直紀の音楽も、大友啓史の演出も最高だった。

映画ではどんな世界を見せてくれるのか、非常に楽しみです。

ハゲタカ DVD-BOXドラマ「ハゲタカ」
DVD-BOX
TV版ハゲタカ「日本を買い叩け!」編TV版ハゲタカ
「日本を買い叩け!」編
(主婦と生活社)

ハゲタカ オリジナル・サウンドトラックドラマ「ハゲタカ」
オリジナル・サウンドトラック




NHKドラマ「ハゲタカ」
ドラマ「ハゲタカ」公式サイト:NHK

NHKドラマ「ハゲタカ」がやっぱり面白い
2009-05-16

『あなたがここにいて欲しい』中村航 を読んで


あなたがここにいて欲しいあなたがここにいて欲しい
Wish You Were Hiere
(祥伝社)
中村航


souiunogaii評価 

内容紹介
懐かしいあの日々、温かな友情、ゆっくりと育む恋――
僕は、守り続けなきゃならない
『100回泣くこと』の中村航が贈る、静かで優しい物語
もくじ
あなたがここにいて欲しい
男子五編 (and one extra episode)
ハミングライフ


中村航の『あなたがここにいて欲しい』です。
この本、表紙絵や装丁の感じがとっても素敵な感じで、物語の雰囲気ともぴったり合っていて、すごく好きです。

デザイニングスタジオ・ジェニアロイドblog
空色トロイメン 宮尾和孝公式サイト

まず表題作の「あたながここにいて欲しい」ですが、
主人公は、『夏休み』に登場していた、あのカメラの分解が趣味の吉田くん。
幼稚園児時代からはじまり、小学生、中学生、高校生、大学生と進む彼の成長物語です。
吉田くんの持つ、独特の感性、オリジナルな輝きみたいなものに、何だかとっても魅力的なものを感じる。
あぁ、いいな、って。
こ、これがゾウか、と、痺れるように吉田くんは思っていた。一頭だけいるゾウは、幼稚園児に換算すると五十園児分くらいの質感を放っていた。
(中略)
電力に換算すると、三百ギガワットくらいだろうか。それは園児のやわらか頭に、春の電撃が落ちたような衝撃だった。

『夏休み』で、愛する舞子さんのために戦った、あの強い意志・信念を持った吉田くんという人間は、こういう風にして作られてきたんだ、って。

幼なじみの親友である又野君というのが、結構重要なキャラとして登場するんだけれど、その又野君の描き方、吉田くんとの関係の描き方が、非常に上手い。
中村航の他の作品でも感じることだけれど、「真にたいせつなこと」を「きちんと分かること」がどういうことで、それがどれだけ重要なことなのかを教えてくれる、
そんな力が、この物語にはある。
中村航の紡ぎだす言葉の、一つひとつが、そういう力を生み出している。
守れるものの総量は、とても限られている。電柱を背にうずくまり、吉田くんは思った。呼吸を整え、電柱にもたれかかる。
だからこれからは、大切なものを自分からまもりにいかなければならなかった。好きな人に告白したりとかそんなことは、当たり前にやらなきゃならない。キスとかそういうことも、さりげなくこなさなきゃならない。そしてまっとうな文明を守るのだ。


次の、「男子五編」は、著者である中村航の自伝とも受け取れる作品。
主人公の「僕」が、小中高、大学、と進み、就職し、そして会社を辞めて小説を書き始めるまでの物語。
これは、中村航自身のストーリーかもしれない。
探し続ければ、美徳などいくつでも見つかる。ならば、と男は考える。いや、違う。考えるんじゃない、感じるんだ!(Don't think. Feel!) "礼儀"、"仲良し"に続くもの、それは……。
――もうひとつを探し続けること。

世界三大美徳を追い求め続ける、中村航の物語。素敵だ。

最後の「ハミングライフ」も、爽やかなラブストーリーだ。
木のウロに入れた絵手紙と、一匹のノラ猫を通じて、「私」は「小川君」とメッセージを交換し合う。
一組の素敵なカップルが誕生するまでの、とっても爽やかな物語。

bk1の、みーちゃんさんの書評がとっても良かったので紹介しておきます。
心温まる、思わず微笑んでしまう恋愛小説として、イチオシです。中村航のベストというだけではなく、恋愛小説というジャンルのなかでもトップレベル。読み終わって、よかったね、と言いたくなります:オンライン書店bk1

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)ライ麦畑でつかまえて
(白水Uブックス)
J.D.サリンジャー(著), 野崎孝(訳)
夏休み (河出文庫)夏休み
(河出文庫)
中村航


souiunogaii評価 


【関連記事】
『100回泣くこと』中村航 を読んで
『ぐるぐるまわるすべり台』中村航 を読んで
『リレキショ』中村航 を読んで
『夏休み』中村航 を読んで
『僕の好きな人が、よく眠れますように』中村航 を読んで
『絶対、最強の恋のうた』中村航 を読んで
2009-05-13

『黒部の太陽[新装版]』木本正次 を読んで


黒部の太陽[新装版](新潮社)木本正次黒部の太陽[新装版]
(新潮社)
木本正次


souiunogaii評価 

内容紹介
昭和30年代、前人未到の難工事を成し遂げた男たちの魂の記録!

「このトンネルをぶち抜かなければ黒四ダムはできない!」
毎秒600リットル以上の水を噴出する破砕帯の脅威!それでも男たちは、日本の電力不足を救うために掘った。
かつてこれほど熱かったニッポン、その世紀の大事業を描く実録小説の傑作が新装版で登場!

先日フジテレビで放送されたスペシャルドラマを見て、何だかすごく胸が熱くなって、ぜひこの奇跡の物語についてもっと詳しく知りたい!
そう思った。
で、ドラマの原作である本書『黒部の太陽』を読んだ。
すごかった。
感動した。
ノンフィクション小説独特の、建設機器や過酷な自然条件、時代背景などの客観的な説明文と、
登場人物である大町トンネル建設スタッフの方たちの丁寧な心情描写とのバランスは絶妙だし、
ドラマを先に見ているせいもあって、物語の世界にぐっとひきこまれてしまった。

この奇跡的な物語が、昭和の日本で達成された事実であることには、もうその凄さに言葉が出ない。

映画「アルマゲドン」で彗星に穴を掘ったブルース・ウィルスもかっこよかったけれど、
大破砕帯に打ち勝ち見事にアルプスの山をぶち抜いたトンネルを掘った彼らのカッコよさは、それ以上かもしれない。
もくじ
1 神話への出発
2 三正面作戦
3 市民の中で
4 アルプスの横穴
5 地の果てへ
6 作廊、東谷前線
7 白い大敵
8 死生一瞬
9 二つの破砕帯
10 一本の鋲
11 一枚の紙も黒四へ!
12 光あまねき陰に
13 神話の中、人は流れる

黒部の太陽
「黒部の太陽」:フジテレビ

黒部ダム
黒部ダムオフィシャルサイト:関西電力

笹島建設
笹島建設

熊谷組

最後に、非常に印象に残った、関西電力の太田垣社長の言葉を。
「危いって君、みんなそこで仕事してくれてるんじゃないか。仕事をいいつけた僕が、行かないという法はないよ」
「金は幾らでも使ってくれ。機械は世界中で一番いいのを使ってくれ。すべては僕が責任を持つ。君たちは何も心配せずに、ただトンネルの貫通だけに全力を尽くしてくれ」


【関連記事】
写真集『ダム』萩原雅紀 を見て
2009-05-09

『予想通りに不合理』ダン・アリエリー を読んで


予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」予想どおりに不合理
行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
(早川書房)
ダン・アリエリー

souiunogaii評価 

とにかく「行動経済学って面白い!」が連発の一冊。
内容紹介
これまでの経済学では、人は合理的に行動するものと考えられてきた。だが、本当にそうだろうか。
本当はおなじ味でも、雰囲気のいいカフェのコーヒーにはファストフード店のコーヒーより高いお金を払っていないだろうか?また、上等の靴下が必要だったのに、一足ぶんおまけされていた安物の靴下を買ってしまったことは?そう、人は不合理な行動をとるものなのだ。
経済行動に大きく影響しているにもかかわらず、これまで無視され誤解されてきた、人の不合理さを研究するのが、行動経済学という新しい分野である。ユニークで愉快な実験によって、人がどのように不合理な行動をとるのかを系統的に予想することが可能になった。「おとり」の選択肢や、価格のプラセボ効果、アンカリングなど、人の理性を惑わす要素を理解するとき、ビジネスや投資、政治の世界でも、驚くほどのチャンスがもたらされるようになったのだ。
行動経済学研究の第一人者がわたしたちを動かすものの正体をおもしろく解説する全米ベストセラー行動経済学入門。

昨年の11月に発売されて結構話題になっていた本なので、読みたい読みたいと思いながらなかなか時間がなかったりで、やっと読むことができました。

とっても面白かったです。非常に楽しめました。
「行動経済学」っていう学問分野についての興味関心が一気にぐっと高まり(深まり)ました。

本書のタイトルにもある"予想通りに"と"不合理"という言葉、この2つがセットになって使われているところに重要な意味がある。
従来の経済学っていうのは、「社会とは、合理的な人間の働きによってつくられている」という前提の上に成り立っているのだけれど、実際には人間の働きには不合理な点が多々あり、しかもそれらにはパターンがある。
っていうことを研究しているのがずばり「行動経済学」なんだそうだ。
わたしたちはふつうの経済理論が想定するより、はるかに合理性を欠いている。そのうえ、わたしたちの不合理な行動はでたらめでも無分別でもない。規則性があって、何度も繰り返してしまうため、予想もできる。だとすれば、ふつうの経済学を修正し、未検証の心理学という状態から抜け出すのが賢明ではないだろうか。これこそまさに、行動経済学という新しい分野であり、…

著者のダン・アリエリーは、行動経済学研究の第一人者と呼ばれる人で、MITをはじめアメリカの名だたる大学・研究機関で実績を積んできたすごい人みたいだ。

Dan Ariely Home Page:MIT (English)

本書の10章にもあるプラセボ研究の成果によって、2008年のイグ・ノーベル賞も受賞しているとか。
もくじ
1章 相対性の真相 なぜあらゆるものは―そうであってはならないものまで―相対的なのか
2章 需要と供給の誤謬
 なぜ真珠の値段は―そしてあらゆるものの値段は―定まっていないのか
3章 ゼロコストのコスト
 なぜ何も払わないのに払いすぎになるのか
4章 社会規範のコスト
 なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたん楽しくなくなるのか
5章 性的興奮の影響
 なぜ情熱は私たちが思っている以上に熱いのか
6章 先延ばしの問題と自制心
 なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
7章 高価な所有意識
 なぜ自分の持っているものを過大評価するのか
8章 扉をあけておく
 なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
9章 予測の効果
 なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか
10章 価格の力
 なぜ1セントのアスピリンにできないことが50セントのアスピリンならできるのか
11章 私たちの品性について その1
 なぜわたしたちは不正直なのか、そして、それについてなにができるか
12章 私たちの品性について その2
 なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか
13章 ビールと無料のランチ
 行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか

経済学っていうと、なんだか景気とか金融とか政策とかが絡む大規模で難しいものがぱっと思い浮かんでしまうかもしれない。
しかし、本書で扱われているテーマはそんなものをは全然違う。
もっと、簡単で日常生活に深く関係した身近なものばかりだ。
だから読んでいて楽しいし面白いし、「あぁ、そういうのあるある」がたくさん出てくるし、「そうか、こうすればいいんだ」みたいな発見がいくつもあって、とってもイイ。

キーワードを挙げてみると、
おとり、相対性、刷りこみ、恣意の一貫性、アンカリング、無料!の力、市場規範と社会規範、先延ばし、所有意識、予測の効果、不正直、不正、独自性欲求、
などなど。

そして、本書の面白さの一番のポイントは、著者が行った数多くの「実験」だと思う。
著者は他の研究仲間と一緒に、MITやハーバードの学生を対象に、さまざまな「実験」を繰り返し実施して、人間がどんな風に"不合理な"行動をとるのか、その法則性・パターンを探っていく。
仮説を立て、予測が正しいのかを実験によって検証する、そこからまた新たな理論を導く、という流れはまさに研究としてのまっとうな形であり、学問と呼ぶにふさわしいと思う。

本書「予想どおりに不合理」は、行動経済学の入門--でもあるが、それに留まっていない。本書の魅力は、「なぜそうなるのか」を説明するに留まらず、「ならどうするべきか」まで踏み込んでいるところにあるのだから。(中略)
経済学は面白い。役に立つことすらある。しかし感動まですることは、本書に巡り会うまで滅多になかった。この感動を、ぜひあなたも味わってほしい。





予想以上に合理的! - 書評 - 予想どおりに不合理:404 Blog Not Found
人は「予想どおりに不合理」だけど「意外に合理的」でもある、という話:H-Yamaguchi.net


人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く人は意外に合理的
新しい経済学で日常生活を読み解く
(ランダムハウス講談社)
ティム・ハーフォード



【関連記事】
『まっとうな経済学』ティム・ハーフォード を読んで
『ヤバい経済学』レヴィット&ダブナー を読んで
2009-05-01

2009年4月の当ブログのアクセス状況


4月に読んだ本は、3冊とかなり少なめ。
忙しかったせいもあり、記事数自体も少なくなってしまいました。
それでは4月の月間アクセス報告です。

2009年4月のアクセス状況
・セッション数:1950[1日平均65.00] (前月比-5607)
・ページビュー数:2609 (前月比-6088)
・ユニークユーザー数:1579 (前月比-5309)

記事タイトル別のアクセス順位TOP8は以下の通り。
1位 Macにしかできない事、Windowsでしかできない事 で、結局どうなの?
2位 本の虫、太田光がおススメ本を紹介。爆笑問題・太田光の『太田チョイス』:王様のブランチ(TBS)
3位 プレゼンの準備・練習のために、特に読んでおくべきと感じた4つの記事プラス1
4位 『長い終わりが始まる』山崎ナオコーラ を読んで
5位 理系女子って?「カガクに燃えるヒト。-SCIENCE GIRLS」東京理科大の理系女子特設サイト
6位 プリンタの調子が悪いので、ヘッドを交換してみたら再び綺麗に印刷できるようになった
7位 YUKIの本まとめ (確かに > YUKIかわいすぎだろ)
8位 『100回泣くこと』中村航 を読んで

そして2009年4月に私が読んだ本の満足度ランキングです。
1位 『100回泣くこと』中村航 を読んで
100回泣くこと (小学館文庫)100回泣くこと (小学館文庫)中村航

2位 『ぐるぐるまわるすべり台』中村航 を読んで
ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)中村航

3位 『英語の頭に変わる勉強法』竹岡広信 を読んで
英語の頭に変わる勉強法(中経出版)竹岡広信英語の頭に変わる勉強法(中経出版)竹岡広信

また、今月もAmazon.co.jpを通して、当ブログで紹介した本を購入していただくことができました。ありがとうございます。
これからも当ブログをよろしくお願いします。
おひるのたびにさようなら(河出書房新社)安戸悠太おひるのたびにさようなら(河出書房新社)安戸悠太

ダーウィン―世界を揺るがした進化の革命 (オックスフォード科学の肖像)ダーウィン-世界を揺るがした進化の革命(オックスフォード科学の肖像)