![]() | (河出文庫) 柴崎友香 ![]() souiunogaii評価 |
内容紹介
大阪から京都へ引っ越した友人の新居祝いに集まった、20代前半の男女。
けいと、真紀、中沢、かわち、正道……5人のわたし/ぼくを語り手に、真夜中を越えて続く「きょう」のちいさな「できごと」を切り取った全5編の連作短篇集。
文庫版の書下ろし短篇「きょうのできごとのつづきのできごと」も収録。
もくじ
レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー
ハニー・フラッシュ
オオワニカワアカガメ
十年後の動物園
途中で
きょうのできごとのつづきのできごと
柴崎友香さんの単行本デビュー作となった『きょうのできごと』。
本作品は、行定勲監督によって同タイトルで映画化もされている。
先日、『フルタイムライフ』を読んで柴崎友香という作家が俄然気になっていた私だが、
この『きょうのできごと』を読んで、ますますその魅力にハマってしまった。
あぁ、こういう作風もあるのか、いやむしろこっちが原点か、みたいな感じの発見もあった気がして、柴崎友香やるな、と思った。
短篇連作ということで、物語それぞれの語り手になる人物を変えながら、一つひとつのできごとを絶妙なバランスとタイミングでリンクさせ、視点移動の効果を最大限に引き出すその手法は、本当にみごとだと思う。
深夜零時をまたいでの一日のできごとを描いた物語なんだけれど、人物一人ひとりの過去現在を、時間と空間とに大きな広がりを持たせて伝えてくれると同時に、
一瞬一瞬のその場の雰囲気をも大切に表現しようとする、読んでいてすごく面白いと感じる場面の多い作品だった。
ほんまに、始まりすらなくて終わりすらない、そんなとてもささやかな
一シーンを切り取っただけなんだけど、
その一瞬で彼らたちがほんの少しだけ前に歩いたような、
そんな風にふと思える瞬間が幾度もあり、
私はとても前向きな気分になりました。
本を読む女。改訂版
↑は「本を読む女。改訂版」のざれこ さんの感想。
私的にぴったりな感じがしたので紹介させてもらいます。
何でもない、"日常"のなかにある「いいな、これ」と思える瞬間をとらえて、その連続でこんなに素敵な世界観を持つ物語として形にする、柴崎友香という作家、私はすごく好きです。
なにかドラマチックなものがあるものが小説、という意識もなかったですし、自分の好きな映画や写真は、場面や風景だけでも好きだから、それは小説でやっても全然おかしくないと思っていたんですね。とにかく私としては、なんにもないことを書きたい、と。なんにもなくても生きていけるということを書きたいと思ったんです。
柴崎友香ロングインタヴュー「世界をありのままに描きたい」
『文藝 2008年冬号』より
![]() | 監督:行定勲 出演:妻夫木聡、田中麗奈 ![]() |
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